音楽はもちろん、パーソナリティの喋りが楽しいトーク番組や、学習に役立つ語学番組など、ラジオ放送には録音して残しておきたい番組もたくさん。簡単・確実に狙った番組を録音できる、「ラジオ録音」に役立つ製品を紹介しよう。
radikoは便利だが「残せない」
「このラジオ番組、残しておきたい」というシーンは誰にでもあるだろう。毎週、同じ番組を愛聴しているような人ならなおさらだ。
いまは、スマホやパソコンを使い、インターネットでラジオ番組が聴けるradiko.jpがあり、聴き逃した番組も「タイムフリー」で聴くことができる。
ただ、さかのぼって聴けるのは過去一週間分で、また再生時間にも制限があるので、いつまでも、何度も聴き返せるわけではない。
また、録音機能も用意されていないので、ラジオを簡単に録音して残しておくには、他の機器を使うほうがいい。
特に、専用の機器を用意しなくとも、手元の意外な機器でラジオの受信や録音ができる場合もある。ただ、ラジオ録音に特化していないため、タイマーを使った予約録音機能は用意されてなかったり、あまり使いやすいものではないことが多い。
例えば、下のソニーのICレコーダー「ICD-PX470F」は単体でFMラジオの受信や録音が可能だが、予約録音機能は非搭載なので、番組が始まるのを待って手動で録音する必要がある。
ICレコーダー
ICD-PX470F
予約録音でお気に入り番組を毎週、確実に録り貯められる
ラジオの録音を主な目的とした「ラジオレコーダー」などと呼ばれる機器は、ラジオ番組を撮りためるための便利な機能が用意されている。
まずは、自動的に番組を録れる、予約録音だ。
手動で操作する必要がなく、留守中や深夜・早朝でも確実に録音できる。
時間指定はもちろん、曜日と時間を設定して毎週同じ番組を自動的に録り貯めていく、といったことができる製品も多い。
ラジオレコーダーは、基本的には据え置きで使い、必要に応じて持ち出せる、といった性格の機器なので、大型のアンテナを備え、外部AM/FMアンテナをつなぐ端子も用意されている。
そのため、屋内であっても、安定して受信することが可能だ。
現在は、FM周波数帯でAM番組を聴ける「ワイドFM」(FM補完放送)対応製品が増えており、ノイズが目立ちがちだったAMラジオ番組を、クリアに楽しめるようになっている。
録音されたラジオ番組は、MP3など一般的な音楽ファイル形式で保存されるので、メモリーカードを使ってパソコンに取り込んだり、さらにスマホへ転送するといったこともできる。
持ち歩きと確実な録音を両立!
製品によっては、本体は持ち運べるようコンパクトだが、録音する自宅ではスピーカーやアンテナを内蔵したクレードル形充電台にセットして受信感度を上げられ、確実に録音できる、といったコンセプトのものもある。
このタイプは、本体を持ち出して屋外で簡単に聴けるので、夜に録音した番組を通勤中に聞きたい、と言ったときにも便利だろう。
ラジオレコーダー的に使える多機能ラジカセも
CDやラジオなど、さまざまな機能がスピーカーとともに一体化された、いわゆるラジカセタイプでも、最近はメモリーカードやUSBメモリーへの録音ができる製品が増えている。
製品によって具体的な機能が異なるので確認が必要だが、ラジオ録音に力が入っている製品だと、ラジオサーバーと同様の予約録音機能が用意されている。
ラジカセも、大型アンテナや外部アンテナが使え、ポータブル機に比べると安定して受信できるので、こちらを選ぶのもお勧めだ。
CDも聴きたい、調子の悪いカセットテープデッキを買い替えたい、というときにもよいだろう。
おすすめのラジオレコーダー
ソニー SONY
ポータブルラジオレコーダー
ICZ-R260TV
スピーカーを内蔵し、据え置きでの使用スタイルが基本だが、バッテリーも内蔵していて、持ち出すことも可能なラジオレコーダー。
AM/FMに加え、ワンセグTV音声も録音できるのが特徴。もちろんワイドFM放送にも対応。予約録音件数は最大20件。本体内蔵メモリ容量は16GBで、SDHCカードスロットを備えているので別売メモリーカードでの拡張もできる。
ポータブルラジオレコーダー
ICZ-R260TV
パナソニック
ラジオレコーダー
RF-DR100-W
最大20件の予約録音が可能な据え置きタイプのラジオレコーダー。
回転させて最適な受信状態を探れる大型AMジャイロアンテナを搭載し、受信感度に優れている。ACアダプタに加え、単2形乾電池で動作することも特徴。内蔵メモリ容量は4GBで、SDHCカードスロットも搭載。カラーは他にコーラルオレンジも用意されていたが、両色とも生産完了品につき流通在庫のみとなっている。
ラジオレコーダー
RF-DR100-W
ソニー SONY
ポータブルラジオICレコーダー
ICZ-R110
小型で日常的にも持ち運びしやすい本体と、AM/FMアンテナがつながり受信感度がアップできるスピーカー内蔵クレードルがセットとなったラジオレコーダー。
予約録音は最大20件で、自宅ではクレードル上で録音し、そのまま本体を持ち出して屋外で聴いたり、出先でICレコーダーとして会議の録音に使うといったことができる。本体内蔵メモリは16GBで、microSDHCスロットも用意されている。
なお旧製品のICZ-R100は内蔵メモリ容量8GB、ワイドFM非対応以外の機能はほぼ同じなので、大幅に安価ならそちらを選ぶのもよいだろう。
ポータブルラジオICレコーダー
ICZ-R110
東芝
Aurex
TY-AK1
CDやラジオに加えてカセットテープデッキも搭載する現代のラジカセ。
SDカードスロットとUSB端子を備え、メモリーカードやUSBメモリにラジオ録音やカセットテープからのダビングが可能。また録音ファイルを高音質化して再生する機能も用意されている。予約録音は最大10件。
なお、カセット機能が不要なら、代わりにBluetoothスピーカー機能を搭載した「TY-AH1」も用意されている。
ハイレゾ対応SD/USB/CDラジカセ Aurex
TY-AK1
ソニー SONY
CDラジオ
ZS-RS81BT
大型ハンドルを備え、手軽に移動させられる一体型のCDラジオ。
単2形乾電池にも対応。内蔵メモリは非搭載だが、SDカードスロットとUSB端子を備え、メモリーカードやUSBメモリにラジオ放送やCDから録音できる。予約録画は最大10件。Bluetooth受信機能も搭載しており、スマホやパソコンの音楽を楽しむためのBluetoothスピーカーとしても活用可能だ。
CDラジオ
ZS-RS81BT
まとめ
ラジオレコーダーは予約録音機能を搭載し、状況を問わず確実に狙った番組を録音できる。
毎週・毎日同じ番組を繰り返し録る、といった機能も用意され便利。ラジオ受信・録音が目的のため、大型アンテナや外部アンテナで受信感度も高い。CDやカセットテープデッキが一体化されたラジカセでも、ラジオレコーダー的に使える多機能タイプもある。
◆大坪知樹
オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。