ミラーレス一眼をCHECK! メカっぽさが魅力の富士フイルムX-E3

文具・ホビー・カメラ

今、デジタル一眼カメラの中で人気なのが「ミラーレス」である。一眼レフよりもコンパクトで、デザイン性にも優れたモデルが少なくない。レンズ固定のコンパクト機やスマホからミラーレス一眼にステップアップする人も増えているようだ。
だが実際の性能は使ってみないとわからない。そこで、画質や使い勝手を1台ずつチェックしていこう。今回は、根強いファンが多い富士フイルムのX-E3だ。

●評価項目

(1)フルオート画質
フルオートモードで遠景の解像感やオートホワイトバランス、露出レベル、発色などについてチェックした。
(2)操作のわかりやすさ
全体的な使い勝手のよしあしや持ちやすさ、初心者向けの撮影補助機能、特徴的な部分についてチェックした。
(3)持ち歩きやすさ
カメラ本体だけでなく、キットレンズを装着しての大きさや重さ、手に持ったときの重量感などをチェックした。
(4)スマホとの連係
Wi-Fiなどを利用して簡単にスマホと接続できるかどうか、スマホアプリの機能などについてチェックした。
(5)自撮りのしやすさ
モニターを前側に向けた状態で自分撮りを行う際の機能、撮りやすさ、構えやすさなどをチェックした。自撮りに非対応のモデルは評価をしていない。
(6)コストパフォーマンス
機能や性能に対する価格の妥当性、買い得感をチェックした。ほかの機種とも比較しながら判定している。

価格がこなれた中〜上級者向けモデルだがフルオートモードで気軽に撮ることもできる

富士フイルム
X-E3
実売価格例:8万5920円(ボディ)

シャッターダイヤルや露出補正ダイヤルなどのメカっぽさが魅力の中級機だが、実売価格は比較的手を出しやすい。スリムで軽快なEVF内蔵ボディは魅力的。固定式ながらタッチ操作が可能な液晶モニター、スマホとの連係が容易なブルートゥースなども見逃せない。

カメラの格からすると、中〜上級者向けのモデルだが、実売価格がこなれていることもあって、エントリークラスの一つと考えていい。本格的なレンズ交換式カメラは初めてでも、ワンランク上のカメラをと考えるなら、選択肢となるだろう。

フラットボディのコンパクトタイプで、電池とSDカード込みで337グラムと比較的軽め。背面左手側に236万ドットのEVFを内蔵した、いわゆるレンジファインダーカメラスタイルだ。ボディ側のシャッターダイヤルと露出補正ダイヤル、レンズ側の絞りリングを使って露出調整を行うなど、伝統的な操作スタイルが特徴だが、前後に二つの電子ダイヤルも備えており、今ふうの操作系を選ぶこともできる。

基本的な使い勝手も、中〜上級者向けといえるが、上面のレバーを「AUTO」に切り替えると、カメラ任せのフルオートモードとなり、上級者向けのモードと簡単に切り替えられる。クラスなりの味つけがなされているようで、暗い室内でもなるべく低めの感度で、つまり、できるだけ高い画質で撮れるように制御される。そういうクセを覚えておけば、無用な失敗は減らせるはずだ。

シャッターダイヤル基部のレバーを「AUTO」にすると、ワンタッチでフルオートに切り替わる。気楽に撮りたいときに活用できて便利だ。

AFは中央部の7×7(49点)で位相差検出に対応する91点測距のハイブリッド。動きはスムーズだし、速さも精度もある。キットレンズは静かだが、作動音が大きめのレンズもあるので、気にする人は要注意だ。

液晶モニターは固定式で(タッチパネルは内蔵している)、カメラ単体では自分撮りに対応できない。

スマホとの連係には、Wi-Fiとブルートゥースを併用する。初回のみアプリからペアリング登録を行い、次回からは簡単な手順で接続できるようになる。スマホからのリモート機能は必要十分なレベルで、多彩というほどではないが、ISO感度の変更や露出補正などが可能だ。

キットレンズの18〜55ミリがやや大柄なこともあって、携帯性の部分では少々物足りない部分もある。ただし、見た目よりも軽く感じられるので、持ち歩きが苦になるようなことはない。

明るい単焦点レンズは絶品の写り

ワンランク上の写りを楽しみたいなら、明るい単焦点レンズを追加するのがおすすめ。気軽に買えないものも多いが、絶品の写りが楽しめる。

こんな人におすすめ!

フルオートで気軽に撮ることも可能だが、基本的にはカメラに慣れている人向けのモデル。ある程度、詳しい人のサポートが受けられるなら、初めてのカメラにするのもいいだろう。

主要スペック
撮像センサー:APS-C 最高感度:ISO5万1200 電池寿命(CIPA):350枚 有効画素数:2430万 最大連写速度:8コマ/秒 サイズ:幅121.3mm×高さ73.9mm×奥行き42.7mm 重量:337g

解説/北村智史(カメラライター)

※価格は記事制作時のものです。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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