Windowsパソコンの画面の文字が小さくて読みにくいときは、ディスプレイの解像度やフォント(文字)の表示サイズを変えることができる。さらに、Windows10やWindows11には表示そのものを拡大する機能が用意されている。設定変更は簡単なので覚えておくと便利だ。
ここではWindows11の画面で説明しているが、Windows10でも同じように設定できる。ただし、メニュー表示やボタンの位置が異なるので使用しているOSに合わせて操作してほしい。
※最終更新:2024年6月14日
※この記事の画面は、Microsoft Windows 11 Homeを使用しています。バージョンや設定によって表示内容が異なることがあります。
解像度ではなく画面の表示サイズを変える
パソコンの画面に表示される文字が小さくて読みにくい場合、ディスプレイ自体の解像度を変えたり、文字が大きくなるように設定する方法がある。この記事の後半でこれらの方法も紹介しているが、画面がぼやけたり効果が限定的だったりする。
Windows11やWindows10には、解像度を変えるのではなく表示そのものを拡大する機能が用意されている。設定方法は以下のとおり。ただし、あまり拡大すると表示される内容が減るので、自分が使いやすい倍率を探しながら段階的に試すといい。
これは、筆者が普段、原稿執筆に使っている画面サイズ。解像度は1920×1080で、縦方向はA4サイズの文書を8割くらい表示できる。
画面の表示サイズを変えるには、画面下部の中央左にある「スタート」ボタンを押して「設定」を選ぶ。この画面は人によって表示される内容が異なるので、歯車のアイコンを探そう。
「設定」の「ホーム」画面が開くので「システム」を押す。
続いて「ディスプレイ」を押す。
「ディスプレイ」の設定画面が開いたら、「拡大縮小とレイアウト」欄の「縮小/拡大」で好みのサイズを選ぶ。まずは、125%にしてみよう。
画面サイズを選ぶと、即座に拡大表示される。このスクリーンショットでは分かりにくいかもしれないが、モニターの物理的な大きさは変わっていない。そのため、最初の画面と比べると文字が大きく読みやすくなっている。希望に合わなかったら、同じ操作で100%に戻すか、他のサイズを選びなおせばいい。
Wordの画面は、このような状態になった。A4サイズの文書表示が半分くらいに減っている。
続いて、同じ操作で150%を選んでみよう。「ディスプレイ」の設定画面で「拡大縮小とレイアウト」を150%にする。
今度も、即座に拡大表示された。見てのとおり、設定画面だけでモニター画面をほぼ占めるくらい大きくなっている。
Wordの画面を見ると、表示されている文字の量が3分の1くらいに減った。しかし、文字がとても大きくて読みやすい。150%に拡大すると書体の特徴も判別できる。見出しと本文でフォントを変えているような場合、このくらい拡大すると違いが分かりやすい。
表示サイズではなく、ディスプレイの解像度を変更する
表示サイズを拡大するのではなく、ディスプレイの解像度を変えることで実質的に文字などを大きく表示することもできる。
「スタート」ボタン→「設定」→「システム」で「ディスプレイ」の設定画面を開くところまでは同じだ。
「ディスプレイの解像度」欄で希望の解像度を選ぶ。
すぐに変更が反映されて、この画面が出る。これでよければ「変更の維持」を押す。よくなければ「元に戻す」を押せばいい。どちらも押さないと15秒で元の設定に戻る。
推奨解像度が1920×1080のディスプレイで1280×960に設定してみた。縦横比が合わないため、実際の画面では左右が黒い(何も表示されていない)状態になる。
設定画面を閉じてWordの画面だけにした。モニター推奨の解像度と設定した解像度が合わないため少しぼやけているが、文字の判読には支障がないレベルではある。
文字を読みやすくしたい場合は、解像度を変えるより画面表示を拡大する方がいいだろう。しかし、解像度の変更機能にも意味がある。
たとえば、使用中のパソコンを外部モニターやプロジェクターに接続した場合、普通は自動的に接続した機器の解像度に合うよう調整される。しかし、その調整が上手くいかなかったときは、この方法を使って手動で機器に合った解像度に設定できる。
あるいは、いつも使っているディスプレイの解像度とは異なる解像度でスクリーンショット(画面キャプチャー)を撮りたいときにも役立つ。
たとえば、アプリの操作マニュアルを作るとき、人によって使っているパソコンの画面解像度が違う。そのため、そのアプリの最低解像度に固定してスクリーンショットを撮るといい。
テキストのサイズを変える方法
冒頭にも書いたように、Windows 11とWindows 10にはテキストのサイズを変える機能もある。その方法も紹介しておこう。以下の操作手順と画面はWindows 11のものだ。
「スタート」→「設定」→「ホーム」の画面を開いて「アクセシビリティ」を押す。
「アクセシビリティ」の画面の一番上にある「テキストのサイズ」を押す。
次の画面でスライダーを動かすとテキストのサイズを変えることができる。ここでは150%にしてみた。スライダーの上のプレビューで文字サイズの変化を確認できる。
スライダーの右の「適用」を押すと、少し間をおいてWindowsが管理している文字のサイズが拡大される。分かりやすいのは、アイコンの名称やエクスプローラーの表示で、明らかに文字が大きくなって見やすくなる。
ここでは一例として、「スタート」メニューを比べてみよう。上が100%表示で、下が150%表示だ。拡大したことで、表示される情報が一部減っている。
この設定を行うと、アプリ画面の文字表示も大きくなるとされている。しかし実際には、上部メニューの文字が大きくなるだけだ。Wordの画面を見ると、本文の文字サイズは変わっていない。しかも、メニューの文字が大きくなった分、スペースに収まらず操作が分かりにくいところもある。
文字を読みやすくするためにテキストのサイズを変えるのは、あまり現実的ではないだろう。
まとめ
パソコンのモニターに表示される文字を大きくする方法を3つ紹介した。
スマホやタブレットと違って、パソコンは長時間、画面に向かって作業することが多い。しかも、細かな文字や数字を読んだり入力したりするケースも少なくない。
ディスプレイの設定変更は手軽にできて、元に戻すのも簡単だ。見づらいときは我慢しないで設定を変えてみよう。特に、老眼鏡を必要とする世代には、ありがたい機能だと思う。
あるいは、視覚に障害がある人や、少し離れた場所に置かれたテレビをモニター代わりにパソコン操作をするような場合にも役立つだろう。