Wi-Fiやネットに発生するトラブルは、「固定回線」「Wi-Fiルーター」「スマホやパソコン」のどこにどのような問題が発生しているかを把握するのが大きなポイントだ。各分類で考えられる代表的な原因を解説していこう。
Wi–Fi&ネットトラブルのチェックポイント
Wi-Fiやインターネットは、「つながらない」「遅い」「不安定」など、突如として不調に陥ることがある。
現代はネットがないと生活に大きな不便をきたすので、いきなり発生するトラブルは迷惑極まりない。例えば、リモートワークでビデオ会議を開催中に突然ネットが切断したら、仕事に支障が起きかねない。
そこで、まず覚えておきたいのが、Wi-Fiやネットに発生するトラブルは「どのような原因で起こるか」ということだ。
これを大きく分類すると、「固定回線に起きた問題」「Wi-Fiルーターに起きた問題」「スマホやパソコンなどの子機に起きた問題」のように切り分けられる。
トラブルを素早く解決するには、どの分類でどのような問題が発生しているかを把握するのが大きなポイントだ。ここでは、各分類で考えられる代表的な原因を解説していこう。
万が一、トラブルが起きても慌てないように、どの分類でどのような問題が起こる可能性があるのかを知っておくことが大切だ。
トラブルチェック固定回線に問題あり!
原因1
契約している回線の種類がADSLなどで遅い
回線がADSLなどの場合、「速度が遅い」「接続が不安定」といった問題が起こりやすい。ADSLは最高50Mbpsと低速、ケーブルテレビも光回線ほど速くなく安定しない。これらの回線を利用中なら契約変更を検討しよう。
原因2
契約している回線のプランが古いままで遅い
光回線の初期にできたプランは最高速度200Mbpsなど低速なものが主流だった。もし、このような古いプランを契約しているのなら、プランの見直しがおすすめ。それだけで大幅な速度の改善が見込める。
原因3
回線に障害や工事が発生した
契約している回線で工事をしていたり、障害が発生していたりすると接続ができない、遅くなるなどの不安定な動きとなる。いずれの場合も、回線事業者のサイトで告知されるので、おかしいと思ったときは確認してみよう。
原因4
サイトやウェブサービスが混雑している
ほかのサイトは利用できるが、特定のサイトだけが利用できない場合は、そのサイトが混雑しているか問題が生じているケースもある。この場合は、サイト側の対策が終わるまではどうすることもできないので、復旧を待とう。
回線速度はパソコンサイトで確認
自分が接続している回線の速度を確認したいときは、Wi-Fiによる原因を排除するため、できれば有線LAN接続したパソコンで速度計測サイトを使ってテストするといい。計測結果が遅い場合は、固定回線に問題がある可能性があると判断できる。
トラブルチェックWi-Fiルーター(親機)に問題あり!
原因1
発売時期の古い製品や性能の低い製品を使っている
Wi-Fiには規格があり、最新の規格になるほど高速だ。もし手持ちのWi-Fiルーターが古い場合、古い世代の規格にしか対応していないため、速度が出ていない可能性がある。この場合はルーターの買い替えを検討しよう。
原因2
製品に不具合があったり故障したりしている
突然通信が途切れたり不安定になったりするような場合、Wi-Fiルーターに不具合が起きている可能性がある。ルーターを再起動しても直らないようであれば、故障を疑ってみよう。この場合はメーカーに相談したほうがいいだろう。
原因3
つなぎ方・設置の間違いや設定ミス
ネットにつながらないケースでは、Wi-Fiルーターと回線事業者からレンタルされている機器を違う端子につないでいたり、ルーターの動作モードを間違えて設定していたりすることは少なくない。これらを見直そう。
原因4
ケーブルやコンセントが抜けたり、断線している
ある日突然つながらなくなったといったときは、ケーブルやコンセントが抜けていないかを確認する。差し直しても症状が変わらない場合は、断線の疑いもあるので、別のケーブルでつないで症状が改善するか確認しよう。
電源ケーブルが外れることもある!
電源回りは見落としがちだが、実は原因だったということは少なくない。特に「電源ケーブルが何かの拍子で抜けていた」「電源アダプターが外れていた」といった初歩的なミスは割と多い。Wi-Fiルーターだけでなく、ONUやホームゲートウェイなどのレンタル機器もチェックを忘れずに。
トラブルチェックスマホやパソコンなどの子機に問題あり!
原因1
古い製品やWi-Fi性能の低い製品を使っている
ルーターが最新の規格に対応していても、スマホやパソコンといった子機が古い規格にしか対応していなければ、古い規格に合わせた通信となる。速度が遅いと感じたときは、子機の規格も確認したほうがいいだろう。
原因2
Wi-Fiの電波が届かない場所で使っている
電波という特性上、どうしても届かない範囲が出てきたり、微弱な電波しか届かないということがある。Wi-Fiを隅々まで行き届かせるには、ルーターの位置を見直すか、メッシュネットワークの構築といった検討が必要だ。
原因3
同時に接続する製品の台数が多い
Wi-Fiへ同時に接続している機器が多すぎると、渋滞を起こしてしまって速度の低下や不安定化を招くことがある。この場合は、同時に接続する台数を減らすか、より高性能なルーターに買い替える手段を検討しよう。
原因4
設定や接続方法を間違えている
ほかの端末では接続できるが、特定の端末で接続ができない場合は、スマホなどの子機側で設定を間違えている可能性ある。その端末の設定に誤りがないか確認し、問題ないときは再起動して問題が解消するか確認しよう。
Wi-Fi 6対応の子機を選ぼう
Wi-Fiを高速で利用するには、ルーターだけでなく子機も最新の規格に対応している必要がある。そのため、スマホやパソコンを買い替えるときは、Wi-Fiの規格も必ず確認しておきたい。最新の規格、Wi-Fi6に対応しているものを選んでおけば間違いないだろう。
■解説/岩渕 茂(ITライター)
※この記事は『今すぐつながる!Wi-Fi完全マスター塾』(マキノ出版)に掲載されています。