「その人が魅力的かどうか」については、2秒見ただけで判断するという研究もあります。それほど外見を磨くこと、相手に若々しく見られることは重要なのです。それでは、若々しい顔を作るためには何をすればいいのでしょうか。【解説】DaiGo(メンタリスト)
解説者のプロフィール
DaiGo(だいご)
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズム(人の心を読み、操る技術)を日本のメディアで初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして多くのテレビ番組に出演。『運は操れる』(マキノ出版)ほか、人間心理をテーマに執筆した著作は累計で270万部を突破。2019年2月にマキノ出版より「人脈・人間関係」をテーマとした最新刊を刊行予定。
オフィシャルサイト=http://daigo.jp/
パッと見ただけで人の本質は見抜ける
「パッと見だけでは、その人となりは判断できない」……よくこのように言われます。他人のことがわかるには時間がかかる、と。ハッキリ言います。これは嘘です(笑)。
すでに多くの研究により、他人を見抜くのにさほど時間はかからないという事実が判明しています。
一つ、データを紹介します。これは米国プリンストン大学の実験です。被験者にアメリカ議会選の候補者たちの顔写真を見せ、「どの人が有能そうだと思いますか?」と尋ねました。
そして、全員の返答を選挙戦の結果と比べたところ、多くの被験者から「有能に見える」と判断された候補者ほど、実際に当選率が高かったのです。
情報は顔写真だけです。それでもこれだけのことがわかります。「その人が魅力的かどうか」については、2秒見ただけで判断するという研究もあります。それほど外見を磨くこと、相手に若々しく見られることは重要なのです。
特に女性にとって「若々しく見られる」というのは、非常にメリットがあります。
まず、先ほどのパッと見、第一印象の話から考えると、「若々しく見られる」ということは、実際に体が若いというのとほぼ同義です。
体も心も健康でないと、若々しくは見られません。ということは、現実に若い人のように健康的であるということです。もちろん他人からの印象もよくなりますし、何より男性からモテるようになります。
女性が男性を選ぶときは、「顔の左右対称性」が重視されます。イケメンアイドルのように均整の取れたきれいな顔です。
人間は本来、左右対称になる生き物ですが、遺伝子に傷がついたり、病気になったりすると、左右対称性がだんだんくずれていきます。
つまり、左右対称性の保たれたきれいな顔を選ぶということは、遺伝子が傷ついていない、健康な人を選ぶということになります。
ところが、男性は女性と違って、生物学的には何人もの子どもを同時に作ることができます。したがって、子どもを作れるかどうか、つまり、若く、健康的で妊娠の可能性が高いかが重要な指標となります。
これは年齢的に若くなければいけない、という意味ではなく、いかに若々しく、健康的に見えるかが大事だということです。
そこで今回は、顔を若々しく保つ方法を紹介していきます。
若々しい顔とは特徴のない顔
人は他人のどこを見て年齢を判断するのでしょうか。これは顔に限ると、ほぼ一つと断言できます。それは「お肌」、肌質です。
では、どのような肌が若々しく見えるのでしょう。一言で言うと、「情報量の少ない肌」です。情報量が少なく、特徴のない顔のほうが若く見られることがわかっています。
顔にシワがある、シミがある、肌に凹凸がある、ほうれい線が出ている、これらはすべて情報です。
皆さん、プリクラや「SNOW」などのスマホのカメラアプリが、なぜあれほど流行したかわかりますか?フィルターを使って簡単に肌のシワや凹凸を飛ばしてなめらかにしたり、色味を均一にしたり、顔のパーツを目立たなくしたりして、若々しく見せられたからです。
顔の特徴をなくすだけで、あれだけかわいく、若々しく見せられる。一種の魔法ですよね。
特徴のない顔が若々しく見えるということは、最近流行している目を大きくする、鼻を高くするなどの整形手術は、基本的に逆効果となります。同様に、気合いを入れたフルメイクもほぼ効果は得られません。
化粧品にお金をかける女性がいますが、それはほとんど無駄金です。化粧はしてはいけないということはありませんが、そこにお金や時間をつぎ込むのはあまり有意義ではありません。
「全体的な女性の魅力度」をテーマに、メイクが女性の魅力にどれくらいプラス効果を与えるかを調べた研究データがあります。
それによると、メイクが女性の魅力度を高める比率は、なんとわずか2%だったそうです。たった2%のために、朝の忙しい時間に1時間使ってメイクをするなんてばかばかしいと思いませんか。その1時間を運動や睡眠時間に当てたほうが、若さを保つためにははるかに有効です。
それでは、若々しい顔を作るためには何をすればいいのでしょうか。次の項より、僕も実践する具体的なメソッドを紹介していきます。
保湿、たんぱく質、睡眠は美肌の基本
これから科学的データに基づき顔を若々しくする6つの美顔メソッドを紹介していきますが、その前に守ってほしい大前提があります。
それは以下の3つです。
(1)しっかり保湿すること
(2)たんぱく質を取ること
(3)よく寝ること
科学的に証明されたメソッドを実践しても、前提としてこの3つがくずれていては意味がありません。これからメイクにかける時間は、たんぱく質の豊富な食事を取ったり、睡眠に当てたりしてください。そのほうが美肌のためには効率的です。
保湿のやり方については後ほど説明をしますが、「肌に何かを入れることはできないが、肌から出て行くものと、侵入してくるものは防ぐ」というのがスキンケアの基本的な考え方です。
肌から出て行くもの、すなわち水分が出て行くことを防ぐのは、肌のためにできる数少ない有効な手段となります。
僕が勧める保湿のやり方はとても簡単で、しかも安価で実践できます。ちなみに化粧水は必要ありません。
これを証明するおもしろい研究データを紹介しましょう。被験者を次の4つのグループに分けます。
(1)化粧水だけを塗ったグループ
(2)クリームだけを塗ったグループ
(3)化粧水→クリームの順に塗ったグループ
(4)クリーム→化粧水の順に塗ったグループ
この4グループで肌の水分量や肌質がどれほど変わるのかという実験を行いました。
その結果、最も悪かったグループは(1)の化粧水だけを塗ったグループ。化粧水が蒸発してしまって肌にとどまりませんでした。
そして、それ以外の(2)〜(4)のグループについては、すべて差がないというデータになったのです。
つまり、化粧水はクリームの前に塗ろうが後に塗ろうが、そもそも塗ろうが塗るまいが、肌の水分量や肌質には影響を与えないということがわかったのです。
加工肉は若さの大敵
たんぱく質の摂取は不可欠ですが、その際に加工肉はなるべく避けてください。
遺伝子を傷つけ、老化を促進させる食べ物のトップ3は1位がポテトチップス、2位がフライドポテト、3位がハムやソーセージなどの加工肉と言われています。
食生活によるダメージは数年後、数十年後にやってきます。
これらの前提を踏まえたうえで、僕が勧める次の6つの美顔メソッドを実践してください。
「6つの美顔メソッド」❶ ~保湿~
【 ココナッツオイル 】
《ハリウッド女優も使用する美肌ケアの必需品》
僕が老若男女、全員に勧めたいのが「ココナッツオイル」です。肌を美しく保つために保湿が重要ですが、これはココナッツオイルだけでじゅうぶんです
僕は食用のココナッツオイルを使用していますが、保湿クリームと同様、洗顔やシャワーの後に塗ります。サラサラでベタつくこともなく、しっかり保湿ができて、とても使いやすいです。
僕がココナッツオイルをお勧めする理由は、それだけではありません。まずかなり安価なことです(※)。安いのでボディクリーム代わりに全身に塗ることができます。
有名なハリウッド女優のミランダ・カーさんもココナッツオイルで全身をケアしているそうです。
また、お湯でサッと流せるので、メイク落としや洗顔料の代わりにもなります。
さらに、リンス効果もあります。シャンプーした後に、少量を髪全体になじませて洗い流すだけで、髪はサラサラになりますし、頭皮もいい状態になります。
正直な話、女性のスキンケアはココナッツオイルだけですべて事足りてしまうのです。ココナッツオイルのにおいが気になる人は、白色ワセリンを使用してもかまいません。
※ 通信販売の製品の場合、500mlで1,000円〜1,500円ほど
「6つの美顔メソッド」❷ ~シワ・ほうれい線解消~
【 レチノール 】
《唯一、肌に吸収される物質》
基本的に化粧水や化粧品の多くは意味がありません。肌は驚くほど「何も吸収しないこと」がわかっています。
しかし、一つ例外があります。それが「レチノール」(※)です。レチノールは肌に吸収され、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を早くする効果があります。
シワやほうれい線は老化でターンオーバーが遅くなることで起こりますから、そこにレチノールを塗ることでターンオーバーを早め、シワやほうれい線を消す効果が期待できます。
ただし、塗るのは週に1回まで。それ以上塗るとターンオーバーが早くなりすぎ、肌がカサカサになります。
※ 通信販売の製品で、50mlで2,000円ほど。レチノール配合化粧品などは含まない
「6つの美顔メソッド」❸ ~シミ・シワ予防~
【 日焼け止めクリーム 】
《紫外線は1年を通じて遮断する!》
スキンケアの基本の1つ、「肌に侵入するものを防ぐ」。最も防ぎたいのは紫外線です。
「それはわかっています。私も塗っています」という人は多いと思いますが、1年じゅう塗っていますか?僕は毎日、冬でも塗っています。
これはなぜかと言うと、日常的に日焼け止めを使っている人と使ってない人とでは、肌の老化のスピードが格段に変わるという研究があるからです。
腕や足と違って、顔は1年じゅう露出しています。顔を若々しく保ちたいなら、1年じゅう日焼け止めクリームを塗るようにしてください。
「6つの美顔メソッド」❹ ~老化対策~
【 1日に500gの野菜を 】
《野菜生活は劇的に老化を遅らせる》
野菜から得られるメリットは大きく、1日に300〜800gの葉物野菜を食べていると、劇的に老化を遅らせることができるというデータがあります。
僕の場合、1日に500gほどサラダを食べます(僕は「サラダ・ファイト」と呼んでいます)が、これは普通に食べると食べ切れないのでフードプロセッサーを使ったり、メッツァルーナ(※)と呼ばれる半円形の包丁で野菜を細切れにしたりして食べています。
草食動物のように、ひたすら野菜を食べましょう。
「6つの美顔メソッド」❺ ~ストレス対策~
【 自然に触れる 】
《ストレスを解消することを習慣に》
山や森、海、川、草原などの自然の中に、1週間に1〜2時間くらいいるとストレスが激減するという研究があります。僕は毎日2〜3時間、森の中にいます。
ストレスは酸化や炎症の原因になるため、どれだけストレスを軽減できるかが老化を防ぐカギとなります。
今、ストレスがあるかないか、ではありません。人間は知らないうちにストレスをためていくものですから、ストレスを発散できる習慣を持っていることがたいせつなのです。
「6つの美顔メソッド」❻ ~小技~
【 カラーコンタクト 】
《虹彩をきれいに見せると若々しい》
今、若い女性の間でカラーコンタクトがはやっています。これは実は顔を若々しく見せるのに一役買っています。
若い人のほうが目の虹彩(黒目の周りの色がついている部分)の模様がはっきりしていて、これが加齢とともにくすんできます。
ですので、不自然な色でない、虹彩がきれいに見えるカラーコンタクトをすると、顔の印象がかなり変わってくるはずです。