【Wi-Fi接続】2.4GHzと5GHzの違いは? 動画を見るとき 距離が離れているときの使い分け

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Wi-Fiには、2.4GHz(ギガヘルツ)帯と5GHz帯の2つの電波帯がある。これを知識として知っていても、実際にWi-Fiを使うとき、どう使い分けたらいいのか悩む人も多いだろう。その疑問に、ズバッと答えを出そう。また、どの電波帯を使うかを自動的に決定する仕組み「メッシュWi-Fi」についても解説する。【2019年3月14日更新】

動画を見るなら「5GHz」を使おう!

いま主流のWi-Fiは、「802.11ac」(略して11ac)という規格である。
これは、5GHz帯の電波を使う方式だ。

iPhoneを例にすると、11acが採用されたのは「iPhone 6」からで、最新の「iPhoneXS」でも、通信速度を徐々に高速化しながら一番速いWi-Fi規格として採用されている。

対して2.4GHz帯の電波を使うWi-Fi規格は「iPhone 5s」から採用された「11n」が最新版であり、以降、新規格は登場していない。
しかも2.4GHz帯の11nは、登場した時点で5GHz版の11nより遅い規格であった。

つまり、いま現在使われている2.4GHz帯のWi-Fiは、かなり古い規格であり、速度も遅い規格ということになる。
原則として、Wi-Fi規格は新しいほど速度が速いので、わざわざ古くて遅い規格である2.4GHz帯のWi-Fiを使う必要はない。
とくにスマホやパソコン、Fire TVなどのネットプレーヤーで動画を見るならば、Wi-Fiは5GHz帯で使うのが正解だ。

動画を観るならば、Wi-Fiは5GHz帯で使うのが正解だ。

2.4GHz帯を使うのは、どんなとき?

では、2.4GHz帯はどんなときに使えばいいのだろうか。

一応、2.4GHzと5GHzのWi-Fi電波には、電波の性質的な違いがある。
2.4GHz帯は周波数が低いので、「障害物を迂回して遠くまで届きやすい」という特徴がある。
対して5GHz帯は「周波数が高いので、障害物による減衰(電波が弱くなる)が大きいが、近距離ならば速度低下しにくく、通信が途切れにくい」という特徴がある。

この特徴を踏まえ、Wi-Fiルーターが設置されている部屋で動画を観るなら5GHz、Wi-Fiルーターから離れた部屋なら2.4GHzという使い分けをするのがいいとされている。

しかし、これはあくまで一般論。実際はかなり事情が異なる。

現実的にみると、5GHz帯はWi-Fi専用といっていい電波帯であり、自宅で使用する場合には競合する電波が少ない。
対して、2.4GHz帯はWi-Fi以外にも使われる汎用の電波帯であるため、さまざまな機器がこの電波帯を使っている。

たとえば、Bluetoothも2.4GHz帯だし、コードレス電話も2.4GHz帯を使う。ラジオコントロールの模型も2.4GHz帯を使っており、Wi-Fi以外でも大変に混み合っている電波帯なのである。

規格が古く、競合する電波も多い2.4GHz帯は、速度に期待することはできない。

2.4GHz帯を使うのは「それしか手段がないとき」

規格が古く、競合する電波も多い2.4GHz帯は、速度に期待することはできない。
では、2.4GHz帯はどんなときに使えばいいのか。

結論を言えば、「2.4GHz帯しか使えないとき」が、その答えとなる。

例えば、Wi-Fi装備のプリンターなど、2.4GHz帯にしか対応していない機器を使う場合には、2.4GHz帯を使うしかないわけだ。
2014年あたりに発売されたWi-Fi対応機器の多くは、2.4GHz帯にしか対応していない機器が多い。
また、それ以降に発売された機器でも、Wi-Fi対応生活家電などは、5GHz帯への対応が遅れたものが多く、2.4GHzにしか対応していないものが多い。
これらは2.4GHz帯に接続するしか手段がない機器である。

メッシュWi-Fiなら、2.4G 5Gの使い分けを意識しなくていい

Wi-Fiとは、Wi-Fiルーターとサテライト(中継器の一種)がセットになったもので、Wi-Fiルーターとサテライトの間、サテライトと端末(スマホなど)の間で、どの電波帯を使うかを自動的に決定する仕組みのこと。メッシュ

そのため、SSID(service set identifier=無線LANアクセスポイントの識別に用いられる文字列)は、2.4GHzと5GHzで同じものが使われ、ユーザーはどちらの電波帯につながっているのかわからない。

しかし、これこそが、メッシュWi-Fiの最大のメリットなのだ。
メッシュWi-Fiは、周囲の電波状況などを計測し、混線が少なく、電波強度が強い電波帯を自動的に選択する機能を持っているため、ユーザー側からみると、常に「速い方の電波帯」につながっていることになる。
常に高速通信が保証されたシステムとなっているわけだ。

ネットギアの「Orbi Micro」(RBK20)の場合、ルーター、サテライトともに、867Mbpsの5GHz帯を2系統、400Mbpsの2.4GHz帯を1系統備えたトライバンド機となっており、ルーターとサテライト間の通信に1つのバンドを占有させるため、サテライト経由の通信でも速度低下を招きにくくなっているので、おすすめだ。

NETGEAR
メッシュWiFi 無線LAN ルーター
RBK20-100JPS
▼1つの2.4GHz帯と2つの5GHz帯、合計3つの無線周波数帯を同時使用できます。▼中継用に1つの周波数帯を占有的に用いるため、複数のWiFiデバイスはもちろん、PCやゲーム機など既存の有線デバイスの通信まで遅延なくエクステンドします。▼802.11k/802.11vに対応するWiFiデバイスであれば、4K動画ストリーミングもインターネットサーフィンも、移動中に通信が途切れません。(Amazon)

まとめ

基本は「5GHz」で接続するのが良い。メッシュWi-Fiなら、電波帯を意識する必要はない!

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◆福多利夫
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊特選街の製作に携わり、現在は気になる分野を比較検証する「何でもズバッと比べ隊!」を連載中。パソコン関連の著書も多い。

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