世界に無数に存在する家電の中には、斬新すぎる発想を持った製品が少なくない。本連載では、思わず人に話したくなる、世界の知られざる「やりすぎ家電」を、家電スペシャリストの滝田勝紀が、丹念に発掘、レポートする。
シャーク
エヴォフレックス
延長パイプがグニャッと折れ曲がる、通称”ダイソンキラー”の掃除機
日本ではシャークニンジャが扱う、アメリカの掃除機ブランド「シャーク」。その社名からもやりすぎ感がたっぷりな印象だが、主に米国では通販で売り上げ、割安感を武器にダイソンからトップシェアを奪取! そこから通称“ダイソンキラー”と呼ばれているなど、中二病男子にはグッとくる逸話を持つ同社が、このたび日本に初上陸。コードレススティック掃除機「エヴォフレックス」を発表した。
好戦的なストーリーにマッチする、無骨なルックスのエヴォフレックス。だが、実際には細やかな機能やギミックが随所に散りばめられていて、その気遣いこそがコードレススティックの使い勝手を、一段と高めていることをお伝えしたい。
まず、ユニークなのが、延長パイプがグニャッと折れ曲がるところだ。これにより、家具やソファーの下などもかがむことなく、きれいに掃除できる。このストレスのなさこそが、実は、毎日ちょこっと動かすコードレススティック掃除機にとって非常に大事なポイント。さらに、曲がる特性を生かしてコンパクトに畳んで収納、かつ自立するため、専用の壁掛けツールを設置する必要も、ヘッドやパイプを外して分解収納する必要もない。
大きめのヘッドは、一見するとやや気になるところだが、それにもちゃんと意味がある。二つのブラシを搭載した独自ヘッド「DuoClean」を採用し、フロントローラーとブラシロールがともに働くことで、細かいホコリから大きなゴミまで一気に取り除く。しかも上位機種のS30には、着脱式のリチウムイオンバッテリーが2個付属。一つのバッテリーが切れても、連続で掃除できるので、本機をメインの掃除機として使いたい人にはうれしいところ。
外見からは、いかにもアメリカ製品らしい“大味”な印象。だが、日本の消費者の掃除習慣を綿密にリサーチし、日本の家庭向けに改良されたモデルに仕上がっている。パワフルかつ繊細なその掃除能力をぜひ、一度その目で確認してほしい。
ココがやりすぎ!
延長パイプが曲がり家具の下まで届く
パイプを曲げた状態でも掃除ができるので、一般的なスティック掃除機では、しゃがんだり、腰をかがめたりしなければ掃除できないような家具の下も、立ったままでOK。
ヘッドのノズルも2種類が連動
ヘッド内部には柔らかなブラシと硬めのブラシの2本を配置。「床モード切替」ボタンで「フローリング/カーペット」を切り替えて、回転するブラシを選択できる。
上位機には着脱式のバッテリーが2個付属
上位モデルを購入した場合は、掃除中にバッテリーが切れてもすぐに予備バッテリーとの交換が可能。常に満充電の予備バッテリーがあれば、安心してじっくり掃除できそう。
解説/滝田勝紀(フリーランスライター)
◆Profile/フリーランスの編集者で「All About」の家電ガイド。ITメディアの「滝田勝紀の白物家電スゴイ技術」ほか連載多数。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。電子雑誌「デジモノステーション」ディレクターも兼任している。
※価格は記事制作時のものです