Oculus Questの特徴は「現実世界を極限まで遠ざけた点」にある。レンズを通して眺めながら、動ける場所をトラッキングすると、そこが擬似的な檻で囲まれた空間になる。その中で動く限りは、現実世界と完全に遮断される。コードもなく、動きは制約されない。この没入感は、VRとして究極といえるものである。
今回のスゴ腕家電ファイルは
オキュラス Oculus Quest
「しまった!」金田一耕助のように思わず駆け出し、そのまま飲み屋に駆け込み、勢いよく話したくなる!そんな事件な製品を毎月ファイリング。その事件性を“スゴ腕”家電探偵こと滝田勝紀が丹念に捜査して暴く!
解説者のプロフィール
滝田勝紀(たきた・まさき)
クリエイティブ・エディター&プロデューサーで、家電スペシャリストとして「All About」の家電ガイドを務める。30代男性向けのオフを充実させる電子雑誌『ds』編集長に就任。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。
今回の事件家電ファイル
オキュラス Oculus Quest
VRボクサーと壮絶な打ち合い!息が上がるほど、究極の没入感!
Oculus Questの詳細は別記事:「ザ・名機ベストバイ」をご覧いただくとして、ここでは、本機の“事件性”について語ろう。
本機のいちばんの事件は、現実世界を極限まで遠ざけた点だ。
レンズを通して眺めながら、動ける場所をトラッキングすると、そこが擬似的な檻で囲まれた空間になる。その中で動く限りは、現実世界と完全に遮断される。
コードもなく、動きは制約されない。コントローラーの反応にも遅延はなく、完全な同一化だ。
今回、ボクシングの「Creed:Rise to Glory」をプレーしてみた。アメリカ国旗のボクサーパンツを履いてリング内にいる。アポロの息子、アドニス・クリードだ。周囲を観客が囲み、屈強なボクサーと対峙する。
ゴングとともに拳闘開始。いきなり右フックをお見舞いされる。痛みはないが、恐怖心は十分に植えつけられた。油断したらやられる。すごいプレッシャーだ。3分間の壮絶な打ち合い。こちらも1回ダウンするが、2回のダウンを奪う。
息が苦しい。明らかに後半はパンチの数が減り、速度も落ちた。ただ、キャラクターの動きに遅延はなく、プレー中、現実世界に引き戻されることもなかった。
1ラウンドで個人的にドクターストップ。ゲームの世界ではクリードでも、現実は、運動不足の中年男性だった。息が上がってしゃべれない。
その後、腕が筋肉痛になったことも付記しておこう。だが、この没入感は、VRとして究極といえるものである。
ココが事件だ!
擬似的な檻に入ることでゲームが安心して楽しめる
ココが事件だ!
ゲームは「スターウォーズ」ほか全50作品程度が販売中
ココが事件だ!
セットアップはとにかく簡単でプレー場所も選ばない
※価格は記事作成時のものです。
解説/滝田勝紀
クリエイティブ・エディター&プロデューサーで、家電スペシャリストとして「All About」の家電ガイドを務める。30代男性向けのオフを充実させる電子雑誌『ds』編集長に就任。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。