自分で言うのもなんですが、若さには自信を持っていました。それだけに、緑内障のことは盲点でした。今は日頃から目のケアを心がけています。お風呂上がりに適温のシャワーで目を温めたり、両手をこすり合わせて温めてから、そっと目に当てたり……。【体験談】生島ヒロシ(フリーアナウンサー)
プロフィール
生島ヒロシ(いくしま・ひろし)
フリーアナウンサー。1950年、宮城県気仙沼市生まれ。75年カルフォルニア州立大学ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業。76年TBS入社。ラジオ番組を振出しにアナウンサーとして活躍。89年の独立後、ファイナンシャルプランナー、防災士、ヘルスケアアドバイザーなどの資格を取得しているほか、東北福祉大学客員教授、みやぎ絆大使等。現在、TBSラジオ系「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」など多数出演。
突然の手術宣告にただびっくり
「生島さん、右目の眼圧がすごく上がっていますよ」こう言われて仰天したのは2018年の1月。韓国を旅行し、帰国後に行った眼科の定期検査でのことです。
もともと数年前に、眼圧が高いと指摘され、上昇を防ぐ目薬を処方されていました。この目薬は1日1回、毎日ささなければなりません。ところが、忙しさに紛れて忘れることも、正直なところけっこうありました。
生来の性格が、よくいえば「良い加減」、悪くいえば「イイカゲン」なので、細かいことはあまり気にせず、うっかりしてしまうんですね。韓国旅行にも、目薬は持参しましたが、さしたりささなかったりでした。
それがよくなかったのか、右目の眼圧が30mmHg超まで上がっていました(眼圧の正常値は10 ~21mmHg)。左右一方ずつ視野を確かめると、確かに右はやや視野が狭く、左目だと問題なく見える天井あたりが黒ずんで見えました。
「これは手術しないとダメだ」と言われて、またびっくり!信頼している先生なので、すぐ「わかりました」と答えましたが、内心ではかなりうろたえていました。
そんな思いが伝わったのか、手術に当たっては、緑内障のスペシャリストの先生を紹介していただきました。
それで、ひとまず安心したものの、周囲から「手術後は眼帯が1週間取れない」といわれて、テレビのスケジュール調整に苦労したり、「万が一、失明したらどうしよう」と不安になったり……。やはり落ち着きませんでした。
ところが、いざ手術を受けてみると、あっけないほど簡単でした。術式にもよるのでしょうが、日帰り手術で、かかった時間は2時間ほど。正味は15分程度だったと思います。
局所麻酔を使うので、痛みもまったくありません。全身麻酔と違って意識があり、目は開けたままですから「目に迫るメスが見えてしまうのかな」という恐怖がありましたが、それは見えなくてホッとしました。
眼帯は、翌日いっぱいしていただけで、思ったより早く取れました。手術した右目は、しばらく充血していましたが、それも軽くて済み、テレビ出演にも大きな影響はなし。金曜日に手術を受け、日曜日にはもう通常の仕事に戻れました。
寝るときだけは、無意識に引っかいたりしないように、3〜4日間、プロテクターをしていました。それ以外は、お風呂も普通どおりでいいと言われて拍子抜けするほど。逆に自分で用心して、しばらくは洗髪のときにゴーグルをしていました。
若さに自信があるゆえの盲点だった
術後の見え方は、術後に右目だけで見てみると、前は黒かった部分がグレーになっているような気がしました。
白内障の場合は、手術後は一気に視界がクリアになるそうですが、緑内障では進行防止が目的なので、そういう視界の劇的な変化はありません。しかし、眼圧は劇的に下がりました。最近は6mmHg程度でしょうか。
皆さんの中に、もし今、手術を勧められながらも迷っている人がおられたら、「お受けになったほうがいいですよ」と伝えたいですね。確実に眼圧を下げることができますから。ただ、手術に実績のある病院や医師を探して受けるほうがいいでしょう。
今は、3ヵ月に1度の定期検査を欠かさず受けていますが、手術した右目も、左目も問題ないと言われています。
64歳のときにライザップで若々しい体を手に入れ、68歳の今も、血圧、血糖値、コレステロールなどは異常なし。最近、前立腺肥大症の薬を飲み始めたものの、自分で言うのもなんですが、若さには自信を持っていました。それだけに、緑内障のことは盲点でした。
今は、日頃から目のケアを心がけています。お風呂上がりに、適温のシャワーで目を温めたり、両手をこすり合わせて温めてから、そっと目に当てたり……。目線を上下左右に動かす眼球体操もやっています。
仕事柄、長時間、新聞を読んだり、インターネットやスマホを見たりすることも多いのですが、最近は、それらもほどほどにするよう努めています。
これからも、加齢に負けず粘り強く心身の若さを保ち、元気にやっていきたいと思います。
《生島さんが心がける目のケア》
●目を温める
お風呂上がりにシャワーで目を温めたり、両手をこすりあわせて温めてから目に当てたりしています。目の手当てはどこでもできるので、ラジオの収録中などでも行っています。
●目のストレッチを行う
目が疲れたときなどに、眼球を上下左右に動かす目のストレッチを行っています。
●目を酷使しすぎないようにする
仕事柄どうしても新聞を読んだり、インターネットやスマートフォンに向かったりする時間も多いのですが、それもほどほどにしています。