「格安SIM」10の疑問をスッキリ解消!

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Q1 そもそも格安SIMや格安スマホって何?

格安SIMを説明する前に知っておきたいのが、MVNO(仮想移動体通信事業者)という言葉。

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクのいわゆる3大キャリアからネットワークを借りて、通信サービスを提供する事業者を指す。

スマホは、電話番号など利用者を識別する情報を記録した「SIM」というICカードを装着していないと使えない。

MVNOは、大手キャリアより安い通信料で利用できるSIMを提供しており、これを「格安SIM」と呼び、転じてMVNO自体を指すのにも使われる。

そして、格安SIMを挿して使うスマホを一般的に「格安スマホ」と呼んでいる。

大手キャリアのスマホ利用料は月額6000円程度が一般的だが、格安SIMでは、通話をしなければ月額1700円程度から利用できる。

スマホの使い方にもよるが、通話を従来と同程度行ったとしても、現在支払っている金額の半分以下に節約できると考えていいだろう。

Q2 大手キャリアに比べてなぜ安い?品質は大丈夫?

MVNOは基地局や通信網などのインフラを自社では所有せず、新しい通信技術の開発も行っていない。

こうした費用がかからないことが、通信料金を大幅に安くできる最大の理由だ。

また、サポートサービスを必要最低限にし、宣伝に費用をかけないことで、低料金を実現している事業者もある。

利用する通信網は大手キャリアのものだが、一つの帯域にどれだけのユーザーを割り当てるかは各社で異なる。

そのため、昼食時や夜間など混雑時には通信速度が低下する場合もあることは知っておこう。

Q3 本当に誰でも安くなる? ケータイより安い?

スマホを使う場合は、端末代を除けば、格安SIMのほうが断然経済的だ。

現在、ケータイを使っていて、通話中心でウエブやメールはほとんど使わないという人は、格安SIMに乗り替えた場合の料金を試算して比べてみよう。

大手キャリアのケータイ向けプランのほうが安いというケースもありうる。

ケータイでも格安SIMが安い場合もある

大手キャリアでデータ通信を段階式プランにしている人は、実際の料金をチェックしてみよう。

Q4 大手キャリアからの乗り替えは難しい?

基本的には、大手キャリアどうしで乗り替える場合と変わらない。MNP(番号ポータビリティ制度)も利用できる。

現在契約しているキャリアにMNPでの転出を申し出て、「MNP予約番号」を発行してもらい、その発行日を含めて15日以内に、新たに契約するMVNOの契約手続きを行えば、これまで使っていた電話番号を引き続いで、格安SIMに乗り替えることができる。

ただ、MNPで乗り替える場合、電話番号の切り替え時に、電話が使えない“空白期間”が発生するおそれがある。

しかし、即時切り替え可能な店舗があるほか、ウエブで申し込んだSIMが届いた後、オペレーターに切り替えを依頼すれば、わずかな時間で使えるようになるサービスなども普及している。

キャリアショップでの待ち時間に比べると、むしろスムーズに乗り替えできる場合もあるほどだ。

販売店で手続きをするのが便利

MNPの即日乗り替えに対応してくれる店なら、購入したSIMで、従来の電話番号が利用できるようになる。

Q5 今使っている端末を使い続けることはできる?

大手キャリアが販売するスマホ(ケータイも含む)は、そのキャリアのSIMでしか動作しないようにロックがかけられている。

これを「SIMロック」と呼ぶ。ただし、2015年5月以降に発売が開始された端末は、ユーザーが希望すれば、SIMロックを解除してもらえる。

しかも、オンラインで手続きする場合は、解除料は無料だ。

SIMロックを解除した端末は、対応周波数が合えば格安SIMで利用できる。

例えば、ドコモ端末のSIMロックを解除した場合、ドコモ回線を利用する格安SIMで使用可能なほか、端末の仕様によっては、他社の回線でも利用できる。

なお、SIMロックを解除しなくても、国内では同一キャリアの回線を使うSIMで利用可能。

しかし、海外渡航時は、格安SIMではデータローミングを利用できないのが一般的なので、ロック解除が望ましい。

Q6 iPhoneを使っているが、格安SIMで使える?

iPhoneは、Apple Storeで購入できるSIMフリー版(SIMロックがかかっていないこと。SIMロックフリーともいう)なら、どの格安SIMでも利用可能だ。

また、iPhone6s以降のキャリア向けモデルは、一定の条件で即日からSIMロックを解除でき、SIMフリー版と同じように使える。

また、SIMロックを解除しなくても、現在契約しているキャリアと同じキャリアのネットワークを利用する格安SIMであれば、そのまま使い続けることができる。

Q7 買い替える端末は自由に選べるの?

SIMフリーのスマホは、量販店やネットショップなどで購入でき、数十機種から選べる。

1万円程度で買えるエントリー機から、5万円を超えるハイエンド機まで、用途に合ったモデルを選べるはずだ。

iPhoneもApple StoreでSIMフリー版を購入できるので、端末の選択肢は、大手キャリアよりも豊富といっていいだろう。

ただし、GalaxyやXperiaの最新モデルなどは、SIMフリー版が用意されていない。

Q8 ケータイユーザーだが、端末はある?

まだ数は少ないが、格安SIMで使えるケータイも販売されている。

シャープのSH-N01は、ドコモ回線で使えるSIMフリースマホ。

楽天モバイル、イオンモバイルなどがSIMとのセット販売も行っている。

京セラ製のDIGNO Phoneはau回線で利用でき、UQ mobileが販売する。

どちらもテザリングに対応しているので、タブレットと組み合わせて使いたい人の選択肢としても検討の価値ありだ。

SIMフリーケータイも登場

シャープ
AQUOSケータイ SH-N01

3.4型ディスプレイや800万画素カメラを搭載。実売価格例は2万6784円。

Q9 家族割を使っているが、それでも安くなる?

大手キャリアでは、家族で端末を同時購入すれば値引きされたり、子供に学割が適用されたり、家族でデータ量を共有したりといったサービスがある。

しかし、格安SIMでも複数のSIMでデータ量を共有できるサービスが提供されており、そもそものデータ通信料も安いので、結局は大手キャリアよりも経済的になる場合が多い。

Q10 格安SIMに乗り替えないほうがいい人は?

操作方法がわからないときに相談できたり、故障・紛失などのトラブル時に対応してくれる店があったりすることは、大手キャリアのメリットだ。

その安心感を手放したくない人は、大手キャリアのスマホやケータイを使い続けるべきだろう。

また、格安SIMに乗り替えると、キャリア独自のメールを使えなくなるため、どうしてもキャリアメールが必要という人も、格安SIMは向かない。

なお、キャリア決済のサービスを利用している人も、代替サービスがあるか事前に調べておこう。

解説/小竹佑児(ITライター)、村元正剛(ITライター)

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