人気のスーツケースの一つ、エース株式会社の「プロテカ」。日本メーカ―ならではの高い品質と機能性、徹底した品質管理が支持され、2004年に誕生して以来、多くのユーザーから高い評価を集めている。キャスターへのこだわりや、保証の手厚さなど、同社のモノづくりの裏側を知るべく、商品企画の担当者に取材した。

話題の商品徹底解剖!
エース「プロテカ」のキーパーソンに訊け!

旅人のニーズに細やかにこたえて進化を続ける"MADE IN JAPAN"のスーツケースブランド

旅行のお供として欠かせないのがスーツケース。国内外メーカーの商品が数多く販売されている中、老舗の総合バッグメーカーであるエースが展開する「プロテカ」ブランドは、"MADE IN JAPAN"による高い品質と機能性、徹底した品質管理、顧客本位の姿勢などから、ユーザーの支持を集めている。日本メーカーならではのモノづくりの裏側を、商品企画の担当者に訊いた。

キーパーソンはこの二人!

画像: エース株式会社MD本部 MD統括部サブマネージャー 南谷 誠さん

エース株式会社MD本部 MD統括部サブマネージャー
南谷 誠さん

画像: エース株式会社MD本部 MD統括部部長 西村茂樹さん

エース株式会社MD本部 MD統括部部長
西村茂樹さん

厳しい品質テストは事実上の業界標準

2019年のゴールデンウィークは超大型連休だ。海外や国内への旅行を計画している人も多いのではないだろうか。 旅行に必須の道具といえば、スーツケース。

市場には、国内外メーカーの商品が数多く出回っているが、多数のユーザーから高い評価を集める日本メーカーのブランドがある。それが、1940年創業の総合バッグメーカーであるエース株式会社の「プロテカ」だ。同社でプロテカの商品企画やマーケティングを担当する西村茂樹さんは、次のように話す。

「プロテカブランドの誕生は2004年。他社ブランドのライセンス商品を製造することで蓄積した技術とノウハウを、自社ブランドの商品にも積極的に投入していきたいと考えたことがきっかけの一つでした。ブランド名の由来は“Protect”“Technology”“ACE”という三つのキーワード。高品質と機能性を常に追求し続けることで、ユーザーからの支持を得ています」

プロテカ360Tメタリック

標準価格(税別):7万9000円(4.0㎏/63リットル)

画像: 開閉方向を選ばない「360°オープンシステム」を採用するプロテカの主力モデル。樹脂と金属の質感あふれるメタルボディをまとう

開閉方向を選ばない「360°オープンシステム」を採用するプロテカの主力モデル。樹脂と金属の質感あふれるメタルボディをまとう

画像: 縦にも横にも開けられるので、空港その他の移動時にちょっと荷物を出し入れしたいときや、宿泊先の狭いスペースで荷作りする際などに威力を発揮する。

縦にも横にも開けられるので、空港その他の移動時にちょっと荷物を出し入れしたいときや、宿泊先の狭いスペースで荷作りする際などに威力を発揮する。

画像: 体感音量を大幅に軽減した「サイレントキャスター」と滑らかな走行を実現した「ベアロンホイール」を採用。キャスターストッパーも搭載している。

体感音量を大幅に軽減した「サイレントキャスター」と滑らかな走行を実現した「ベアロンホイール」を採用。キャスターストッパーも搭載している。

北海道赤平市にあるエースラゲージ赤平工場は、年間約15万本のハードスーツケースと6万本のソフトスーツケースを生産する、国内唯一のスーツケース工場だ。プロテカのハードスーツケースはすべて、素材から組み立てまで一貫してこの赤平工場で製造されている。

「エースを代表するブランドであるプロテカは、繊細で高度な技術を持った熟練の職人だからこそ実現できる高い品質と耐久性を持っていないといけない。それこそが、我々が日本製にこだわる理由です」と、西村さんと同じく商品企画などを担当する南谷誠さんは説明する。

赤平工場では、品質管理も徹底されている。エース品質管理研究所が併設されており、落下衝撃テストやハンドル強度テスト、キャスター走行テスト、耐湿テストなど、多岐にわたる品質テストを実施。品質テストの厳しい基準は、同社が試行錯誤を繰り返しながら策定してきたもので、業界における事実上の標準にもなっているそうだ。

キャスターの静音性や走行性にもこだわる

同研究所では、品質管理だけにとどまらず、新たな素材や機能、パーツなどの研究開発も行われている。製造、品質管理、研究開発の現場が隣接していることは、同社の強みだ。これまでも、日本人ならではのアイデアと技術力で、独自の機能やパーツを生み出してきた。

例えば、走行時の体感音量を約30%軽減した「サイレントキャスター」は、早朝や夜間の移動で気になる騒音への対策に役立つ。キャスター周りでは、ベアリングを採用して軽く滑らかな走行を可能にした「ベアロンホイール」もあり、これらを組み合わせることで高い静音性と走行性を実現している。

手元のスイッチ一つで車輪を固定できるキャスターストッパー機能もおもしろい。スイッチと本体背面側のキャスターがワイヤーでつながれており、スイッチをオンにすると、ストッパーがかかる仕組みになっている。両方のキャスターに均等に力が加わるため、片効きを防げるようになっているのも安心だ。  

キャスターストッパー機能とは?

揺れる電車の中や駅のホーム、エスカレーター、空港ターミナルのスロープなどで、スーツケースが不意に走行してしまうのを防ぐのがキャスターストッパー機能。プロテカでは、ハンドルの根元部分にあるスイッチと背面キャスターをワイヤーでつなぎ、素早く固定/解除ができるようにしている。

画像1: キャスターストッパー機能とは?
画像2: キャスターストッパー機能とは?

筆者は、キャスターストッパー機能を最近になって知った。2019年になって発売された「360T」や「マックスパス3」といったシリーズに搭載され、プレスリリースで大々的にアピールされていたからだ。ところが、この仕組みの特許は2011年には取得済みで、搭載モデルも以前から発売されていたのだという。

「キャスターストッパー機能は当初、付加価値という位置づけで、一部シリーズにのみ搭載していました。しかし、日本では公共交通機関を利用して空港へ移動する人の割合が多く、スーツケースの不意な走行による事故は増加傾向にあります。そこで現在は、この機能の必要性が高まったという認識のもと、搭載シリーズを増やしているところです」(西村さん)

筆者にも、電車やバスを使って空港に向かう車内で、揺れによってスーツケースが勝手に動き出し、ヒヤッとした経験がある。この機能が標準で搭載されるようになれば、トラブルや事故も減っていくことだろう。

マックスパス3

標準価格(税別):6万円(3.6㎏/40リットル)

画像: 機内持ち込み可能サイズをクリアしつつ、40リットルの大容量を確保。「サイレントキャスター」やキャスターストッパーも装備。

機内持ち込み可能サイズをクリアしつつ、40リットルの大容量を確保。「サイレントキャスター」やキャスターストッパーも装備。

画像: 内装はシンプルで、隅々まで最大限に荷物を収納することが可能。仕切りは、ジッパーを閉じたままでも中身を確認できるメッシュ仕様になっている。

内装はシンプルで、隅々まで最大限に荷物を収納することが可能。仕切りは、ジッパーを閉じたままでも中身を確認できるメッシュ仕様になっている。

画像: フロントポケットには、ノートパソコンや充電ケーブルなどをスッキリと収納できる。空港などの待ち時間にメインの収納庫を開く必要がないので、便利だ。

フロントポケットには、ノートパソコンや充電ケーブルなどをスッキリと収納できる。空港などの待ち時間にメインの収納庫を開く必要がないので、便利だ。

航空会社による移動時の破損も無償修理

数多くのシリーズが存在するのも、プロテカの特徴だ。現行ラインアップでは、ハードタイプが全19種類、ソフトタイプは全5種類あり、バリエーションはかなり豊富だ。

「機能性や軽さ、頑丈さ、収納力、デザインなど、ユーザーがスーツケースに求めるニーズは多種多様です。相反する要素もあるため、一つのモデルですべてのニーズをカバーすることは不可能です。多様なニーズの一つ一つにこたえ続けたことが、バリエーションの増加につながりました」(西村さん)

プロテカは、保証も充実している。ハードスーツケース(樹脂製)には、3年間の製品保証が付属。通常使用での破損だけでなく、航空会社による移動時の破損も無償修理の対象となっており、しかも期間内であれば何度でも受けられる。

ほとんどのメーカーが「移動時の破損は航空会社の責任」というスタンスの中で、これは異例の内容。ユーザー本位の姿勢が徹底されていることも、同社が支持を集める理由だろう。

最後に、プロテカの今後の展開や方向性を訊いてみた。

「品質や機能性、耐久性の向上のための努力は、もちろんこれからも続けていきます。と同時に、スーツケースの常識を覆すような、革新的なアイデアを形にしていきたいという思いもあります。我々は、数十年にわたってスーツケース業界をリードしてきたという自負があります。今後も、世界に誇れる日本製スーツケースを世に送り出していきたいですね」(南谷さん)

画像: 西村さん

西村さん

相反する要素があるので、すべてを満たすスーツケースは存在しません。

画像: 南谷さん

南谷さん

スーツケースの常識を覆すような、革新的なアイデアを形にしたいです。

Memo

プロテカのデザインを手がけるのは、佐藤オオキ氏が代表を務めるデザインオフィスnendo。ブランド全体で統一感を持たせつつ、細部には日本人ならではの感性も盛り込まれている。

※価格は記事作成時のものです。

インタビュー・執筆/加藤肇(フリーライター)

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