今、意外に人気を集めているラジカセ。市場で手に入る5モデルを聴き比べてみた。機能性や操作のわかりやすさについても解説しよう。なお、在庫わずかな製品も含まれているので、売り切れの際は、ご容赦いただきたい。
音質やできることに意外に違いがある
全盛時ほどの人気ではないが、ラジカセは今でも現役。ソニーやパナソニック、東芝などから新製品も発売されており、ワイドFM対応など最新の機能も盛り込まれている。
現代のラジカセの主なユーザーは、簡単に使いたい中高年層が多く、高音質の追求というよりは簡単さや使い勝手のよさが重視されたモデルが多い。
簡単に分類すると、CDを内蔵したCDラジカセと、CDを持たないラジカセがある。カセットデッキには、ダブルデッキを搭載するモデルもあり、倍速ダビング機能もある。
これは、その名のとおり2倍速で再生・録音を行うので、約1/2の時間でダビングが完了するが、低音域が抜けてしまうなど音質はあまりよくなかった。劣化のないダビングを行うならば、等速ダビングを使うようにしたい。
使い勝手については、メカニカルなボタン操作のものから、電子ボタンのものまでいろいろで、頭出し機能を持つものもあって、違いは多い。
音質も思った以上に差があるので、いい音を求める人はレビューを参考にしてほしい。
タイマーを内蔵するなど高機能で使いやすい一台
ソニー
CFD-S401
実売価格例:1万1500円
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幅320mm×高さ134mm×奥行き199mm/重量約2.8kg
前面に大型ディスプレイを搭載したCDラジカセ。時計機能も備えており、FMなどのタイマー録音もできる。
ワイドFM対応のラジオは、デジタル式のチューニングで放送波を検知して自動で受信できるため、選局はしやすい。
音質は、低音のしっかりした聴きやすい音で、声もくっきりとしている。カセットの音はややナローレンジになるが、差は少ない。CDの音はやや甘めのゆったりとした音。カセット録音も、ほぼ同様のソフトな感触の音になっていた。
前後の頭出し再生もできるなど、機能は最も充実していて使いやすかった。
大型のディスプレイはバックライト付き。時計表示も含めて文字が大きく、視認性も良好だ。
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タイマーや予約録音機能など、機能としてはかなり充実している。ラジオの選局などの操作性も優秀だった。
8センチスピーカーを搭載。イコライザー機能も備える
パナソニック
RX-D47
実売価格例:1万1270円
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幅408mm×高さ148mm×奥行き271mm/重量約3.8kg
カラオケの練習や習い事の録音ができるマイク端子を備えたCDラジカセ。
ワイドFM対応で、選曲はデジタル式。16局までのメモリー機能もある。タイマー機能は備えるが、ラジオの予約録音機能は備えていない。
8センチと大きめのスピーカーを持っており、FMの音は最も好印象。声もクリアで、細かい音もよく聴こえるし、低音もしっかりとしている。さらに、好みで四つの音質を選べるEQ機能もある。
CD録音はやや高域がソフトになるなど、少し音質差を感じた。ラジオの録音は音質差も少なく、声のクリアさも十分だった。
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バスレフポートを備えた大きめのスピーカーを備えており、低音感も十分にあるなど、音の満足度は比較的高い。
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上部にあるカセットデッキ。メカニカルなボタン操作で、頭出し選局などの機能は備えていなかった。
カラオケ機能が充実したダブルカセット搭載モデル
東芝
TY-CDW88
実売価格例:1万6057円
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幅350mm×高さ150mm×奥行き210mm/重量約2.9kg
ダブルカセット搭載で、倍速ダビング機能も備えたモデル。
CDなどの音声から声だけを弱める「ボーカルダウン」やエコーなど、カラオケ機能が充実。スリープタイマーはあるが、時計機能はない。
ワイドFM対応のラジオはFM/AMを各4局までメモリー可能。音は声がクリアで、高域も比較的よく出ている。低音はあまり欲張らないタイプだが、迫力は十分だ。
カセット録音ではCDだと情報量は多いが、ヒスノイズが耳につきやすいのが惜しい。
細かい部分だが、ラジオとCD、カセットでソースごとの音量差が大きいことも気になった。
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カセットデッキは2連装。メカニカル式のボタンも大きめで使い勝手は良好。録音は左側のみ。
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メモリー選局やスリープタイマーなど、機能は十分。カラオケ機能が充実しているのも特徴といえる。
カセットテープだけでなくSDやUSBにも録音ができる
東芝エルイートレーディング
TY-CDX9
実売価格例:1万1910円
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幅316mm×高さ130mm×奥行き215mm/重量約2.2kg
SDメモリー、USBメモリーへのMP3録音機能があり、カセットのデジタル化も手軽に行えるモデル。こちらもカラオケ機能が充実している。
ラジオはワイドFM対応で、メモリー選局は五つまで登録できる。選局もデジタル式で使いやすい。
音質はややドンシャリぎみで、高域がややキツく感じやすいのが残念。そのぶん、声はクリアで聴き取りやすくなっている。
カセット録音では、高域が少し穏やかになって聴きやすいが、ドンシャリ傾向は大きく変わらない。
録音ボタンは2秒の長押しなので、慣れないと失敗してしまいそうに感じた。
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本体の前面にSDカードスロットと、USB端子を装備。録音はMP3に変換して行われる。
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SD、USB、テープのそれぞれに録音ボタンがある。2秒の長押しで録音がスタートするのが、ややわかりにくい。
懐かしいスタイルを採用したダブルカセット搭載モデル
WINTECH
MJ-182
実売価格例:5786円
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幅502mm×高さ139mm×奥行き141mm・重量2kg
ダブルデッキ仕様ながらCDは非搭載。見た目は往年のラジカセスタイルだ。
機能としてはシンプルで、ラジオも手動のダイヤル操作で選局するため、局の周波数を調べておく必要がある。
ダブルデッキは片側だけが録音機能があり、倍速ダビングも可能。録音などの操作手順を数字で示しているのがユニークだ。
音質は中音域主体のバランスで、低音は少々物足りない印象。ただし、声はクリアでしっかりとしている。
カセットで録音した音も声が明瞭で、聴きやすい。アナウンスも聴きやすく、語学学習用としても役立ちそうだ。
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2連装のカセットデッキはソフトイジェクト機構で静粛性に優れる。録音レベルは自動調整式だ。
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カセットのダビングは倍速と等速をスイッチで切り替えて行える。音質重視なら等速がおすすめ。
解説/鳥居一豊(AVライター)
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