ロボット開発ベンチャーのGROOVE Xが2018年12月、家庭用ロボット「LOVOT(ラボット)」を発表した。LOVOTの特徴は、持ち主の顔や声を認識して近寄ったり甘えたりといった動作を行い、だっこして撫でると気持ちよさそうな表情を見せる。触れるとペットのような体温が感じられ、持ち主との過ごし方によって個性を持っていく。そばにいてくれるだけで心が安らぐ「人を幸せにする」存在を目指したロボットに注目だ。
先端のテクノロジーを搭載し、だっこや遊びを好むロボット
「人の役に立つ」のではなく「人を幸せにする」パートナーが誕生!?
ロボット開発ベンチャーのGROOVE Xは2018年12月、家庭用ロボット「LOVOT」を発表した。同時に予約受付も始まっており、初回出荷は2019年秋冬を予定している。
GROOVE X
LOVOT
予約価格:64万5840円(ペア。2019年秋冬出荷開始予定)
※月額使用料として2万1556円~が別途必要。
●だっこをねだったり、追いかけて行ったりする
LOVOTの特徴は、人とのふれ合いを重視し、愛らしさにこだわった点にある。持ち主の顔や声を認識して近寄ったり甘えたりといった動作を行い、だっこして撫でると気持ちよさそうな表情を見せる。また、触れるとペットのような体温が感じられ、持ち主との過ごし方によって個性を持っていく仕組みが採用されている。
かわいらしい外見ながら、LOVOTの内部には、先端テクノロジーが満載されている。特に、センサー類は、家庭用ロボットとしては異例の数を搭載。撫で方の強弱も感知するタッチセンサーがほぼ全身に配置されるほか、気圧や照度、温度・湿度、姿勢、測距、障害物といったセンサー群が内蔵されており、半天球カメラや360度マイクなども備える。
また、センサーやカメラなどから送られる膨大な情報を処理するため、本体や充電スタンドに搭載されているプロセッサーは、非常に処理能力が高い。これとは別に、AIの学習専用プロセッサーも搭載されており、2体で約65万円という高額な本体価格に見合う豪華なハードウェアだ。
●「Pepper」とは異なるコンセプト
ソフトバンクの「Pepper」やシャープの「ロボホン」といった従来の家庭用ロボットとの違いは、LOVOTが“人の役に立つこと”を目的としていない点にある。Pepperやロボホンは、人のアシスタントとしてさまざまな作業をこなすが、LOVOTはそれをしない。代わりに、人のような感情を持ち、持ち主のそばにいてくれるだけで心が安らぐ存在を目指しているのだ。
ソニーのペットロボット「aibo」人気からもわかるように、ロボットに癒やしを求めるユーザーは多い。まずは、発表された機能をしっかり実現させていくことが、成功のカギになるだろう。
TEXT●加藤肇(ライター)