「キャンプっていうのは大人が集まって、ビールを飲みながら肉を焼くこと」と筆者は甥はいっていました。確かにアウトドアと焼肉はワンセットという印象。そんな筆者が最近すっかり気に入っているのがイワタニのカセットこんろ用プレート「焼肉グリル」。アウトドアで肉を焼く方すべてにおすすめしたい逸品です。この魅力をみなさんにお伝えします。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
「本格的な焼肉を!」と聞いて使ってみた
カセットこんろ用プレートでもっとも本格的な焼肉が楽しめる?
ワンパターンのような気もしますが「アウトドアやキャンプといえば焼肉!」。最高じゃないですか? 筆者も大好きです。
なによりもほとんどの下準備なしで、肉を焼きはじめれば、みんないっしょに食べられるのがいいところだと筆者は思っています。キャンプに行く途中などで肉さえ手に入れば、あとは焼くだけなので、本当に手軽です。必要なら、あとは彩りとして程度の量の野菜があればいいだけ。面倒くさがり屋の筆者にとっては最高です。
多くの場合、アウトドアでも、キャンプでも、自宅の庭で焼肉でも、この焼肉を楽しむために炭火をおこしてとなるでしょう。しかし、筆者はさらに手を抜いて「ガスコンロとかでよくない?」となることが結構あります。ガスコンロで済むなら、自宅の庭などで焼肉をするのに、ほかの準備はテーブルとイスを出す程度です。炭火と違って、後片付けもほとんどないので、その気になればお休みじゃなくても、外で焼肉が楽しめるのです。
しかし、せっかく外で焼肉をするなら「おいしく食べたい!」と思うのが、筆者だけではないでしょう。とはいえ、焼肉の場合、ほぼ買ってきた肉を焼くだけ、肉の品質と焼き方ですべてが決まるといえるでしょう。それでも、カセットこんろで済ませたい筆者がいろいろと探してたどり着いたのがカセットこんろ業界最大手のイワタニのカセットこんろ用プレートシリーズの「焼肉グリル」(実勢価格2,980円前後)です。
イワタニのカセットこんろ用プレートシリーズはイワタニのカセットこんろ用に作られた調理用プレートのシリーズで、イワタニのカセットこんろのゴトクにはまる構造になっているため、安定して使いやすくなってます。
9種類のカセットこんろ用プレートのうち3種類は焼肉用
実は筆者が「焼き肉グリル」を試してみたかった大きな理由のひとつが、イワタニのカセットこんろ用プレートシリーズは、たこ焼き用や鉄板焼きなど9種類がラインアップされています。しかも、そのうち3種類が焼肉用なのです。さらに、このなかで公式WEBで「本格的な焼肉を!」というキャッチフレーズがついているのは「焼肉グリル」だけ、ほかは「お手軽に焼肉を!」や「ご家庭での焼肉に!」となっています。
そう、イワタニのカセットこんろ用プレートシリーズでもっとも本格的な焼肉を楽しめるのが「焼肉グリル」だと推察されるわけです。まさにすでに持っているイワタニのカセットこんろで、できるだけおいしい焼肉を楽しみたいと考えている筆者には最適の商品だといえるでしょう。
この「焼肉グリル」を試してみました。
イワタニの「焼肉グリル」の構造
約1.3kgの鉄鋳物製の鉄板と水受皿のツーパーツ構造
イワタニの「焼肉グリル」は大きくふたつのパーツでできています。ひとつは肉を焼く鉄板部分でフッ素加工などはまったくされていない鉄鋳物製。鉄板部分のみの実測サイズは約24×26cmで重さは約1.3kgと、かなりずっしりとした印象です。これに鉄板の下にひく、水受皿部分があり、約540mlの水を入れて、カセットこんろの上にセットして使用します。
水受皿の底の部分がイワタニのカセットこんろのゴトクにしっかりとはまる構造になっているため、ガタつきなどが少なく、安心して使うことができます。
また「焼肉グリル」には太めの針金でできたような補助取っ手が付属しており、鉄板部分を水受皿の上から移動する際に便利です。
写真をみてもわかるように、まさに質実剛健といった印象の焼肉用グリルになっています。
イワタニの「焼肉グリル」で焼いてみた
違いは伝えにくいが「本格焼肉店」のような焼き上がり
実際に「焼肉グリル」を使って焼肉を焼いてみました。
はじめて使ったときから、とてもおいしいと感じていたのですが、なかなかなにが違うのか、伝える言葉がみつからず、とりあえず筆者の焼肉は「手軽でおいしくなったから、いいか?」とも思っていたのです。
しかし、いろいろと考えているうちに「これはガス台を使っているおいしい焼肉屋と同じだ」と気付きました。筆者は「焼肉グリル」を「イワタニ カセットフー 達人スリムIII」の上に乗せて使っているのですが、「イワタニ カセットフー 達人スリムIII」は3.3kWとカセットこんろのなかでも火力が強く、その余裕のある火力の上に、1.3kgもある厚い鉄板、そして、鉄板の穴の部分から水受皿に余計な脂が落ちていく構造と、本格焼肉なのに炭火ではなく、ガス台を使っているお店の条件にそっくりなのです。
お店によっては、一般の方には炭火よりガスの方が扱いやすいから、うちは炭火ではなく、ガス台といっているお店の条件とも合致します。肉の焼き上がりの感じも、まさにそんな印象。ガス台使用のこだわりの焼肉屋の味といった、かなりいい感じで仕上がります。
ただし、すべてがいいことだらけとはならない部分もあります。下に掲載した写真をみてもらうとわかるように「焼肉グリル」はかなりいい感じで煙りが出ます。火力の調整である程度の対処はできますが、筆者はあまり自宅のリビングで使いたいとは思わないレベルです。
そのため、ガスで簡単! 味も満足の「焼肉グリル」ですが、筆者個人はアウトドア(屋外)での使用をおすすめします。ちなみに、この夏の我が家のお庭焼肉はほぼすべて「焼肉グリル」で行いました。それほど気に入っています。
まとめ
後片付けの手間を覚悟してでも使いたい! お庭焼肉のエース「焼肉グリル」
煙が出ることなどは気にせず、心持ち強めの中火でガンガン肉を焼いて楽しみたい「焼肉グリル」。実際、筆者は自宅の庭などで煙が出るのも気にせず、この夏はほとんど「焼肉グリル」で焼肉を楽しんだわけです。その焼き上がりを含め、大満足! お庭やアウトドアでの焼肉を楽しむ多くの方におすすめしたい逸品といえるでしょう。
ただし、ひとつ忘れてはいけないことがあります。実は「焼肉グリル」の鉄板はずっしりとした鉄鋳物製。このことがおいしい焼き上がりのポイントなのでしょうが、しっかりと焼肉を楽しむと汚れが焼き付きます。これを洗うという作業が楽しみのあとにセットで付いてくることを忘れてはいけません。ステンレスたわしなどで鉄板をこすっていると「フッ素加工などのもっと楽な焼肉グリルを使うべきか?」といった疑念が湧いてくることもありますが、味を優先するなら「焼肉グリル」がおすすめ。筆者もこの夏は何度もステンレスたわしで鉄板をこすりました。それでも、この夏は毎回「焼肉グリル」を登場させたほど、手軽においしい焼肉が味わえます。ぜひ試してみてください。