キャリーケース(スーツケース)が好きです。10万円を超えるリモワから、2〜3千円の現地中華キャリーケースまで、数十個を試してきました。そして、今回は約2週間の中国家族旅行にC.JUTROの『CLASSICA NEO』を投入したところ、約14,000円という価格以上に優秀だったので、皆さんにご紹介します。
高かろうが、安かろうが壊れるときには壊れる!
適度な価格で快適に旅行ができるキャリーケースを探して

角張ったデザインとビビッドなイエローのボディが映えます。
旅行用のキャリーケースが好きです。というよりも、基本的に荷物を運ぶためのバッグにこだわりが強い傾向にあります。5年以上海外に駐在していたので、飛行機での移動が多く、その際に使うキャリーケースの性能が悪いと、移動自体が苦痛になることを痛感しているからでしょうか。
そのため、実勢価格が10万円を超えるようなリモワのキャリーケースを使っていた時期もあります。さらに、中国に駐在していたので、現地のあまり信用度の高くないお店で購入した60Lクラスで2,000〜3,000円程度のキャリーケースを使ってみたこともあります。
今回のようにちょっと長めの旅行の際には、レビュー用のさまざまなキャリーケースを試す機会をいただくこともあるので、かなりの数のキャリーケースを使ってきました。少なくとも我が家には大小さまざまな数十個のキャリーケースがあるので、一般的な方よりもかなり多くのキャリーケースを試してきたといえるでしょう。

我が家に到着した「CLASSICA NEO」。
そして、現実問題として、高価なキャリーケースほど基本的に快適で、安価なものほどキャスターといった重要な部分の性能が悪く、快適性が低い傾向にあります。この点はある意味、価格の問題と言える部分も大きいと感じるのです。
ただし、単純に安いキャリーケースほど壊れやすいかといえば、極端に安いキャリーケースは作りが粗雑なことが原因で壊れることは確かに多いのです。ですが、筆者は中国便が多いためなのでしょうか。「輸送トラブルによる、ものは高くても安くても、壊れるときには壊れる」という印象を持っています。

写真のようなカバーも付属していました。
中国の怪しいお店で購入した2,000円程度のキャリーケースは、1度国際便に乗せただけで鉄製の金具が割れましたし、日本国内で購入した安価なキャリーケースは内部のベルトを強く引いたら縫い目から切れました。
とはいえ、筆者はリモワのキャリーケースのキャリーバーを折ったこともありますし、荷物同士が激しくぶつかったのか、キャスターが破損していたこともあります。安いものほど品質の問題で壊れることは多くなりますが、高価なものであっても、壊れるときは壊れるというのが筆者の結論です。
結果、快適に移動を行うための最低限の機能は必須ですが、壊れたときにあきらめがつかないほど高価なキャリーケースも、筆者としてはオーバースペックといえるわけです。海外旅行保険を掛けていても、その手続きも実際面倒ですし……。
日本企業企画のキャリーケース「CLASSICA NEO」
14,000円程度という絶妙な値段設定も引かれた理由

キャスターにはしっかりとしたロックも装備されています。
前述のとおり、筆者は極端に安くなく、扱いに気を使わなくてはいけないほど高価でもない、気持ちよく移動ができるキャリーケースを探していたわけです。そのためにAmazonなどのネットストアを検索しては、さまざまなキャリーケースを見比べました。
そして、もっとも気になったのがC.JUTROの「CLASSICA NEO」でした。理由は、日本企業企画であることを全面に押し出していたため。世界的にもクオリティの高いAppleのiPhoneやMacBookもいまや中国で組み立てられているのですから、中国製であることよりも、誰がどのクオティを目指して、中国で作っているのかが重要だと筆者は思っています。

TSAに対応する堅牢なロックには安心感があります。
実際、筆者は妻が中国人のため妻の実家などで、中国企業が中国国内向けに、おそらくコストパフォーマンスを最優先して作ったものと海外ブランド用に作ったもののクオリティの違いは、恐ろしいレベルの差です。
そのため、日本企業が日本での販売を重視して、中国で生産したもので、ある程度しっかりとコストをかけて生産したものは信用できると考えてます。そしてC.JUTROの「CLASSICA NEO」は日本企業が企画して中国で生産した日本での販売を重視した60Lクラス(Mサイズ)で、14,000円前後と適正な価格設定に引かれて、筆者は今回の旅行では「CLASSICA NEO」を試してみようと考えたわけです。
「CLASSICA NEO」を実際に使ってみた
出発前のパッキングだけでもクオリティの高さを感じる

内部レイアウトは非常にスタンダードで使いやすい。
今回の家族旅行は、筆者と妻、4歳と7カ月の息子の4人で中国・北京とハルビンをまわる約2週間のスケジュールです。筆者も妻も片手にキャリーケース、もう片方に子どもで両手が塞がるので、持ち運べるキャリーケースは1人1つ、片手でなんとか取り回せる重さも考慮して、だいたい20kg以下になる60Lクラスを選択しました。
サイズは、筆者の選択したM(60L)以外にも、SS(21L)、S(40L)、L(95L)が選択できます。当然、価格もサイズによって12,000円程度から17,000円程度まで変化します。大容量のものほど価格は高いです。
また、カラーリングはブラック、グリーン、シルバー、グレー、レッド、ホワイト、シャンパンゴールド、ピンク、イエロー、ダークブルーから選択できるのですが、目立ちやすく長男の大好きなイエローを選びました。

本人の大好きなイエローを選択したため、息子も気に入っています。
実際に届いた「CLASSICA NEO」を開封して、とても安心したのは、選択したボディカラーのイエローが思った以上に発色がよく、クオリティの高さを感じさせてくれたことです。出発まで時間がなかったので、細部のチェックの前に荷物を詰め込みます。
筆者はファスナー式の旅行用圧縮バッグやガジェットケース、防水バッグなどに重要な荷物を入れて、キャリーバッグに収納した後、隙間に失ってもさほど後悔しないお菓子や食べ物、ちょっとしたお土産などを詰め込んで最終的にキャリーケースをやや強引に閉じて、荷物を詰め込むタイプです。
この作業の際に、気持ちがよかったのが、キャリーケースの角があまり丸まっておらず、デッドスペースが少なく荷物がしっかりと詰め込めること。小さなことに感じますが、パッキングの度に差を感じますし、持ち歩く際のキャリーケースの見た目にも大きく影響します。

角が角張っているだけで、確かに荷物が入れやすいのです。
荷物を詰めんだ際に「CLASSICA NEO」が気持ちよく感じたポイントは、多くのキャリーケースで中仕切りが、それぞれ片側がファスナーでフタをする構造、もう片方は長さ調整可能なバックルベルトになっていることが多く、「CLASSICA NEO」も同じです。しかし、筆者は最初の旅行で荷物を圧縮するのにバックルベルトをやや強めに引いたら、縫い目からベルトがとれたことがあります。ですが「CLASSICA NEO」はファスナーも、バックルベルトもかなりしっかりしており、使用時も安心感があります。
荷物のパッキングの最後に「CLASSICA NEO」を閉めたのですが、この際にも強化アルミフレームに2つのTSAに対応したロックで、しっかりと閉じることができるので、非常に安心感があります。
実際のところ、個人の好みですが、海外旅行の際に預け入れるキャリーケースはファスナータイプよりも「CLASSICA NEO」のようなフレームタイプのほうが安心感があって好きなのです。この点でも「CLASSICA NEO」は筆者好みといえます。
出発の空港に着く前にウキウキしてしまった
キャスターとキャリーバーが気持ちよく働いてくれる

子ども連れでキャリーケースを持ち歩くのはたいへん。
約14,000円という価格に期待した以上に気持ちよくパッキングができた「CLASSICA NEO」ですが、実際に出発地の空港に到着する前に、今回の家族旅行でこのキャリーケースを選んでよかったと痛感させられました。
単純に持ち上げる、運ぶ、引っ張るというキャリーケースの当たり前の動作が気持ちよいのです。持ち上げる際に当然、キャリーケースに装備されたハンドルを持つわけですが、このハンドルが肉厚で自動で戻るオートリターン機能付きのアルミハンドルになっています。高級感があるのはもちろん、肉厚なので重さが一点に集中せず、快適なのです。

太くて立体的なハンドルは手に優しく扱いやすいです。
さらに、筆者がいちばん気に入っているポイントは、キャスターロックを搭載したキャスターが非常にスムーズ。キャスターのスムーズさは価格次第と思っていたのですが「CLASSICA NEO」のキャスターは1万円台のキャリーケースのものとは思えないほど滑らかです。
公式WEBサイトによると、従来製品に比べて、走行性能が15%アップ、キャスターの静音性が5%向上しているといいます。なにをもってキャスターの走行性能が15%アップしたのかは不明ですが、空港の滑らかな床はもちろん、そこに着くまでの住宅地のアスファルトの上で引っ張っていても、明らかに動きが滑らかなのです。これがとても気持ちいい。
基本性能も高いが、実は「多機能なキャリーケース」
荷物掛け、スマートフォンホルダー、USBコネクタも搭載

フックは2つ付いています。
1万円台のキャリーケースとは思えないほど基本性能の高い「CLASSICA NEO」ですが、実はしっかりと最近流行の多機能キャリーケースとしての機能も備えています。それが荷物掛け、スマートフォンホルダー、USBコネクタです。
荷物掛けは、キャリーケースの底面にある脚の部分にちょっとした買い物やお土産を買った際のビニール袋などが掛けられる構造になっています。これは意外と便利。「CLASSICA NEO」は2つの脚がフックになっており、複数の荷物を掛けられるのもポイントです。
さらに、キャリーバーのハンドル部分が開く構造になっており、ここにスマートフォンなどを立てて置くことができるスタンド構造になっています。ちょっと複雑な構造なので、旅行の際に破損するのでは? とも思ったのですが、約2週間の中国旅行でも問題ありませんでした。

スマートフォンスタンドとUSBコネクタを装備。
また、キャリーケースの中にモバイルバッテリーを入れて置き、これをケーブルにつないで、キャリーケースの外側に装備されたUSBコネクタから充電が行える機能もあります。ただし、筆者は機内持ち込みサイズ以外のキャリーケースでは逆に不便なので、今回60Lクラスを選択した「CLASSICA NEO」では使いませんでした。
あとは、ドリンクホルダーがあると、ほとんどすべての機能を網羅するといった感じですが、構造が複雑になり、破損の可能性が上がるためか、ドリンクホルダーは装備されていません。これは好きずきがあるでしょう。
地獄の2週間を生き残った「CLASSICA NEO」
壊れても文句もいえないハードユースにも耐え抜いた

どうも旅行中はキャリーケースを目印に付いてきていた模様。
今回「CLASSICA NEO」を使用した約2週間の中国旅行は、かなりハードでした。新千歳空港から中国・北京、北京からハルビンは中国高速鉄道、ハルビンから成田、成田から新千歳空港というルートでした。
ルート自体には大きな問題はないのですが、中国便はキャリーケースにとってハードという点を除けばですが……。実は最大の問題は、筆者と妻、4歳の息子、さらに7カ月の次男というメンバリングでした。
7月の北京やハルビンは、昼間は軽々と30度を超える暑さ。さらに、その暑さのなかを主に地下鉄といった公共交通機関で移動しました。7カ月の次男をずっと抱っこする覚悟はしていましたが、体重約20kgの4歳の長男もギブアップ。歩いてくれないのです。

よく見ると、足がわずかに浮いているのがわかるでしょう。
さすがに20kgの4歳児を抱っこして長距離移動はできず、息子は「CLASSICA NEO」に覆いかぶさって、足だけを浮かせてキャリーケースで移動することもしばしば。安全面からも、使用基準的にも問題はあるのですが、それでもスムーズに動いてくれた「CLASSICA NEO」には感謝しかありません。
また、預け入れ荷物として輸送したので、それなりに乱暴に扱われたはずの「CLASSICA NEO」ですが、数カ所黒っぽくなった傷はありましたが、イエローボディに艶なども保っており、この点も期待以上の結果といえます。基本性能が高く、多機能でコストパフォーマンスの高い「CLASSICA NEO」は非常におすすめのキャリーケースといえます。ぜひ、実際に使っていただきたい。
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