【キャッシュレス還元とは】対象期間はいつまで?上限額はある?

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「キャッシュレス・ポイント還元事業」について知っておこう。キャッシュレスで決済した利用者にはポイントまたはキャッシュが還元されるもので、還元額は中小店舗で5%、チェーンなどフランチャイズで2%だが、登録店舗でないと対象外なので注意が必要だ。

【還元制度入門編】Q1.国が行っているキャッシュレス還元って何?

正式な名称は、「キャッシュレス・ポイント還元事業」。2018年4月に発表された「2025年までにキャッシュレス決済比率を40%にする」という目標に基づき、2019年10月1日からの消費税増税に伴う消費落ち込みも勘案しながら、経済産業省主導で実施されている政府公認のポイント還元事業である。

キャッシュレス決済を導入する中小店舗には補助金が交付されるほか、キャッシュレスで決済した利用者にはポイントまたはキャッシュが還元される。還元額は中小店舗で5%チェーンなどフランチャイズで2%だが、登録店舗でないと対象外なので注意したい。

このステッカーが掲示されている店舗なら還元が受けられる。

ポイント還元制度の概要

対象になる決済方法は?
→クレジットカード、電子マネー、スマホ決済

どのくらい還元される?
→原則として購買金額の5%、フランチャイズチェーンの中小・小規模店舗の場合は2%を還元

対象となる期間は?
→2019年10月~2020年6月

【還元制度入門編】Q2.還元の対象になる決済サービスは何?

クレジットカードからデビットカード、電子マネー、スマホ決済まで、基本的にはすべてのキャッシュレス決済サービスが、2%または5%の還元対象となる。

注意が必要なのは、SuicaやPASMO(パスモ)。事前に専用のポイントサイトへの登録が必要で、対象となるICカード(モバイルSuicaを含む)で決済した買い物に対してのみ、ポイントでの還元が行われる。また、大手コンビニ(還元対象店)で買い物した場合は、ポイントサイトの登録の有無にかかわらず、即時2%の割引が行われる。このあたりは、ちょっとややこしいので、各サービスの付与ルールを把握しておきたい。

クレジットカードについて調べるなら

一般社団法人キャッシュレス推進協議会のサイト。クレカ各社の還元に関する特設ページにリンクしている。

電子マネー、スマホ決済について調べるなら

こちらからは電子マネーやスマホ決済(コード決済)のサービスを検索して、それぞれのリンクに飛ぶことが可能。

【還元制度入門編】Q3.還元はどんな方法で行われるの?

還元の方法は主に4種類ある。
後払いの請求時に還元金額を差し引いた状態で請求金額が確定されるもので、主にクレカで導入されている。

還元金額が後日、銀行口座に振り込まれるもので、こちらはデビットカードやジェイデビットが対象となる。

還元金額分がポイントとして後日付与されるもの。一部のクレカや電子マネー、スマホ決済は、この方法が中心となる。

コンビニなどの中小フランチャイズチェーン店で受けられる即時還元(実質的な値引き)。こちらはどのキャッシュレス決済を使っても還元されるが、同じコンビニでも、本社直営店の場合は還元が受けられないので注意が必要。店頭のステッカーなどで、還元の有無を確認したい。

クレカによっても還元の方法が異なる

クレジットカードでも、還元分を請求金額で相殺するものと、独自のポイントとして後日付与するものの2種類がある。自分のクレカがどちらなのか、確認しておこう。

Aカードの場合

利用月の翌月の銀行引き落とし時に相殺

Bカードの場合

利用月の翌々月に独自のポイントを付与

【還元制度入門編】Q4.還元される上限額って決まっているの?

意外と見落とされがちだが、還元される額には上限がある。「1回当たりの還元上限」と「指定期間当たりの還元上限」があり、いずれかに引っかかった段階でそれ以上の還元は行われなくなる。

「上限があるなんて窮屈じゃないか」と思われるかもしれないが、例えば、JCBカードの月間還元金額の上限1万5000円というのは、すべて5%還元の買い物を行ったとして決済金額は30万円。電子マネーの楽天Edyの1回当たりの還元の上限2500ポイントというのは、楽天Edyのチャージ金額の上限である5万円を反映しているといっていい。

一般的な買い物利用においては、よほど高額の商品をねらって購入する場合でない限り、これらの上限額に達することはないといえるだろう。また、複数のキャッシュレス決済を併用することも可能なので、使い方しだいではポイント還元事業の恩恵を最大限に受けることも可能だ。

クレカ、電子マネー、スマホ決済の還元上限額の例

種類 サービス 還元上限額
クレジットカード JCBカード 1万5000ポイント/月
クレジットカード アメリカン・エキスプレス・カード 13万5000ポイント/9カ月
電子マネー PASMO 2万ポイント/3カ月
電子マネー 楽天Edy 2500ポイント/決済
スマホ決済 PayPay 2万5000ポイント/月
スマホ決済 LINE Pay 3万ポイント/月

【還元制度入門編】Q5.還元の対象となる店舗はどうやって調べられるの?

経産省とともにこの事業を推進する一般社団法人キャッシュレス推進協議会が、還元対象となる店舗を地図上で検索できる「ポイント還元対象店舗検索アプリ」を、iPhone、Android向けに提供している。ただ、このアプリは、地図上に店名の表示がないなど、使いづらい面がある。

そこで利用したいのが、民間の事業者が提供するサービスだ。例えば、「AI Credit」というアプリでは、還元事業に対応している店舗を地図上の店名と照らし合わせながら調べることができる。

地図上で還元対象店舗を検索できる便利アプリ

AI-Credit (無料)
開発:Lier Factory CO.,LTD.

iPhone版はコチラ
Android版はコチラ

2%か5%かで絞り込めるほか、地域や駅名、店名を入力して検索することもできる。

近所のファミリーマートは2%対象店。下にある「支払いプラン」にスクロールすると、どの決済を使えばいちばん得なのかもわかる。

さらに、その店舗でどんなクレカや電子マネー、スマホ決済を使うことができるか、それぞれの決済サービスを利用したときのポイント還元率は何%かなどの情報を見ることもできるので、参考(※)になる。
※対応の決済方法などは変更になる可能性があるため、実際に利用する際は各店舗で確認が必要。

【還元制度入門編】Q6.ネット通販での買い物も還元対象になるの?

中小店舗のキャッシュレス化を推進するという還元事業の目的から、コンビニでもフランチャイズ店はポイント還元対象なのに対し、大資本が運営する直営店舗では還元が行われないのは前記事のとおり。

これはネット通販でも同様で、「Amazon」のような大手の通販サイトでは、第三者が出品を行うマーケットプレイス事業者のみがポイント還元の対象となる。

また、ネット通販での利用者が多いヨドバシカメラやビックカメラなども、今回の政府施策では中小企業からは除外されるため、ポイント還元の対象外だ。

一方、中小の事業者が出店している「楽天」「Yahoo!」といったモール型の通販サイトは基本的に5%還元の対象となる。
実際に対象の商品が5%還元に対応するかどうかは、その旨が掲示されているので、きちんと確認したうえで購入するといいだろう。

大手ネット通販各社の対応

Amazon.co.jp

対象商品
マーケットプレイスに出店している商品

決済方法
Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、Amazonポイント、Amazonギフト券、JCBのOki Dokiポイント

還元方法
決済時に5%割引

楽天市場

対象商品
「キャッシュレス5%還元対象」マークのある商品

決済方法
キャッシュレス還元事業に対応しているクレジットカード

還元方法
楽天ポイントの付与

Yahoo!ショッピング

対象商品
「キャッシュレス5%還元対象」マークのある商品

決済方法
キャッシュレス還元事業に対応しているクレジットカードまたはPayPay残高での支払い(併用可)

還元方法
PayPayボーナスライトの付与

※掲載のデータは、2019年11月中旬現在のものです。
◆解説/鈴木淳也 (ITジャーナリスト)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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