ヤマハが「ピアニカ」のメーカーになったのは1967年。学校教材用から、フル3オクターブを持つ広音域な37鍵盤までラインアップしてきた。「大人のピアニカ」は、37鍵盤となる30年ぶりのフルリニューアルモデル。本体は落ち着いた色合いで、低音から高音までバランスよくまろやかな音色を奏でる。
ヤマハ
大人のピアニカ P-37E
実売価格例:1万4040円
「ピアニカ」とは、ヤマハと東海楽器が持つ商標で、一般名は「鍵盤ハーモニカ」。息を吹き込んでリードを震わせることで音を鳴らす、リード楽器だ。小学校の音楽教材として使われることから子供の楽器の印象もあるが、プロのジャズミュージシャンなども使う表現力豊かな楽器だ。
「大人のピアニカ」では、ボディの素材に同社のリコーダーで実績のある比重の高いバイオマス樹脂を採用。底部に吸音材を配置するなど「ハコ」の作りにもこだわった。黒の音奏パイプや外装の光沢と艶消しの対比など、渋い仕上げも大人向きだ。
低音、中音、高音とバランスよくチューニングされているので、滑らかで深い音がする。自宅で一人で楽しむもよし、ともかく、これ以上ミニマムな鍵盤楽器はない。バンドで演るもよし、これから楽器に挑戦したい人にとっても、「ピアニカ」という選択はけっこうイケているのではなかろうか。
採点
ピアニカとしては高級機だが、手ごろな価格で鍵盤に挑戦するのに最適。キータッチなどの質感が高くモノとしての満足度も高い。
解説/宇野正樹(フリーライター)
※価格は記事制作時のものです。