メモリーカードの代名詞と言えば「SDカード」だ。ただ、一口にSDカードといっても、その種類が多くて、どれを選んだらいいか迷うもの。自分の所有する機器に適合しないSDカードを買ってしまうと、最悪の場合、何も記録できないこともある。SDカードを快適に使うために、SDカードを選ぶための基礎知識を身につけておこう。【2019年3月22日更新】

SDカードは「形状の規格」「容量の規格」「速度の規格」の組み合わせ

SDカードを買おうと思ったとき、その種類の多さに困惑したことはないだろうか。
SDカードには、さまざまな規格が存在するのだが、大別すると「形状の規格」「容量の規格」「記録速度の規格」の3つとなる。

これぞれに、何種類かの規格があり、規格の中には、取り付ける機器と合致していないと、記録ができない厳密な規格と、互換性が確保されていて、最高性能は出ないが問題なく作動する規格がある。
このあたりの許容の違いも把握しておいたほうがいいだろう。

【形状の規格】主流はMicroSDカード

SDカードには、形状(サイズ)の違いによって、3つの規格(種類)がある。
大きい順に、

・SDカード
・miniSDカード
・microSDカード

となっている。

最も大きいサイズで、SDカード登場時からある、元祖のサイズが「SD(エスディー)カード」であり、現在では、主にデジカメやビデオカメラに採用されている。

最も小さいサイズが「microSD(マイクロエスディー)カード」で、現在では、これを採用する機器が一番多いといえるだろう。
スマホやタブレットの増設ストレージに採用されているほか、家庭用ゲーム機やアクションカムやドローンといった特殊なビデオカメラも、microSDカードを採用している。

「miniSD(ミニエスディー)カード」は、SDカードとmicroカードの中間のサイズで、携帯電話(ガラケー)全盛期に採用機種があったが、microSDカードの登場で廃れていった。

現在市販されているデジタル機器で、miniSDカードを採用した機器は存在せず、miniSDカード自体も発売されていないが、通販で在庫品が販売されている場合もあり、microSDカードと間違えて購入しないように注意したい。

形状の規格は、小さいサイズと間違えて大きなサイズを購入すると、物理的に機器に挿入することができないので利用できない。

逆に、microSDカードを購入すると、多く場合、サイズをSDカードやminiSDカードに拡張する「アダプター」が付属しており、これを用いれば異なるサイズのカードして利用することが可能となる。

SDカードを使用するデジカメを買ったが、手元にmicroSDカードしかないという場合には、microSDカードをSDカードサイズに変換するアダプターを購入(実売200円程度)することで対応できる。

サイズの参考画像

画像: 出典:エレコム株式会社 qa.elecom.co.jp

出典:エレコム株式会社

qa.elecom.co.jp

【容量の規格】間違えると作動しないこともある

通常、SDカード、およびmicroカードと呼ばれているメモリーカードは、正式には最大記録容量を基準に、3種類の規格に分類されている。
通常はカードのサイズに関係なく「SDカード」や「SDHCカード」などと呼ぶが、「microSDHCカード」のように、サイズ規格を手前につけて呼ぶこともある。

「SDカード」

元々のSDカードの規格であり、最大容量は2Gバイトまでとなっている。
実際に市場にある1Gバイト以下のカード、1Gバイトと2Gバイトのカードが「SDカード規格」の製品となる。
「SDカード」は、「SDカード」対応機器、「SDHCカード」対応機器、「SDXCカード」対応機器の、どれに挿入しても使用できる。

「SDHCカード」

2Gバイト超の規格であり、最大容量は32Gバイトまでとなっている。
実際に、市場にある4Gバイト、8Gバイト、16Gバイト、32Gバイトのカードが「SDHCカード規格」の製品となる。
「SDHCカード」は、「SDカード」対応機器に挿入しても使用できない。「SDHCカード」対応機器、「SDXCカード」対応機器に挿入して使用できる。

「SDXCカード」

32Gバイト超の規格であり、最大容量は2Tバイトまでとなっている。
実際に市場にある64Gバイト、128Gバイト、512Gバイト、1Tバイト(1024Gバイト)、2Tバイト(2048Gバイト)のカードが「SDXCカード規格」の製品となる。
「SDXCカード」は、「SDカード」対応機器、「SDHCカード」対応製品に挿入しても使用できない。「SDXCカード」対応機器に挿入して使用できる。

SDXC2カード規格は、2010年に登場したもので、2019年現在、デジカメやビデオカメラなど大容量記録が求められる機器は、ほぼすべてSDXC規格に対応している。

しかし、4~5年前の機種や、大容量記録を必要としない機器では、SDHCカード規格までにしか対応していないもの多い。SDHCカード規格(SDカード規格も)にしか対応していない機器にSDXCカードを挿入しても使用できない(記録できない)ので、割安だという理由でSDXCカード規格の製品を購入してはいけない。

SDカードの種類と容量一覧

種類(※)容量
SD1GB
2GB
SDHC4GB
8GB
16GB
32GB
SDXC64GB
128GB
256GB
512GB
1TB
2TB
(※)SD、SDHC、SDXCそれぞれに
「標準」「mini」「micro」の各サイズがある。

【速度の規格】どんな機器に適しているかの目安

SDカード製品のスペックとして、製品表面やパッケージ、メーカーサイトの商品紹介ページには、速度の規格が記載されている。

大きく分けると、

・スピードクラス
・UHSスピードクラス
・ビデオスピードクラス

の3種類があり、それぞれに「クラス2」や「V6」といった数字でランク付けされている。
これらは、メモリーカードにデータを書き込むときの速度を表したもので、数字が大きいほど高性能となる。

画像1: ・スピードクラス ・UHSスピードクラス ・ビデオスピードクラス

表を参照してもらうとわかるが、無印の「スピードクラス」が最初に決められた区分けであり、各クラスの数字は、「1秒間に◯MB以上の速度で書き込める」という性能を保証していることを表す。最近では、クラス4以下の製品は見かけなくなった。

フルHDの動画を撮影するならば、クラス10を使用するのが基準。ただし、2019年現在では、10MB/秒の性能は、ほぼすべてのSDカード製品がクリアしているので、クラス10だから高速製品とはいえなくなっている。

各スピードクラスの代表的な製品

【スピードクラス】

トランセンド
プレミアムシリーズ TS128GSDXC10 128MB
(実売価格例:9530円=クラス10)

画像2: ・スピードクラス ・UHSスピードクラス ・ビデオスピードクラス

「UHSスピードクラス」は、「UHS-I」や「UHS-II」という記録方式に対応していることを表すと同時に、1秒間に何MBの速度で書き込めるかを保証したものである。
「HS-I」と「UHS-II」は、独自の書き込み方式なので、機器側も「UHS-Ⅰ」や「UHS-Ⅱ」の書き込み方式に対応していないと、保証された速度は出ない。

ただし、機器側がUHS方式に非対応であっても、標準のSD/SDHC/SDXCカードとして作動するので、メモリーカードとして使用できないという事態には陥らない。
カメラ側がUHSの記録方式に対応している場合、UHS-Iのクラス3ならば、4Kビデオの再生に対応できる。

【UHSスピードクラス】

サンディスク
エクストリーム プロ SD UHS-Ⅱカード 128GB
(実売価格例:2万4970円=UHS-Ⅱスピードクラス3、クラス10)

画像3: ・スピードクラス ・UHSスピードクラス ・ビデオスピードクラス

「ビデオスピードクラス」は、動画撮影機器に使う場合の目安として策定されたもので、1秒間に何MB以上の書き込み速度を継続的に維持できるか、を表している。

この「継続的に維持できる」の部分が、無印のスピードクラスとは一味違う部分である。
4K動画を録画するなら、V30以上を選択すれば、書き込みトラブルを回避でき、安定した記録が可能だといえる。V90ならば8K動画の撮影にも対応できる。

【ビデオスピードクラス】

パナソニック
SDXC UHS-ⅡRP-SDZA128JK 128GB
(実売価格例:3万1800円=V90、UHS-Ⅱスピードクラス3、クラス10)

画像4: ・スピードクラス ・UHSスピードクラス ・ビデオスピードクラス

UHS-IとUHS-IIは、記録方式の規格だが、無印スピードクラスとビデオスピードクラスは、性能の目安を表している。
そのため、1枚のSDカードには、多くの場合「無印スピードクラス」「UHSスピードクラス」「ビデオスピードクラスの数値が併記されている。

機器側が「UHS」の記録方式に対応していない場合でも、スピードクラス10、ビデオスピードクラスV30の表記があれば、その性能を発揮すると考えればいいだろう。

まとめ

形状の規格と容量の規格は、間違えて買うと自分の機器で使えなくなる可能性があるので、適合確認を必ずすること。
速度の規格は、高性能な製品を買えば、どんな用途にも使えるわけだが、大容量の「UHS-Ⅱスピードクラス3」や「V90」のカードは価格も高いので、静止画のみの用途ならば、無印の「クラス10」で適切な容量の製品を選び、コストを抑えるというのもいい方法だ。

◆福多利夫
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊「特選街」の制作に携わる。パソコン関連の著書も多い。

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