タンスのゲン『多機能スーツケース』を実際に出張で試してみた!【USB-C・ドリンクホルダー・フック・フロントオープン対応・機内持ち込み可のキャリーケース】

レビュー

新型コロナウイルスもひと区切り。旅行に、出張にとリアルな移動が増えているでしょう。北海道に住む筆者も今年は出張が増えているのですが、そんななか最近流行のUSBコネクタやドリンクホルダーなどを装備した機内持ち込み可能な多機能スーツケースが気になり、タンスのゲン『多機能スーツケース』を実際の出張で試してみました。

多機能スーツケースとは?

明確な規定はないがUSBコネクタやドリンクホルダーなどが装備されたスーツケース

写真のようにスーツケースの外側に各種モバイルデバイスを充電するためのUSBコネクタが装備されているものが多いのです。

本人にあまり自覚症状がありませんが、筆者はバッグやカバンが大好きです。フォトグラファーライターという現在の職業のせいもありますし、海外に駐在し、各地での撮影旅行に編集者として立ち会うことも多かった影響か、いまでもカメラバッグだけで20個前後、スーツケースやキャリーバッグだけで15個くらい所有している状態です。

 

家族で海外に行くなら、クルマで撮影旅行に行くなら、ひとりで海外に撮影旅行に行くなら、などとさまざまなシーンでより快適かつカメラ機材やパソコンといった精密機器を安全に持ち運ぶために、バッグやカバンの数が増え続けたと感じています。当然、これらの大義名分のほかに筆者の趣味といった側面があることも否定しません。

実際に出張に出掛けるまでは「こんなの使うのかね」と思っていたドリンクホルダー。これが予想以上に便利なのです。

 

そんな筆者が最近気になっていたのが「多機能スーツケース」です。多機能スーツケースといっても明確な定義があるわけでないようですが、要は通常のスーツケースにプラスαの機能を装備したもの。多くの場合はスーツケースの外部にUSBコネクタが装備されており、内蔵やスーツケース内に入れたモバイルバッテリーからスマートフォンやタブレットなどのモバイルガジェットが充電できる機能があったり、側面にドリンクホルダーやちょっとした荷物が掛けられるフックが装備されていたりするものを多機能スーツケースと呼んでいます。

 

テレビで某出版社のトレンド担当の方が、今年流行りそうなアイテムとして、この多機能スーツケースを上げており、筆者は「スーツケースにUSBコネクタやドリンクホルダーが付いただけでそんなに便利か?」と半信半疑だったものの非常に気になっていたわけです。

 

国内出張用として「タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ」を導入

決め手は価格とブランド

タンスのゲン株式会社の会社概要ページより。設立は昭和39年1月で旧社名:有限会社九州工芸だといいます。

ドリンクホルダーやフックがどれだけ便利かはさておいて、旅行の移動中や飛行機や電車、バスの待ち時間にスーツケースに装備されたUSBコネクタからスマートフォンなどを充電できるのは便利そうです。ただし、みなさんもご存じのとおり、国際線はもちろん、国内線でも飛行機の預け入れ荷物にモバイルバッテリーは入れられません。

 

預け入れ荷物のスーツケースにモバイルバッテリーを入れてしまうと、預け入れる際にスーツケースを開けて、モバイルバッテリーを取り出す必要があるわけです。これだと空港でパッキングしたスーツケースを開けなくてはならないので、便利どころか完全に二度手間。そのため、筆者は国内出張を想定して機内持ち込み可能なサイズの多機能スーツケースを探しました。

 

筆者のよく利用するLCCでも機内に持ち込めるサイズとなると航空会社各社で多少違いあるのもののスーツケースの3辺の合計が115cm以内で、全体の重さは7〜10kg程度です。座席数が100席未満の離島などに行く路線では、さらに小さなサイズになるようですが、筆者は普段乗ることはないので3辺の合計が115cm以内で、USBコネクタを装備し、ドリンクホルダーのある多機能スーツケースを探しました。地方在住の筆者は当然インターネットで探したわけですが……。

 

『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』のメイン収納スペース内にあるバッテリー用ポケットにエレコム『DE-C33L-20000BK』を入れてコードをつないだところです。

 

するとAmazonなどでリーズナブルな価格の多機能スーツケースは残念ながら、筆者の知らないブランドばかり。どれを買っていいか、わからないうえに品質に問題があった際にどこに文句をいえばいいのか、わからないものがほとんどでした。そんななか見つけたのが福岡県大川市に本社を置くタンスのゲン『多機能スーツケース42Lタイプ』です。筆者が見つけたときの価格は送料無料・税込6,999円。

 

サイズは外寸が幅37×奥行23×高さ54cmと3辺の合計は114cmと、機内持ち込みにぴったり。重量は3.4kg。モバイルバッテリーは別売りですが、スーツケース本体にUSB Type-Cと汎用性の高いType-Aのコネクタを装備。ドリンクホルダーもあり、側面部の足(側足)がフックになっており、メインスペースのほかに、ノートパソコンなどが入るフロントオープンの収納スペースもあり、ダブルキャスターの4輪タイプという、ほぼ筆者が思う条件をクリアしていたのです。

フロントオープンの収納スペース。ノートパソコンなどが収納できて便利。筆者は薄手のダウンジャケットを押し込んだりしています。

開閉はファスナータイプでメイン収納スペース、フロントオープンの収納スペースそれぞれに独立したダイヤルロックはTSAロック対応。アメリカ旅行には必須といわれるTSAロックですが、機内持ち込み用サイズの『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』を持ってアメリカに行くことはまずない筆者にはあまり意味はなさそうです。ただし、本体はABSおよびPC(ポリカーボネート)樹脂でできており、衝撃に強く、耐久性が高くなっています。この点は安心感が高くうれしいポイントです。

 

カラーバリエーションはジェットブラック、アイボリー、アクアグリーンの3色展開。筆者は預け入れするスーツケースでは汚れなどが気になり選択しないオフホワイトに近いアイボリーを選択しました。

 

モバイルバッテリーの選択も重要

100Wh以下でUSB PD対応のエレコム『DE-C33L-20000BK』を選択

筆者が今回の出張に持って行ったエレコム『DE-C33L-20000BK』。USB PDの45Wに対応していることも筆者にとっては重要なポイントです。

今回の『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』のようにUSBコネクタは装備していますが、モバイルバッテリーは別売というタイプの多機能スーツケースでスマートフォンなどの充電を行うには、モバイルバッテリーが必要になります。このモバイルバッテリーの選択は意外に重要なのです。

 

日本の航空会社の規定では、預け入れ荷物にはモバイルバッテリーを入れることはできず、持ち込み荷物に100Wh超え〜160Wh以下のものであれば2つまで、100Wh以下のものであれば特に個数に制限なく入れて持ち込むことができます。当たり前ですが、持ち込みできる荷物の重さの制限はあります。

 

しかし、海外では状況が異なり、預け入れ荷物にモバイルバッテリーが入れられないのはいっしょですが、筆者のよく行く中国では100Wh超え〜160Wh以下のモバイルバッテリーは2個まで持ち込めますが、航空会社の許可が必要です。また100Wh以下のものについては合理的な個数であったり、20個以下であったりします。

 

160Wh超えやWh数が記載されていないモバイルバッテリーは国内・中国ともに預け入れも、持ち込みもできません。問題は中国での100Wh超え〜160Wh以下のモバイルバッテリーは2個まで持ち込めますが、航空会社の許可が必要という点。筆者は実際にこの規定にひっかかりモバイルバッテリーを没収されそうになったことがあります。ただし、このときは中国語ネイティブの妻がいっしょだったので取り返してきてくれましたが、筆者には、その交渉は無理でしょうし、毎回航空会社の許可を取るのも無駄に面倒です。

 

そのため、筆者が選択するモバイルバッテリーの容量は100Wh以下となります。ちなみに100Whは約27,027mAh、160Whは約43,243mAhなので、中国にも持って行くことを考えると27,000mAh以下のモバイルバッテリーを選択することになります。

 

また、スマートフォンやタブレットへの急速充電やノートパソコンへの給電なども考慮すると最大100Wまでの送電が可能なUSB PD(USB Power Delivery)への対応は必須。さらにホテルなどでのモバイルバッテリー自体の充電の際にコンセントの数が節約できるようモバイルバッテリーを充電しながら、モバイルバッテリーにつないだスマートフォンなどの充電も可能なパススルー充電に対応していると理想的です。

ホテルの数少ない電源コンセントにいろいろつなぐと「まとめて充電」といった機能に対応していることがアドバンテージになります。

これらの条件を満たしてくれるモバイルバッテリーとして筆者が選択したのがエレコム『DE-C33L-20000BK』。容量は20,100mAhと100Wh以下、重さは約442gで、iPhone12なら約4.2回、iPad(第8世代)なら1.2回充電できるので、海外旅行でも移動の際に途中で充電し直す必要はないでしょう。さらにUSB PDは45Wまで対応しているので、ノートパソコンであるMacBook Airを約1回充電することも可能です。

 

これでパススルー充電にも対応していると理想的なのですが、エレコムでは似たような機能として「まとめて充電」という機能があり、一般的なモバイルバッテリーでは電源につないだモバイルバッテリーにさらにスマートフォンなどをつなぐと、モバイルバッテリーを満充電してからスマートフォンを充電します。しかし「まとめて充電」に対応したエレコムのモバイルバッテリーは先にスマートフォンなどが使えるように、つながれたデバイスを優先して充電、そのあとにモバイルバッテリー本体を充電するので、少ないコンセントを有効に活用して、効率的に充電ができるといいます。

 

多機能スーツケース「タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ」を実際に使ってみた

空港での待ち時間が劇的に快適になるのに驚いた

5泊6日と長めの出張でしたが、LCCにも持ち込み可能な42Lの『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』でも荷物の収納には少し余裕があるくらいでした。

『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』を入手してから、ずっといつ使うかと楽しみにしていたのですが、日本最大級のカメラと写真のイベントCP+の参加するため、北海道新千歳→成田→横浜・みなとみらい5泊6日という国内出張の持ち込み荷物として実戦投入してみました。

 

LCCを利用したので、持ち込みの荷物の重量制限は基本7kgですが、『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』ひとつで出張に出掛けたので持ち込み荷物を14kgとするオプションを購入しています。LCC以外の持ち込み荷物の制限が10kgまでの場合は『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』を使うのもありですが、LCCの7kg制限の場合は本体重量が約3.4kgあるのでかなり荷物の制限が厳しくなるのは考慮しておく必要があります。

 

自宅→新千歳空港→成田空港→バスで東京駅→電車でみなとみらいを往復というルートだったのですが、6,999円(送料・税込)とリーズナブルなスーツケースですが、4輪のダブルキャスターはスムーズで気持ちよく移動ができました。5泊6日なので、ホテルである程度洗濯をする前提ですが、お土産や衣類などをきっちりと詰め込んで13kg程度と1泊2日から2泊3日程度の旅行用と書かれていましたが、容量に特に不満は感じません。

空港などの好きな席でドリンクを置く場所とスマートフォンなどを充電するコネクタが確保できるので予想以上に便利です。

もっとも驚いたのは、空港での待ち時間が劇的に快適になること。筆者は心配症なので、飛行機にはボーディング予定時間にかなり余裕をもって到着しておきたいタイプです。そのため、当たり前ですが空港内での待ち時間が発生します。

 

この待ち時間に多機能スーツケースである『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』を導入する前は、どうしても混み合う電源の確保できる席でスマートフォンやパソコンを使いながら待っていました。しかし、USBコネクタとドリンクホルダー、さらには荷物フックの付いた『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』があれば、電源やテーブルのない席でも、ドリンクをホルダーに置き、充電をしながらスマートフォンを両手で操作できるのでとても快適。席を選ばないので空いている場所でリラックスして待てるわけです。

 

また、意外な発見としては、出発地と到着地の気温差があり、これを解消するのに薄手のダウンジャケットなどを持っていくと使わない到着地で邪魔になるといったことも多いのです。しかし『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』にはノートパソコンなどを収納しておくフロントオープンの収納スペースがあり、薄手のダウンジャケット程度なら、このスペースに押し込んでおけるのです。押し込んだダウンジャケットがノートパソコンなどを衝撃から守ってくれる緩衝材としても作用してくれるのもうれしいところです。

 

持ち込み荷物だけで出掛けたい方におすすめ

身軽に快適に旅行や出張に行きたい人に多機能スーツケースはおすすめ

フックに東京駅のトミカショップで購入した息子へのお土産のトミカをぶら下げたところ。本当にちょっとしたときに便利なのです。

多機能スーツケースである『タンスのゲン 多機能スーツケース 42Lタイプ』を使った素直な感想は「ちょっとしたことなのだけど、思った以上に便利」です。ドリンクホルダーやフックをさほど使うとは思いませんでしたし、最近ではUSBの充電コネクタも空港や航空機のなか、電車やバスなどさまざまな場所にあるので、それほど快適に感じるとは思っていませんでした。

 

しかし、実際にはスーツケースを持って移動している際にドリンクを買って、それでもちょっと両手を自由したいときにドリンクホルダーは思う以上に便利ですし、コンビニなどでわずかな買い物をした商品の入った袋を一時的にぶら下げておくにはフックも意外と便利なのです。

 

また、USBコネクタも旅先でコネクタのあるところで充電するのではなく、自分の好きなときに、好きな場所で充電できるアドバンテージはとても大きい。筆者は中国での使用も想定して容量は控えめのエレコム『DE-C33L-20000BK』20,100mAhを選択しましたが、それでもiPhone12なら約4.2回充電できる容量なので、移動にほぼ丸一日かかっても電源を心配する必要はありませんでした。

かなり長い時間引っ張って歩いていたのですが、ダブルキャスターの4輪タイプの車輪はスムーズに回転してくれ、ストレスを感じることはありませんでした。

さらに細かな点ですが、フックにもなっている側足、スーツケースを横向きに置いたときの足はキャスターになっていないので、バスの通路に荷物を置くときなどに揺れでスーツケースが動いてしまうことを防ぐことができ、予想以上に活躍してくれるシーンがあります。

細かな部分にまで工夫の施された多機能スーツケースは、飛行機を使う旅であれば、それひとつを持ち込み荷物として身軽に快適に出掛けたいという方にはとてもおすすめです。次の旅行や出張のためにぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

タンスのゲン公式サイト
エレコム公式サイト

 

 

 

 

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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