当院で腸もれ対策としてお勧めしているのが、「骨だしスープ」です。飲むときに卵やみそを入れれば、たんぱく質補給にも役立ちます。腸の悪い人は、たんぱく質が不足している傾向にあるので、意識してとるようにしましょう。【解説】城谷昌彦(ルークス芦屋クリニック院長)

解説者のプロフィール

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城谷昌彦(しろたに・まさひこ)
ルークス芦屋クリニック院長。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本内科学会認定医。1995年、東京医科歯科大学医学部卒業。2016年より現職。2000年に、自身が潰瘍性大腸炎を発症。西洋医学だけではなく、統合医療からのアプローチの重要性を痛感し、診療に取り入れている。現在、「細胞レベルの健康を取り戻す」をモットーに、腸内環境改善のための治療や、極力薬に頼らない自然治療などのアドバイスも行っている。

腸のバリア機能が働いて細菌や毒素の侵入を防ぐ

消化器内科医である私は、全身の多くの疾患において、腸内環境を整えることが非常に重要だと考えています。

特に近年、「腸もれ(リーキーガット症候群)」が問題になっています。英語でリーキーは「もれ」、ガットは「腸」を意味します。腸に炎症が生じて腸の粘膜にすきまができ、そこから細菌や毒素、未消化のたんぱく質などが、容易に体内に取り込まれてしまう状態です。

腸からもれ出した物質は、異物と見なされてアレルギー様の反応を起こし、全身のあちこちで炎症をもたらします。また、しっかり食べているつもりでも、きちんと消化されないため栄養が吸収できず、その結果、さまざまな不調を招くのです。

当院に来られる患者さんに腸内環境の検査を行うと、8〜9割の人に腸もれを疑う所見が確認できます。消化器症状に限らず、アトピー性皮膚炎、うつ、慢性疲労など、どんな疾患であれ、ほとんどの患者さんは、腸内環境が乱れているといえるでしょう。

そこで、当院が腸もれ対策としてお勧めしているのが、「骨だしスープ」です。

骨だしスープとは、肉や魚を骨ごと煮込んでだしを取ったスープのことです。そこには、アミノ酸(たんぱく質の構成成分)やミネラルなど体に必要な栄養素が、吸収しやすい分子に分解された状態で溶け込んでいます。そのため、消化能力が弱っている人でも必要な栄養を吸収しやすく、細胞の栄養状態の回復に役立ちます。

さらに、骨だしスープに含まれるグルタミン、プロリン、グリシン、オリゴペプチドといったアミノ酸には、腸粘膜を修復する作用があります。すると、バリア機能がしっかり働くようになるので、細菌や毒素が体内に入りにくくなります。

こうして、腸に必要な栄養素を取り込み、不要物を排出できる体にすることが、病気治療の第一歩になるのです。

私は、2016年にアメリカの自然療法医から骨だしスープについて学び、自分でも飲み始めるとともに、処方せんの一つとして、患者さんにも勧めるようになりました。

実は私は、2000年に潰瘍性大腸炎を発症し、今でも下痢などを起こしやすいのですが、骨だしスープを飲んでいると、比較的しっかりと形のある便が出ます。

また、私は自分自身の病気を通じて、病気を根本的に治すには、腸内環境とメンタルの両方を整えることが大切だという考えに至りました。メンタルが安定すると腸も整い、驚くほど治るスピードも早まります。

私も、出張などで骨だしスープが飲めない日が続くと、メンタルの疲れに沿って便通も不安定になることがあります。しかし、久しぶりに家に帰って骨だしスープを飲むと、ホッと落ち着いて、まさに「腹がすわる」感覚が得られるのです。

腸内のカンジタ菌が減り糖質への渇望が鎮まる

では、実際に骨だしスープを飲まれている患者さんの症例をご紹介しましょう。

副腎(ホルモンを産生・分泌している内分泌器官)の疲労により、朝は起きられず、頭痛、便秘などの症状を抱えていた中学生の女の子は、骨だしスープとサプリメントを飲んだ結果、2週間ほどで元気に登校できるまでに回復しました。

また、44歳の女性は、アトピーが改善しました。さらに、不妊治療中の婦人科でも、「卵子の質がよくなっている」といわれたそうです。

ちなみに、糖質のとり過ぎで腸内にカンジダ菌(常在性真菌類の一種)が異常繁殖し、腸内環境が乱れている人も多くいます。そのような人も、骨だしスープをしっかり飲んでいると、糖質への渇望が減ってくるようです。

当院では、1杯150mlの骨だしスープを、朝晩の1日2杯飲むことを勧めています。もっと飲みたい人は、お茶がわりに飲んでもかまいません。

骨だしスープを作る際は、できれば6時間以上煮込むよう、指導しています。圧力鍋はなるべく使わず、沸騰しない程度にコトコト煮込みましょう。また、骨は牛でも鶏でもかまいませんが、飼料や育て方にこだわった、質のよい物を選んでください。

煮込むときに少量の酢を加えると、骨からミネラルが抽出されやすくなります。また、味つけには、ミネラルが豊富な天然塩を使うのがお勧めです。

そして、飲むときに卵やみそを入れれば、たんぱく質補給にも役立ちます。腸の悪い人は、たんぱく質が不足している傾向にあるので、意識してとるようにしましょう。

画像: 卵も入れてたんぱく質を増量!

卵も入れてたんぱく質を増量!

当院では、私が監修し、地元兵庫県産の鹿を使った、オリジナルの骨だしスープも活用しています。自然の中で育った鹿は抗生剤や成長ホルモンが使われておらず、安心・安全。そのうえ高たんぱくで、ほかの動物に比べて鉄やコラーゲンが豊富です。

ぜひ、骨だしスープを腸内環境の改善にお役立てください。

画像: この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

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