アサヒスーパードライの350ml缶に印刷されている「あるマーク」を見たことがありますか?これは、グリーンエネルギーマークというもので、グリーン電力証書を購入した「再エネ」を使って製造した商品にだけつけることができるものです。「再生可能エネルギー(再エネ)」「グリーン電力証書」という用語の解説から、環境問題に対する企業の取り組みを考えていきましょう。

ビール缶についているこのマークを知っていますか?

アサヒビールのスーパードライ350ml缶に「あるマーク」が印刷されているのをご存じでしょうか。

アルファベットの「G」の小文字の「g」の様ですが、葉っぱの様なモノが付いています。また、下の方には、アルファベットの「e」もあしらわれているようです。あまり目にしない、このマークは一体何を意味するのでしょうか?

画像: リサイクルマークの下のマークが本日のお題

リサイクルマークの下のマークが本日のお題

答えは、グリーンエネルギーマーク。

海外ではメジャーなマークですが、日本ではお馴染みとは言えませんね。これは、「グリーンエネルギー証書」により、グリーンエネルギーを購入したときに使えるマークなのです。

今の企業に必要な「環境配慮」

今の企業(特にある程度の規模の企業)に必要なことがあります。それは「社会の一員であること」です。

例えば、コンプライアンスに準拠した行動をとることがあげられますね。一個人としても、会社組織としても守らなければならないことです。
コンプライアンスとは、「法令遵守」、「企業が法律や企業倫理を遵守すること」という意味です。「ビジネスコンプライアンス」とも言いますますね。
企業は、投資をしてもらわなければなりませんし、消費者に商品を買ってもらわなければなりません。コンプライアンスを徹底することで「わが社は清廉潔白、やましいことなどない」ということを示す必要があるのです。

画像1: 今の企業に必要な「環境配慮」

それと同様に、未来へ向けて「持続可能な社会を構築すること」が重視されます。最低でも今の環境を維持することはとても重要なことといえます。

企業を取り巻く環境問題というと公害があげられますが、今、注目されているのが、温暖化現象に歯止めをかけるための二酸化炭素排出量の削減です。(二酸化炭素排出量と温暖化に関しての因果関係は、全ての人が認めているわけではありませんが…。)
温暖化が原因の異常気象ともいえる超巨大台風、モンスーン、サイクロンによる被害で、人間社会は大きなダメージを受けています。

画像2: 今の企業に必要な「環境配慮」

二酸化炭素は、人が息をするたびに出ますし、モノを燃やせば必ず出るものです。
エネルギー資源に乏しい日本において、政府は「原子力発電」を推してきましたが、3.11で福島原発事故が起こり、メルトダウンを起こしてしまいました。
それまで膨大なお金(税金を含む)を投入してきた原発ですが、福島原発の周りの人は未だに避難を余儀なくされています。
上手く行っている間はともかく、ひとたび事故が起こったら取り返しが付かなくなることを目の当たりにしたわけです。福島の前に、アメリカのスリーマイル島、ソ連(現ロシア)のチェルノブイリで事故を起こし、その悲惨さは世界に報道されたのですが、やはり対岸の火事。
福島原発が事故を起こすまで「原子力発電のデメリット」について軽視していたと思われても仕方ないでしょう。

確かに、原発は二酸化炭素ガスを出さないので、環境に優しい面を持っているのは事実ですが、当初計画の根底にあった「核燃料リサイクル計画」が頓挫した今でも、原発を推す日本政府は、よほど未来が要らない様に見えて仕方がありません。

再生可能エネルギー(再エネ)とは?

そんな中、注目されたのが「再生可能エネルギー(再エネ)」です。

再生可能エネルギー(再エネ)とは、法律において「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています。政令においては、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。

「再エネ」を利用しない企業について皆さんはどう思いますか?
「再エネを利用しません。私、二酸化炭素排出量の多い企業です。」となると、周りを考えない企業と見られて、投資も含め、援助してもらえない企業になってしまうでしょう。

再エネを使う3つの方法

企業は、できれば化石エネルギーから作った電気ではなく、再エネ電気を使いたいと考えています。選択できる方法は3つあります。

(1)再エネ自家発電設備を持つ
(2)電力会社が行っている再エネ電力を買う
(3)グリーン電力証書を買う

(1)は分かりやすい。自家発電です。
(2)はこんな感じです。電力会社は、水力、火力、原子力の3パターンの発電所を持っています。その内、水力発電の分の電気を買うのです。電気自体に情報タグを付けることはできませんが、発電量は分かりますので、その分を再エネとして売るわけです。手間が掛かりますので、若干高くなります。が、その上乗せ分は、ダムや水源の保全に使われると言うわけです。環境維持は、実に手間が掛かります。例えば、手つかずの自然を残すとして入山禁止にしたとしても、人が入らないように管理したりする必要があり、お金が掛かります。環境運動で一番の問題は資金確保。それに一役買っていると思ってください。

では、(3)は何なのでしょうか?「グリーン電力証書」とは何なのでしょうか?

(2)は電力会社が持っている再エネのことです。しかし、それ以外の「再エネ」設備は日本全国いろいろなところがあります。沖縄だと、砂糖を取るため搾ったサトウキビのカスが大量にでます。これを用いるバイオマス発電があります。
また、私の友だちにもいるのですが、山の斜面を買い太陽光パネルを並べ、売電事業をしている人もいます。こういった非電力会社の再エネに用いられているのが「グリーン電力証書」です。

画像: グリーン証書。1000kWhに達するまで、何度でも使える。

グリーン証書。1000kWhに達するまで、何度でも使える。

この証書を発効する一番大手は、日本自然エネルギー株式会社。再エネには「電力」と「熱」の2つがあるのですが、直近データーでは、電力で84%、熱では100%、この会社が証書を発行しています。
もう少し具体的に説明しますと、民間の再エネは、この会社と契約を結びます。そして売電します。その時、日本自然エネルギー株式会社は証書を発行するわけです。そうすると、電力会社の再エネ同等価格で取引されます。要するに電力会社に売電するより高値になるわけです。その分、設備メンテナンスなどにお金を費やすことができるという形です。

海外の場合、発電などは民間事業がすこぶる多い。このため、海外では(3)が普通のやり方なのです。先ほどの分け方を用いますと、(1)約19%、(2)約35%、(3)約46%となります、(2017年 RE100調べ)
企業名を上げますと、再エネ達成率は、インテルは99%、マイクロソフトは83%という様になります。

グリーンエネルギーマーク / グリーンパワーマーク

冒頭の、問いの解答です。この(3)の再エネを使っている場合、使用できるマークが「グリーンエネルギーマーク」です。

同様の意味を持つモノに、「グリーンパワーマーク」があります。双方とも、地球に負担をかけないエネルギーを使っていますというメッセージでもあります。

画像: グリーンパワーマーク。 「クリア モイスト スカルプシャンプーつめかえ用」の裏面。

グリーンパワーマーク。

「クリア モイスト スカルプシャンプーつめかえ用」の裏面。

グリーンエネルギーマークがアサヒビールの350ml缶に印刷されているということは、アサヒビールは350ml缶の製造に関しては、このシステムを使っていると言うことです。(ちなみに500mlは付いていないモノもあるとか。工場、ラインなどが変わると「あるある」ネタの一つになります。)

明治時代、日本は殖産興業で、いろいろな外国人を招き教えを請いました。その時招聘された外国人のほとんどは、日本は工業に向いているというコメントを残しています。理由は、川の多さと流れの速さです。多分ダムではなく、小水力発電をイメージした上でのコメントだったと思います。
※小水力発電は、ダムを造らず水の流れ(運動エネルギー)を利用するモノで、ダムの高低差(位置エネルギー)を利用する通常の水力発電と違います。

そして、火力、原子力と歩んできましたが、今、行き詰まっています。火力は二酸化炭素量で問題が出ますし、原子力は、これ以上増やすことはできないでしょう。

FITの買い取り価格が下がった今、もう一度再エネを見直し増やすべきではないでしょうか。

画像: グリーンエネルギーマーク / グリーンパワーマーク

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。

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