今回テストを行ったキヤノンの「EOS Kiss X10」は、”世界最軽量”の可動式モニター搭載のデジタル一眼レフ。基本的にはX9を踏襲するが、ライブビュー撮影時のAF性能が向上。有効約2410万画素センサーと、最新世代エンジン(DIGIC8)の組み合わせで高品位な静止画や4K動画撮影が楽しめるエントリー機となっている。
今回のテストアイテムはこちらキヤノンEOS Kiss X10
実売価格例:12万6900円(ダブルズームキット)
●プロフィール
可動式モニターを搭載するデジタル一眼レフで”世界最軽量”となる、軽快なAPS-Cサイズ機。有効約2410万画素センサーと、最新世代エンジンの組み合わせで、上位機に迫る高画質を実現。4K動画撮影にも対応する。
SPEC
●撮像画面サイズ/約22.3mm×14.9mm●撮像素子/CMOS・有効約2410万画素●レンズマウント/キヤノンEF●記録画素数/最大6000×4000●ISO感度/100〜5万1200●モニター/3型ワイド(約104万ドット)●記録メディア/SDXC/SDHC/SD(UHS-Iカード対応)●電源/専用バッテリー●サイズ/幅122.4mm×高さ92.6mm×奥行き69.8mm●重量/449g(ブラック)●キットレンズ/EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM、EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
■バリアングル方式の液晶モニター
モニターの可動方式は、縦位置や自分撮りにも対応できる、バリアングル方式。機動力の高さが魅力だ。
■最新デバイスが高画質を生み出す
約2410万画素CMOSセンサー、DIGIC8、「デジタルレンズオプティマイザ」といった最新のデバイスや機能が、高画質を生み出す。
装着レンズに最適化された撮影が可能
キヤノンのEOS Kissシリーズは、エントリークラス一眼レフの代表的なブランド。このX10は、X9の後継モデルである。
ボディサイズはX9と同じで、重量はX9よりも4~5グラムくらい軽く(ボディカラーで微妙に異なる)、可動式モニター搭載のデジタル一眼レフで”世界最軽量”をうたう。外観を見ただけでは、X9との違いを感じることはないだろうが、実際にX10を手にすると、「確かに軽い!」と感心する。
基本機能や仕様の多くはX9を踏襲するが、画質に関する部分で進化が見られる。CMOSセンサーの有効画素数は大差ないが、画像処理エンジン(映像エンジン)は、DIGIC6から、最新のDIGIC8になった。
これによって、階調や色再現性がさらに向上。また、レンズの収差などを補正する「デジタルレンズオプティマイザ」も、カメラ内に搭載された(一度にカメラ内に登録できるレンズは最大3本)。これにより、装着レンズに最適化された高画質な撮影が可能になる。
そして、ライブビュー撮影時のAF性能も向上。キヤノン独自の「デュアルピクセルCMOS AF」が進化し、測距エリアが拡大された(対応レンズ装着時、撮像面の縦約100%×横約88%)。
タッチAFやタッチシャッターは快適
実際に使用してみると、タッチAFもタッチシャッターも実に快適。さらには、サーボAF/動画サーボAF設定時でも、被写体の瞳を検知してピントを合わせる「瞳AF」が機能するのもいい。
快適に操作できるエントリー機でありながら、進化したAF機能などを生かして、高品位な静止画や4K動画撮影が楽しめる。EOS Kiss X10は、そんなモデルに仕上がっている。
おすすめ度…A-
エントリー機ながら、進化したAF機能と快適な操作性で高品位に楽しめる
ココが〇
測距エリアが拡大され、ライブビュー時のAF撮影がより快適になった。映像エンジンの進化で、画質や高感度性能が向上。4K動画撮影も可能。
ココが×
エントリー機としては悪くないが、ファインダー撮影時の「AF測距点・9点」や、RAW+JPEGでの「連続撮影可能枚数・約9枚」は物足りない。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/吉森信哉 (フォトグラファー)