本機は、ニコン初のDXフォーマット(APS-Cサイズ)ミラーレス一眼で、フルサイズのZ7/Z6と同じZマウントを採用。有効2088万画素撮像センサーとEXPEED(エクスピード)6を搭載。最高11コマ/秒の高速連写も装備。欠点が少なく、万人にすすめられる。
今回のテストアイテムはこちらニコンZ 50
実売価格例:11万9900円(ボディ)、13万9810円(レンズキット)、16万9840円(ダブルズームキット)
●プロフィール
ニコン初のDXフォーマット(APS-Cサイズ)ミラーレス一眼で、フルサイズのZ7/Z6と同じZマウントを採用する。有効2088万画素撮像センサーとEXPEED(エクスピード)6を搭載。最高11コマ/秒の高速連写も備えている。
SPEC
●撮像素子/APS-C(23.5mm×15.7mm)CMOS●有効画素数/2088万●マウント/ニコン Z マウント●手ブレ補正/レンズシフト式●ファインダー/0.39型XGA OLED(約236万ドット)●モニター/3.2型(約104万ドット)●記録メディア/SD/SDHC/SDXC(UHS-I対応)●電源/リチウムイオン充電池●サイズ/幅126.5mm×高さ93.5mm×奥行き60mm●重量/450g
小型・軽量なボディでスペックも不満はない
見た目の印象はフルサイズの上位モデルに似ているが、幅、高さ、奥行きともに一まわりずつコンパクトで、225グラム(バッテリーとメモリーカード含む)も軽い。沈胴式の標準ズームも小型軽量なため、携帯性はいい。
グリップ部は上方に盛り上がっていて、握りやすさを確保。手の大きな筆者だと小指が余りぎみになるものの、ホールド性に問題はない。
撮像センサーの有効画素数は、一眼レフのD500やD7500と同じく2088万画素。209点測距ハイブリッドAF用の位相差検出画素が組み込まれている。ピント合わせは、快速かつ高精度。感触としては、Z7などと比べても遜色ない性能だ。
EVF(電子ビューファインダー)は、上位モデルよりはやや見劣りするスペックではあるものの、マニア目線で見なければ問題ないし、実用面でも不満は感じない。
連写最高速は、最高11コマ/秒。これはZ6と同じスピードで、連続で撮れる枚数も本機のほうが多い。動体撮影能力の面では、互角に張り合えるレベルだ。
ISO3200でも実用的な高感度画質
実写での画質は良好なレベル。標準ズーム「Z DX16-50mm VR」を装着しての遠景の解像感は、性能が落ちやすい広角端の画面四隅でもF8まで絞れば不満のない描写になってくれるし、画面中央部は、絞り開放からシャープに描写してくれる。望遠ズームの「Z DX50-250mmVR」もシャープさと癖のないボケ描写が楽しめた。
オートホワイトバランスも良好。ほとんどのシーンでは、カメラ任せで適切な色再現になる。高感度は、ISO(イソ)3200で実用的な画質だった。
欠点らしい欠点は特に見当たらないし、万人におすすめしやすいカメラだと思う。
■応答性のいいEVFを搭載
■AFも速く、手ブレ補正も効果的
おすすめ度…A₊
良好な画質で、望遠ズームもシャープ。欠点が少なく、万人にすすめられる
ココが〇
ボディだけでなく、2本のキットレンズも小型・軽量で軽快。AFが高速で、連写性能も高い。チルト式モニターは、自分撮りに対応する。
ココが✕
タッチボタンは凹凸がないため、ファインダー撮影時に手探りで見つけづらい。交換レンズの選択肢が少なく、その多くが高価だ。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
文/北村智史(カメラライター)