Q
CDプレーヤーなどのディスク再生機は、しばらく使用しないと、使おうとしたときにダメになってしまっていることが多いです。これはなぜですか? また、たまに動かしたほうがいいということですか?(H・Iさん 静岡県 85歳)
A
この質問は、AV評論家の藤原陽祐さんに聞きましょう。
藤原
CDプレーヤーに限らず、ビデオデッキやDVDプレーヤーなど、押し入れに置いたままにの機器を取り出して、久しぶりに使おうとしてみると、正常に動作しないことがよくあります。
電源そのものが入らないこともありますし、電源が入り、トレーが出てきてCDを入れたら認識されなかったり、あるいは認識されても音が出なかったりなど、いろいろなトラブルがありえます。
まず、電源が入らない場合、考えられるのが、電源回路や駆動回路などに使われているコンデンサーの劣化です。
コンデンサーは電気の流れを整える役割を担っていますが、長期間使われないと素材の劣化が進み、本来の役割を果たせなくなってしまうことがあります。ただ、コンデンサーの劣化くらいなら、これを新品に交換するだけなので、比較的簡単に修理が可能です。
──電源が入らないくらいであれば、修理自体はそんなに難しくないということですね。
藤原
問題は、電源が入ってもトレーが動作しない場合や、動作したとしても、ディスクを読み込めない場合です。
これは、ディスクをセットするメカや情報を読み取るドライブに何らかのトラブルが生じているおそれがあり、細かな部品が複雑に組み込まれている部分だけに、修理も簡単ではありません。補修部品があれば交換で済みますが、生産終了後10年を超えたような古い製品だと、修理できないケースも考えられます。
コンデンサーの劣化、メカのトラブルを最小限に抑えるには、やはり日ごろから機器の周辺の風通しを確保し、少なくとも1週間に一度くらいは電源を入れ、動作させることが大切です。
「電源は落とさず入れっぱなしにする」というオーディオマニアもいますが、これはエコが求められる時代、あまりおすすめしません。
日々、丁寧に使い続けることが、AV機器を長もちさせる秘訣です。
──なるほど。勉強になりました。ありがとうございます!