JR各社のシニア割引制度は、多くの場合50歳以上からのミドルエイジ向けプランと、男性65歳以上・女性60歳以上からのハイエイジ向けプランの二段階になっている。ミドルエイジ向けプランは、最大30%割引、入会金、年会費ともに無料のサービスもあるなど、魅力的な特典が多く、バラエティに富んでいる。JR東日本・北海道の「大人の休日倶楽部」、JR東海の「50+」、JR西日本の「おとなび」、JR四国の「四国エンジョイクラブ」、JR九州の「ハロー!自由時間クラブ」、この5つのサービスの割引率、年会費、特典などを徹底比較してみた。また、ハイエイジ向けの「ジパング倶楽部」についても解説する。【2019年6月30日更新】

JRのシニア割って、なんだろう

JRのシニア割は、各社とも二段階。切符の割り引きのほかにお得な旅行パックがある

JR各社には、いろいろな割り引きプランがあるが、そのなかでも注目なのが、シニア向けの割り引きプランである。
全社に共通しているのは、主に50歳以上から入会できるミドルエイジ向けプランと、男性65歳・女性60歳・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けプランの二段階になっているという点である。

ミドルエイジ向けのプランは、各社が独自の特典を設けたもので、入会金が無料だったり、年会費無料といった、お手軽なものが多い。
対してハイエイジ向けのプランは、「ジパング倶楽部」という共通ブランド名がつけられており、年会費があるものの割り引き率が大きいプランとなっている。

ここでは、各社の会員特典として、使い勝手がいい切符(運賃)の割り引きを中心に紹介するが、各社それ以外にも、お得な会員向け旅行パックなどの各種旅行商品が用意されている。

JR東日本、JR北海道の場合

画像1: www.jreast.co.jp
www.jreast.co.jp

JR東日本・北海道は合同のシニア割り引きプランになっており、「大人の休日倶楽部 」という共通ブランドを使用している。

50歳以上から入会できるミドルエイジ向けが「大人の休日倶楽部ミドル」、男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けが「大人の休日倶楽部ジパング」である。

大人の休日倶楽部ミドルは、入会金無料、年会費2575円(初年度無料)で、JR東日本とJR北海道の切符が5%割り引きになる。

大人の休日倶楽部ジパングは、入会金無料、年会費・個人会員4285円(1人)/夫婦会員7320円(2人)で、JR東日本・北海道の切符が30%割り引き、また日本全国のJRの切符が年間20回まで割り引きがあり、初年度の1~3回までは20%割り引き、4~20回までは30%割り引きとなる。また2年目以降の更新会員は初回から30%割り引きとなる。

JR東日本とJR北海道は合同でプランなので、JR東日本エリアとJR北海道エリアを一つのエリアとして割り引きが適用される。エリアが広いためか、年会費は他のJR各社に比べると若干高額になっている。

JR東海の場合

画像: JR東海の場合

50歳以上から入会できるミドルエイジ向けの「50+」(フィフティ・プラス)は、入会金・年会費無料で、さまざまな割安旅行プランを利用できる。

インターネットのホームページから入会する「WEB会員」ならば、限定数ではあるが東海道新幹線の主要駅利用の1泊付割り引きプランがいつでも同じ価格で購入可能。
例えば東京駅発着・京都1泊は22800円、静岡発着・京都1泊は18800円、新大阪発着・東京1泊は23500円などとなっている。

男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けの「ジパング倶楽部」は、入会金無料、年会費・個人会員3770円(1人)/夫婦会員6290円(2人)で、日本全国のJRの切符が年間20回まで割り引きがある。
初年度の1~3回までは20%割り引き、4~20回までは30%割り引きとなる。また2年目以降の更新会員は初回から30%割り引きとなる。

JR東海は東海道新幹線を持っているだけあり、ミドルエイジ向けのプランでも新幹線を利用した特典がある。ミドルエイジ向けで切符単体の割り引きがないのは残念だが、東京・大阪への宿泊付割り引きがあるので、観光以外での用途でも使い勝手がよさそうだ。

JR西日本の場合

画像: www.jr-odekake.net
www.jr-odekake.net

50歳以上から入会できる「おとなび」は入会金・年会費無料で、「おとなびWEB早割」を利用することで、山陽新幹線「のぞみ」や特急列車が3割り引き、山陽新幹線「こだま」が6割り引きとなる。

男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けの「JR西日本ジパング倶楽部」は、入会金無料、年会費・個人会員3770円(1人)/夫婦会員6290円(2人)で、日本全国のJRの切符が年間20回まで割り引きがある。

初年度の1~3回までは20%割り引き、4~20回までは30%割り引きとなる。また2年目以降の更新会員は初回から30%割り引きとなる。
また、JR西日本の切符に関しては年回何回でも30%割り引きで購入できる。

山陽新幹線や特急列車に割り引きがあるが魅力的。とくに山陽新幹線「こだま」が6割り引きというのは、エリア内の比較的近場に頻繁に旅行する人には、かなり強力な特典といえるだろう。

JR四国の場合

画像: www.jr-eki.com
www.jr-eki.com

JR四国のミドルエイジ向けプラン「四国エンジョイクラブ」は、男性60歳以上、女性55歳以上から入会できる。入会金無料・年会費1500円となっている。

JR四国線内または、JR四国と「土佐くろしお鉄道線」を通算して片道71km以上となる鉄道を往復する場合で、往復とも1列車で51km以上の特急券を同時購入する場合、運賃・特急料金が30%割り引きとなる。

男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けの「JR四国ジパング倶楽部」は、入会金無料、年会費・個人会員3770円(1人)/夫婦会員6290円(2人)で、日本全国のJRの切符が年間20回まで割り引きがある。

初年度の1~3回までは20%割り引き、4~20回までは30%割り引きとなる。2年目以降の更新会員は初回から30%割り引きとなる。

また、JR四国ジパング倶楽部に入会すると、自動的に四国エンジョイクラブにも入会したことになり、四国エンジョイクラブの年会費は免除される。

四国エンジョイクラブは、四国の特殊な鉄道事情を考慮して第三セクターの「土佐くろしお鉄道」も割り引き適用エリアに含まれている。これにより四国4県の大半で割り引きメリットが受けられる。距離の規定などすこしややこしいが、ザックリいえば、四国内でちょっと遠くにいくときに大半の距離を1本の特急を使うと30%引きになるということである。

また、四国エンジョイクラブに入会できる年齢は、JR西日本以西各社のミドルエイジプランより高齢設定になっていること、年会費がある点には注意したい。

JR九州 の場合

画像: www.jrkyushu.co.jp
www.jrkyushu.co.jp

JR九州のミドルエイジ向けプラン「ハロー!自由時間クラブ」は、男性60歳以上・女性50歳以上から入会できる。

入会金・年会費は無料で、「ハロー!自由時間パス」を購入すると九州新幹線・特急列車が3日間乗り放題、普通指定席を年6回まで利用できる。
ハロー!自由時間パスには「北部九州版」と「全九州版」があり、北部九州版はネット購入で8200円、全九州版はネット購入で15500円となっている。

男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できるハイエイジ向けの「JR九州ジパング倶楽部」は、入会金無料、年会費・個人会員3770円(1人)/夫婦会員6290円(2人)で、日本全国のJRの切符が年間20回まで割り引きがある。
初年度の1~3回までは20%割り引き、4~20回までは30%割り引きとなる。また2年目以降の更新会員は初回から30%割り引きとなる。

ハロー!自由時間クラブとJR九州ジパング倶楽部の両方に入会している会員は、JR九州線の運賃・料金がいつでも何回でも30%割り引きとなる。

意欲的なサービスで有名なJR九州だけに、ミドルエイジ向けでも新幹線・特急3日間乗り放題のパスが購入できるという強力な特典がある。他の地域から飛行機で九州入りして、あとはJRという楽しみ方もいいだろう。

大人の休日倶楽部とは?

JR東日本の大人の休日倶楽部は、おトク!

JR東日本の「大人の休日倶楽部」は、JR東日本とJR北海道をひとつにまとめたエリアで適用される。東京以東以北のほぼすべてという広大なエリアが対象となる点で、JR他社とは一線を画すシニア割り引きプランといえるだろう。

ミドルエイジ向けの「大人の休日倶楽部ミドル」と、ハイエイジ向けの「大人の休日倶楽部ジパング」の二段階に分かれているのは、JR他社でも同様の仕組みだが、エリアが広いことが原因なのか、ミドル・ジパングともに年会費はやや高めの設定となっている。

ここでは、JR各社のシニア割り引きのなかでも、群を抜いて対象エリアが広い「大人の休日倶楽部」について、細かく解説していく。

大人の休日倶楽部ミドルとは?

男性は満50歳から満64歳まで、女性は満50歳から満59歳まで入会できる、ミドルエイジ向けの割り引きプランが「大人の休日倶楽部ミドル」である。
男女ともに、より高齢者向けの「大人の休日倶楽部ジパング」に入会できる年齢になるまでは、こちらに入会することになる。
男女の対象年齢幅が異なるが、入会は男女別々になっており夫婦のどちらかがxx歳以上なら……という夫婦会員の仕組みは存在しない。

画像2: www.jreast.co.jp
www.jreast.co.jp

大人の休日倶楽部ミドルの入会方法(入会金と年会費)

大人の休日倶楽部ミドルは、入会金無料・年会費は1人2575円となっている。
これは年会費2060円と入会と同時に発行されるカードの年会費515円を合算したもので、初年度はこの2575円の年会費も無料となる。

このカードは、JR東日本のIC乗車カード「Suica」と、JR東日本関連ショッピングモールでの買い物でポイントが溜まる「JRE POINTカード」と、JR東日本の公式クレジットカードである「VIEWカード」が一体化したもので「大人の休日倶楽部ミドルカード」と呼ばれている。

入会方法は、インターネットでの申し込み、ネットや主要駅で申し込み書を入手・記入して郵送での申し込み、「びゅうプラザ」に来店しての申し込み(カードは後日郵送される)が可能。
びゅうプラザでの来店申し込みでは、その場で仮会員証が発行され、各種割り引き購入ができる。本人確認書類が不要で時間的な制約がないインターネット申し込みが便利である。

大人の休日倶楽部ミドルの特典とメリット

大人の休日倶楽部ミドルに入会すると、大人の休日倶楽部ミドルカードでの購入により、JR東日本・JR北海道エリアの201km以上の切符購入について、乗車券・指定席券・特急券等が5%割り引きになる。

例えば、東京-仙台間を新幹線「はやぶさ」の普通車指定席で購入した場合、通常は22400円となるところ、大人の休日倶楽部ミドルなら21260円となり、1140円トクしたことになる。
片道でこの金額なので、東京からの旅行を考えれば、仙台より遠くにいけば、往復で年会費の元は取れる計算になる。

年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は、割り引きにならないが、年間の割り引き利用回数は無制限、往復201kmから適用なので、金銭的なメリットは大きいといえる。
また、「びゅう」の国内旅行商品も5%割り引きになり、この場合は同行者も年齢・大人の休日倶楽部入会の有無に関わらず5%割り引きが適用される。

大人の休日倶楽部ジパングとは?

男性65歳・女性60歳以上・夫婦どちらかが65歳以上で入会できる、ハイエイジ向けの割り引きプランが「大人の休日倶楽部ジパング」である。

大人の休日倶楽部ミドルの会員は、年齢がジパングの条件に達した時点で、こちらのプランに切り替えることになる。
夫婦会員の制度があるので、ミドルに夫婦ともに入会していた人は、どちらかの年齢が65歳に達した時点でジパングに切り替えることになる。

画像3: www.jreast.co.jp
www.jreast.co.jp

大人の休日倶楽部ジパングの入会方法(入会金と年会費)

大人の休日倶楽部ジパングは、入会金無料・年会費は1人ずつ入会する「個人会員」の場合4285円、夫婦2人で同時に入会する「夫婦会員」の場合7320円となる。
この年会費も「大人の休日倶楽部ジパングカード」の年会費(個人会員は515円、夫婦会員は1030円)が含まれている。
大人の休日倶楽部カードジパングも、Suica+JRE POINTカード+VIEWカードが一体化したものとなる。

大人の休日倶楽部ジパングの申し込みはインターネット申し込みができず、ネットや主要駅で申し込み書を入手・記入して郵送で申し込みか、「びゅうプラザ」に来店しての申し込み(カードは後日郵送される)のいずれかになる。
びゅうプラザでの来店申し込みでは、その場で仮会員証が発行され、各種割り引き購入ができる。

大人の休日倶楽部ジパングの特典とメリット

大人の休日倶楽部ジパングの主要な特典は、JR東日本・JR北海道エリアに限定したものと、JR各社で利用できるものの二本立てになっている。

JR東日本・JR北海道エリア内の特典としては、大人の休日倶楽部ジパングカードでの購入により、エリア内の201km以上の切符購入について、乗車券・指定席券・特急券等が30%割り引きになる。

例えば、東京-仙台間を新幹線「はやぶさ」の普通車指定席で購入した場合、通常は22400円となるところ、大人の休日倶楽部ジパング15660円となり、6740円トクしたことになる。
1人片道でこの金額なので、東京からの旅行を考えれば、夫婦でちょっとした旅行をするだけで元がとれてしまう。このエリア内の30%割り引きに関しては年間利用回数の制限もない。

JR東日本・北海道エリア以外でも利用できる特典もある。
エリア外でのJR各社の切符が年間20回最大30%割り引きになるというもの。初年度の1~3回までは20%割り引きだが、4~20回は30%引きになり、会員資格を更新すれば次年度以降は初回から30%割り引きになる。

JR東日本・北海道エリアで利用できる特典も、それ以外のJR各社で利用できる特典も、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆に利用できない期間があることは大人の休日倶楽部ミドルと同じ。
また、東海道新幹線「のぞみ」と山陽・九州新幹線「みずほ」など、一部割り引きが適用できない列車もある。

大人の休日倶楽部パスとは?

大人の休日倶楽部では、ミドル/ジパングの切符割り引き購入特典以外に、魅力的な特典がある。
それが「大人の休日倶楽部パス」である。

これは、期間限定かつ日数限定の乗り放題切符であり、大人の休日倶楽部ミドル・ジパングの会員のみが購入できる。
対象エリアと日数・価格は「JR東日本全線4日間15000円」「JR東日本全線・JR北海道全線5日間26000円」「JR北海道在来線全線5日間16250円」(北海道新幹線は除く)の3パターンとなっている。

利用できる期間は、3パターンともに共通しており、2019年度の場合は、第1回が2019年6月20日~7月2日、第2回が2019年11月28日~12月10日、第3回は2020年1月16日~1月28日となっている。この期間中に連続する4日間または5日間が乗り放題となるわけだ。   

画像: jre-ot9.jp
jre-ot9.jp

大人の休日倶楽部パスの買い方

大人の休日倶楽部パスは、利用できる期間の1カ月前からの販売となる。
購入できる場所は、パスで乗り放題になるエリア内の主要駅の指定席券販売機、おなじく主要駅のみどりの窓口、びゅうプラザ(北海道は「ツインクルプラザ」)となる。
JR東日本全線版はJR東日本エリア内のみで発売、JR北海道在来線全線版はJR北海道エリア内のみで発売、JR東日本・JR北海道全線版はJR東日本とJR北海道のエリア内での販売となる。

えきねっとでの指定席券受け取り方法

大人の休日倶楽部パスには、指定席券が含まれていないので、乗る列車が決まったら指定席の購入も必要となる。
大人の休日倶楽部パスの場合、一部の列車を除いて6回まで指定席の取得も無料。取得はJR主要駅の指定席販売機が利用できるほか、インターネットの「えきねっと」も利用できる。

「えきねっと」は、インターネットで指定席を確保する方法で、えきねっとのサイトにアクセスし、乗る列車を選択して座席を予約する。
指定席券の受け取りは、JR主要駅の指定席販売機で行う。大人の休日倶楽部パスと指定席を組み合わせる場合は、発券時に大人の休日倶楽部カードが必要。かならず大人の休日倶楽部ミドルカードか大人の休日倶楽部ジパングカードを持って指定席販売機に行くこと。

払い戻し方法

大人の休日倶楽部パスは、有効期間内で未使用の場合に限り払い戻しが可能。
払い戻しの受け付けは、大人の休日倶楽部パスを販売しているすべての場所で可能だ。
払い戻しには 660円の払い戻し手数料が発生。大人の休日倶楽部パスを購入したときに使用した大人の休日倶楽部カードも必要となる。また、列車出発時間後の指定席券の払い戻しはできない。

JR東日本、JR北海道、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州のシニア割引一覧表

画像: ※夫婦の場合、どちらかが65歳以上なら、そろって「夫婦会員」になれる。

※夫婦の場合、どちらかが65歳以上なら、そろって「夫婦会員」になれる。

まとめ

JR各社のシニア割り引きは、どれも魅力的な内容である。
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆に利用できない特典も多いが、その時期を外して旅行できるのもシニアの特権だ。年齢を重ねても、旅行を楽しめる健康を維持して楽しい旅行をおトクに楽しみたい。

◆福多利夫(フリーライター)
デジタル家電関連の記事を得意とする、モノ系ホビー系のフリーライター。一般財団法人家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。長年にわたり月刊『特選街』の制作に携わり、パソコン関連の著書も多い。

This article is a sponsored article by
''.