今回のテーマは「お客様サービス」。側面から製品を支える一見地味な仕事ですが、この仕事が事業継続の成否を分けることも…新しく海外から参入するメーカーもそれは同じ。自国で行なっているサービスをそのまま展開しているところもあれば、日本に合わせたサービスに変更することもあります。ちょっと覗いてみましょう。

お客様コールセンターの役目

日本人は「取説」を読まない!

まずは一般的なお話し。製品サービスは、お客様コールセンターから始まります。これだけネットが発達した現代でも、電話が主力です。

画像: 日本人は「取説」を読まない!

ユーザーからの電話は、切迫している時が多く、要領を得ないことも多いです。ユーザーは技術用語など知りませんから、感覚的に話します。

意外と多いのが、「使えない。」と言うクレーム。これは日本人の多くがマニュアルを読まないことに起因します。が、「わかりません」と言うユーザーに「マニュアルを読んでくださいね。」と言っても事は解決しません。丁寧に使い方を説明します。ところが、それで終わらない場合も。多くの場合、ベテランの出番です。

このため、お客様コールセンターは、多くの派遣社員と少数のベテラン社員からなります。派遣社員が多く採用している理由は、ズバリ「ストレスが高いから」です。3ヵ月位でいっぱい、いっぱいになる人さえいます。派遣だと、職種を簡単に変えられることが多いからです。

故障の対応は大型家電と小型家電で異なる

さて、故障ということが分かると、小さな家電は送ってもらいます。大きな家電だと、出張対応になります。

大きな家電で、出張するのはメーカーから委託された町の電気屋さんです。私が知っている人の中には、メーカー3社、大手量販店からも依頼されている人がいます。評判がいいのです。アポどりも、早いし、何よりも決めた時間内で対応するので、約束違えをしません。

小さな家電は、メーカーの修理部門に回され対応します。トラブルが多いのは、むしろこちらでしょうか。
小型家電は、中国メーカー委託生産が多いので、品質が下がっている場合があるからです。特に見た目の品質の差は大きいです。

海外メーカーの対応は?

さて、海外メーカーのコールセンター事情はどうでしょう。
自国で行なっているサービスをそのまま展開しているところもあれば、日本に合わせたサービスに方向転換することもあります。いくつかの海外メーカーのサポートをちょっと覗いてみましょう。

TCLの場合(テレビ)

TCLは世界第2位のシェアのテレビメーカー。先日、新製品の発表会がありましたが、国内販売しても、問題ないサービス体制を取っているとのトークがありました。

これはTCLが、それなりの量を販売する意志があるためだと思います。TCLが日本に乗り込んできたのは、実は2015年。世界第2位メーカーが、日本に、商品、販売、サービスを合わせるのに、4年かかったとも言えます。

口ぶりからすると、日本メーカーに学んだんだと思います。それにテレビはデジタル化が進んでますから、修理方法もほとんど変わりません。

こうして整えた販売、サービス体制の上に、高性能で安い製品を市場に送り込むわけです。ターゲットは若者。ブランドチェンジがし易い層です。

ちなみに、同様のことは、世界No.1シェアの中国のハイセンスにも言えます。

ミーレの場合(ビルトイン ドラム式洗濯、食洗機)

出張対応が基本となるビルトイン家電の場合は、どうしているのでしょうか?ミーレを見てみましょう。

ミーレでは、コールセンターが、まず受けた電話を大別します。
この時、使い方の質問もかなりあるということです。例えば、ミーレの洗濯機に「標準コース」は付いていません。このため「コットン」「40℃」ように、きちんと設定してやることが必要です。(このあたりが、海外メーカーが使い難いとされる理由かも知れません。)

さて、故障の場合、コールセンターから連絡を受けた係員が、お客様へ連絡。訪問日を決めます。

ここで基本の考え方は、
・連絡を受けてから3日以内に対応する。
・1回で故障箇所を直す
という2つの点です。3日と言うと長い様な気がしますが、冷蔵庫、エアコンといった故障すると直ちに困る家電と違い、洗濯機、食洗機はまだ余裕がありますからね。実際、日数に対してのトラブルはないと聞いています。

修理当日、担当者は大型のバンでお客様の家に行きます。1回で直すわけですので、バンの中は、数台分の全パーツでギッシリ。

そして、現場に着くとまず行うのが、故障した製品のログ取りです。故障する直前の記録はもちろんのこと、何時間使われてきたかなど、家電に記録された情報を読み取ります。これは医療機器など、使えないことがあってはならない機器に使われるシステムです。この情報と、実際の故障箇所を見て修理するそうです。よほどのことがない限り、1時間以内に修理できるそうです。

そして帰りには、「簡易マニュアル」をお渡しするそうです。やはり、ちゃんと使ってもらえないとトラブルは発生しやすいのです。

こう書くと「疾風のように現れて、疾風のように去って行く」感じですが、大型のバンですから宅配便のように、家の前に止めるわけには行きません。パーツ運びも含め、近くの駐車場からエッチらオッチら。暑い夏などはかなりの重労働でしょうね。

ティファールの場合(衣類スチーマー、アイロン、電気圧力鍋、小型調理家電)

フランスの小型家電ティファール(ティファール(T-fal)はブランド名。社名は、グループ・セブ。)は、最近新しいサービスを始めました。

ティファールの家電は小型なので、ユーザーから故障品を送ってもらい、修理。また送って使ってもらうのが流れなのですが、これに加え、今は千葉にある修理センターだけですが、「目の前で修理するサービス」を加えました。いわゆるユーザー持ち込みです。

かかる時間は、基本1時間。支払いは現金でとなりますが、それよりも、従業員の質を上げないと接客などはできませんからね。しかし故障から、いろいろな情報が取れるのも事実。お客様と双方理解できるまで話せると開発に役立つ情報を手に入れることができます。

最近は、日本メーカーでもみないスタイルですが、新しい試みとして、9月より実施されています。

fitbitの場合(健康ログをベースとしたスマートウォッチ)

最後はスマートウォッチのfitbit。本当に小さな家電で、ビスも露出していないので、どう開ければ良いのかが分からない家電となります。

fitbitの対応は、1年以内(保証期間内)は新品との交換です。基盤なども小さくていじりようがありませんので、新品を渡す方が安くつきます。

では、1年以降は、どうするのかと言うと、いくつかのパターンがあるらしいのですが、同じものを破格値で売ってくれるパターンもあるそうです。

いずれの場合にも、個別修理はしません。
回収した故障品は、どこが悪いのかというチェックを行い、開発製造にフィードバック。あとはパーツにバラし、再利用もしくは再加工するそうです。

これまで上げたメーカーの中で、最もドライというか、まさに今ドキの方法ですね。

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