家電量販店にはたくさんの電気ストーブが並んでいます。値段は数千円から数万円。いったい何が違うの? そんな風に思いますよね。実際、店頭で迷ってしまい決められないお客様がたくさんいます。そこで今回は、電気ストーブとセラミックファンヒーターの違い、種類と選ぶポイント、おすすめ機種を紹介します。

電気ストーブとセラミックファンヒーターの違い

セラミックファンヒーターとは

電気ストーブに似た製品として、セラミックファンヒーター(電気ファンヒーター)があります。
暖房器具の中では、かなり近い製品だと思いますが、分けて考えましょう。

セラミックファンヒーターは、中に熱源があって、その熱源にファン(扇風機状の装置)で風をあてて暖かい空気を送り出します。実際、温風が出てきます。
それでいて、熱源は外から見えないし触ることもできないので安全性が高い暖房器具です。

電気ストーブとは

一方、電気ストーブはヒーター管と呼ばれる熱源が見えています。
縦または横に2~3本のヒーター管が並んでいるのが一般的です。このヒーター管の中にニクロム線などの熱源が入っていて、電気が通ると発熱します。
その熱と、発熱に伴って飛び出す遠赤外線を体に受けることによって暖かさを感じます。

電気ストーブで、部屋の温度は上がらない。

電気ストーブも熱を出しますが、この熱で部屋の温度はほとんど上がりません。
少しずつは上がるのですが、他の暖房器具のように空気を暖めるための器具ではないのです。むしろ、遠赤外線によって人が体の中から暖かさを感じる、電気ストーブはそういったものです。

そして、一般的には、値段が高い電気ストーブほど遠赤外線をたくさん出します。また、遠赤外線が遠くまで届きます。具体的には、ヒーター管の構造や材質が工夫されていて、その材質によってカーボンヒーターやシーズヒーターなどに分類されています。

いずれにしても、他の暖房器具が使えないからといって、電気ストーブで部屋を暖めようとするのは無理があります。
お風呂に入る前に洗面脱衣室を暖めるといった用途にも向きません。部屋の温度を上げたいなら、セラミックファンヒーターの方をお勧めします。

まずは、消費電力で分けてみよう。

さて、売り場にはさまざまな電気ストーブが並んでいて目移りしますが、まずは消費電力に注目してみましょう。基本的には、消費電力が多いほど暖かさも強くなります。

小型のタイプだと、消費電力が600Wや800Wといった製品があります。
これらはヒーター管が2本で、600Wのものは1本300W、800Wのものは1本400Wです。そして、弱にすると1本だけついて、強にすると2本ともつきます。
つまり、最大消費電力が600Wの機種を弱で使ったときは消費電力が300W、強で使うと600Wというシンプルなしくみです。

画像1: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
アイリスオーヤマ 
電気ストーブ 400W/800W
EHT-800WEHT-800W
400Wのヒーター管が2本で最大消費電力が800Wの小型電気ストーブ。足もとに置くのに最適。

同様に、300W管を3本使って最大900Wという製品があります。この場合、弱、中、強と選ぶことができて、それぞれの消費電力は、300W、600W、900Wです。中には、最大1050Wという製品もありますが、この場合は350W×3本です。

ただし、上位モデルになると、ヒーター管が1~2本で、ダイヤルを回して出力(ワット数)を変えられる機種があります。この場合は、本体の液晶画面にワット数が表示されます。

画像2: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
コロナ 
遠赤外線電気ストーブ
DH-91RA(W)
縦長の遠赤外線電気ストーブ「コアヒートスリム」。上部のダイヤルで出力を選ぶことができる。これは、Ecoモードを搭載した上位モデル。

皆さんが気になる電気代の目安。

お客様から「電気代はどのくらいかかるの?」と質問されることが多いのですが、実は正確に答えるのは困難です。
というのも、電気の契約にはたくさんの種類があって、たとえば昼間は割高だけど夜間はグッと安くなる契約もあります。そうすると、同じ器具でも使う時間によって電気代が変わります。

そうは言っても、お客様としては目安がほしいもの。
そこで通常は、東京電力管内の一般家庭で多く使われている従量電灯Bという契約に基づいて計算した金額を答えます。ただしこれも、電気の使用量によって金額が変わります。
ザックリとした目安ですが、月の電気代が5000~6000円の場合と、8000円を超えている場合では1kWhあたりの単価が違うのです。

とはいえ、一般的な家庭で冬場の電気代が8000円を下回るケースは少ないと思います。なので通常は、従量電灯Bの契約で月8000円以上払っているという想定で答えています。

では、お答えします。
1時間つけっぱなしにした場合、100Wにつき約2.7円です。300Wなら約8円、1200Wなら約32円になります。
ときどき、最大消費電力1200Wの器具で、1時間の電気代を27円としている機種がありますが、これは単価が安い料金帯と平均しているためと思われます。

電気代を聞いて、以外に安いという人もいますが、これは1時間の料金です。
強(1200W)の状態で10時間つけっぱなしにすると約320円、これを1ヶ月(30日)続けると約9600円になります。

ただし、エアコンの暖房を思い出してください。
最初は勢いよく温風が出ますが、設定した温度まで上がると休んでいます。そして、その間は消費電力が下がります。
電気ストーブだと手動で強弱を切り替える必要がありますが、上位機種やセラミックファンヒーターだとエアコンと同じように自動的に運転を休むことがあります。そうすると、10時間つけていたからといって単純に電気代が10倍になるわけではありません。

値段と性能に差が出るヒーター管の違い。

消費電力による違いが見えてきたら、次にヒーター管の種類に注目してください。一般に、遠赤外線をたくさん出すものほど高性能で高額です。

①石英管ヒーター

ガラス状の管の中にニクロム線を入れたもので、もっとも基本的な方式です。
値段が安いのがメリットですが、他の方式と比べると遠赤外線の量は少なめです。

画像3: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
U-ING ユーイング
石英管ヒーター
US-QSP900J-R
とにかくコスパの高さが魅力の石英管ヒーター。スチーム付きでも5000円以内で手に入る。

②カーボンヒーター

ヒーター管に炭素繊維を使っています。遠赤外線の量が多いので、体の中から温まってきます。また、起動時間が速いのも特徴です。

画像4: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
山善
遠赤外線カーボンヒーター
DC-S097(W)
このあたりが電気ストーブの定番でしょう。使い勝手と価格のバランスがいい1台。

③グラファイトヒーター

カーボンヒーターの進化版で、発熱体に黒鉛を使っています。その分、遠赤外線の量がさらに増えています。

画像5: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
アラジン
遠赤グラファイトヒーター
AEH-G105N-W
このあたりの製品になると遠赤外線効果をアピールした機種が多い。グラファイトヒーターは起動も速い。

④シーズヒーター

ニクロム線を金属の管で覆ったヒーター管を使っています。金属なので丈夫で、石英管のように割れる心配がありません。また、遠赤外線の量もカーボンヒーターを上回ります。

画像6: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
コイズミ
シーズヒーター 800/500/200W
KSS-0892/N
この機種はヒーター管が1本。しかし、200W、500W、800Wと切り替えて使用できる

⑤さらに高性能なヒーター

シーズヒーターの金属管にセラミックコーディングを施して、さらに性能を高めた機種があります。たとえば、コロナからコアヒート、エアコン大手のダイキンからセラムヒートといった製品が出ています。どちらも大柄で値段も高めですが、暖かさも群を抜いています。また、これらとは別に、起動が速いカーボン管と熱量が多いシーズ管を組み合わせた製品もあります。

画像7: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
ダイキン
遠赤外線ストーブ「セラムヒート」
ERFT11VS-W
▼人感センサー搭載▼立ち上げ時にすばやく暖める速暖モード▼本体寸法:幅342×奥行342×高さ652mm・消費電力:250~1100W

⑥ハロゲンヒーター

電気ストーブの中で、これだけ異質です。しくみとしては石英管ヒーターに近いのですが、内部の熱源がニクロム線ではなくタングステン。どちらかというと、電球に近いものです。起動が速く、見た目は暖かそうですが、暖房効果は高いほうではありません。

画像8: 【電気ストーブのおすすめ2019】種類と値段の違い 電気代の目安と消費電力、選ぶポイントはココ!
日立
電気ストーブ
HLH-HS306
カタチや使い勝手は他の電気ストーブに近いハロゲンヒーター。オレンジの光が暖かそう。

その他の機能

電気ストーブの中には、加湿機能が付いているものがあります。
冬は室内も乾燥するので、加湿機能はありがたいですね。ただ、この加湿機能は簡易的なもの。加湿器にも複数の方式があって、今は超音波式など優れた方式の製品がたくさんあります。乾燥が苦手な人は、専用の加湿器を検討するのもいいかもしれません。

デザインに関しては、大きくても小さくても消費電力が同じなら、あるいはヒーター管の方式が同じなら、暖かさに大差はありません。上位モデルの中には、扇風機のように首振りをしたり、タイマーや人感センサーが付いている製品もあります。

私(高山)が個人的に気にするのは操作スイッチの位置です。
足もとに置くことが多いので、本体の上部にスイッチがあるものを選んでいます。本体の横にスイッチがある機種もありますが、このあたりは好みが分かれるところかもしれません。

まとめ

どうでしょう、参考になりましたか。

最後にアドバイスするとしたら、「迷っているなら、買っちゃいましょ」です。
なかには、本当に長い時間、迷って迷って買わずに帰るお客様がいます。でも、電気ストーブは機能や性能の差が少ない製品ですし、どちらかといえば補助的に使う暖房器具です。迷っている時間がもったいないので、スパッと決めてしまうほうがいいんじゃないかな、と内心では思っています。

もしも購入して、期待したような暖かさを得られなかったら、同クラスの別の電気ストーブを選んでも満足していただくのは難しいでしょう。エアコンや石油ファンヒーターを含めて、家または部屋全体の暖峰計画を考え直すほうがいいと思います。

高山とほ(プロダクトライター)

約5年に渡って家電量販店の店頭に立ち、いろいろなお客様に対応した経験から「それぞれのお客様にとって最適な製品を選ぶポイントを的確に伝える」ことをモットーにしているモノ派のライター。学生時代に工業デザインを学び、日本製家電の黄金期に郷愁を感じる世代。アウトドアを好み、道具にはこだわるほう。

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