【エアコン・掃除機など】最新家電に不可欠な「センサー」のスゴさを探ってみた!

冷蔵庫

家電の最新技術を支えている縁の下の力持ちが、多種多様なセンサーだ。人間に代わってさまざまな検知を行い、時には人間以上の働きを見せ、生活のクオリティを向上させてくれるセンサーに迫る。

目指せ!家電選びの達人今回は「家電のセンサーのスゴさ」

監修者のプロフィール

中村剛(なかむら・つよし)

「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(facebook)で配信中。

家電の最新技術を支えている縁の下の力持ちが、多種多様なセンサーだ。人間の五感のように、物を見つけたり、温度を感知したりする役割を担い、その結果をフィードバックすることで、利便性や快適性、安全性を生んでいる。我々の身近な家電に、どのようなセンサーが入っていて、どんな役割を果たしているのか。主な製品を対象に、その舞台裏をのぞいてみよう。

エアコン

カメラで温度や湿度、人の存在などを認識する

部屋の温度や快適性を自動でコントロールするエアコンには、さまざまなセンサーが用いられている。かつては、エアコン本体やリモコンに温度センサーが付いており、部屋の温度を部分的に測っていたが、今では赤外線センサーが、室内をまんべんなく見張っている。

例えば、三菱電機の「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)+」は、360度をぐるりと見張ることで、窓から入ってくる熱や壁の輻射熱も感知。人の手のひらと指先の温度の違いまで判別が可能で、より繊細な温度管理ができるようになっている。室外機にセンサーを搭載した製品もあり、外が涼しくなると通知して電源オフを促すなど、省エネにも役立てている。

三菱電機

Zシリーズ

MSZ-ZW2820(実売価格例:29万4800円)

人工衛星にも搭載された赤外線センサー技術を活用。画素数が従来比80倍、感度は2.5倍となり、温度分布と風の強さの推測精度がアップした。

赤外線センサー 「ムーブアイmirA.I.+」

センサーが、温風・冷風が接する床や家具の温度変化から空気の流れと強さを推測。目標への到達度を判定する。センシングで作成した熱画像は、スマホで確認することも可能。

360°センシング

360度回転で広範囲をセンシング。死角が発生しがちな部屋の隅にエアコンを設置しても、部屋全体が見渡せるため、ムラのない空調が実現。

また、日立では、「くらしカメラAI」により、画像カメラや温度カメラで検知しているのが特徴だ。カメラでは、室内の画像や温度・湿度、家具や床などをセンシング。人のいる位置や人数、活動量、温度・湿度分布などを認識し、それらの情報を組み合わせて、高精度な空調を行っている。
人の識別機能では、頭部や顔部、胸部の色など、複数の特徴から個人を見分け、在室時間を把握。体感温度を予測して、風を送ったり止めたりの調節を行っている。

日立

Xシリーズ

RAS-X28K(実売価格例:29万4800円)

日立の最上位モデル。カメラや赤外線のセンサーを多数搭載。そこから得たさまざまな情報を組み合わせて、高精度な空調制御を行う。

「くらしカメラAI」

30万画素CMOSイメージセンサーを採用した画像カメラ、温度カメラや近赤外線LED技術を搭載。部屋にいる人を識別し、それぞれの在室時間を把握して、風向きを調整する。

人識別技術

色などで特徴を見分け、一人一人を識別。

間取りサーチ

間取りサーチの結果と合わせて、それぞれに最適な風を送る。

空気清浄機

室内の空気の状態がグラフなどで表示される

快適な空気環境を整えるには、空気の状態を早く正確にサーチすることが必要だ。そのため、空気清浄機では、いくつかのセンサーで、空気中の花粉やチリのほか、PM2.5、ハウスダスト、ホルムアルデヒドなどの化学物質を検知している。

例えば、ダイソン加湿空気清浄機では、温度・湿度センサーのほか、レーザーを使った微粒子センサー、有害ガス・ニオイセンサーなどを搭載。それぞれの情報をもとに空気を整え、PM2.5(微小粒子状物質)、VOC(揮発性有機化合物)、NO2(二酸化窒素)などの発生を検知すると、その度合いを数値やグラフで表示して、空気の汚染度やきれいになる様子を「見える化」する機能も採用した。

ダイソン

加湿空気清浄機
Dyson Pure Humidify+Cool

実売価格例:8万8000円

複数のセンサーで、空気中に浮遊する粒子や有害なガスを検知。密閉性の高いグラスHEPAフィルターが、ウイルスを含むPM 0.1レベルの微細な粒子を捕らえる。

汚染物質や湿度を検知

センシングで得たデータは、独自のアルゴリズムで処理し、リアルタイムでディスプレイに表示。空気の状態を「見える化」する。

また、パナソニックは、センサーで人の動きを検知。花粉やハウスダストは、人が動くと舞い上がってしまうため、先回りして集じんすることで、部屋に拡散されるのを防いでいる。

電子レンジ

異なる食材を見極めて、同時に温めを実現

従来のターンテーブル式レンジで採用されてきたのが、重量センサー。食品の重さを測り、マイクロ波を当てる時間を決めているが、この方式だと食器の重さが影響するため、重量を正確に割り出すことは難しかった。そこで、精密さを出すために、最近のフラット庫内の機種で採用されているのが、赤外線センサーだ。

赤外線では、食材の熱そのものがセンシングできるため、よりムラのない加熱が可能。さらには、温度帯が異なる食材でも、同時に温めることができるようになった。

シャープ最新ヘルシオでは、エリア別の見極めができる64眼赤外線ムーブセンサーや、絶対湿度センサー、温度センサーを採用。調理中の温度変化を細かくセンシングして、例えば、冷凍ハンバーグと付け合わせのピーマンを、最適な温度で同時に仕上げられる。

シャープ

最新ヘルシオ
AX-XW600

実売価格例:13万2190円

過熱水蒸気で調理するオーブンレンジ。温度が低いほうに熱を多く与える過熱水蒸気の特性を生かし、冷凍・冷蔵・常温など異なる状態の食材を一度に仕上げる。

赤外線ムーブセンサー + 過熱水蒸気 + 温度センサー「まかせて調理」

人気機能「まかせて調理」では、過熱水蒸気の特性に「赤外線ムーブセンサー」「温度センサー」などをプラス。ボタン一つで、ムラを抑えて程良く焼き上げることが可能。

なお、覚えておきたいのは、扉センサーだ。通常は、ドアの開閉状態を見張っているが、製品を長く使っていると、経年劣化により扉がきちんと閉まらなくなってもスタートしてしまう場合があるという。マイクロ波がレンジの外に漏れると、人体にも悪影響を及ぼすこともあるため、長年使っている機種があるなら、注意が必要だ。

掃除機

目には見えない細かいゴミを見つけてくれる

我々が、掃除のときに便利だと感じるのが、ゴミセンサー機能だ。赤外線センサーが、人の目には見えないゴミを検知するため、小さなチリも吸い残しが少なく、掃除の質の向上に役立つ。

パナソニックの調査によると、ゴミセンサーを使った掃除では、通常の1.7倍のゴミが取れたという報告もある。ただし、ヘッドのブラシが汚れていると、センサーの誤作動につながるため、正しく使うには、ブラシの定期的なメンテナンスが必要だ。

パナソニック

スティック掃除機
MC-SBU830J

実売価格例:6万8470円

パワフルで軽量なコードレススティック型。「自動」モードでは、クリーンセンサーの働きで吸引力を自動制御。効率よく掃除できる。

また、ロボット掃除機も、多くのセンサーに支えられている家電の一つ。例えば、パナソニックルーロは、レーザー、超音波、赤外線の3種類の障害物検知センサーにより、スムーズな自動走行を実現している。センサーで障害物を見極め、ギリギリまで接近することで、キワまでしっかり掃除することが可能だ。また、本体の裏側には、床面検知・落下防止センサーを搭載し、玄関の土間などへの落下を防止している。

ロボット掃除機
MC-RS520

実売価格例:10万9780円

3種類の障害物検知センサーとクリーンセンサーを搭載。家中を効率的にきれいにしてくれる。

ゴミを検知「クリーンセンサー」

高速赤外線センサーが、目に見えない約20マイクロメートルのハウスダストまで検知し、ランプでお知らせ。じゅうたんの奥などに潜む細かいゴミも、逃さず一掃。

洗濯乾燥機

洗濯物の状況に合わせて最適な設定で運転する

洗濯機では、重量センサー布質センサー水位センサー光センサーなどが活躍している。

まずは、パルセーターを回すことで、重量センサーが洗濯物の重さを検知。同時に布質センサーが、パルセーターにかかる抵抗値で、布の種類を調べている。水位センサーは、洗濯時の規定水量や、排水・脱水時に水がなくなったかを判断。光センサーは、水の透明度を見張り、洗濯やすすぎ時間を調節している。そのほか、脱水時の衣類の偏りを検知する振動センサーや、乾燥機用の温度・湿度センサーなどもある。

日立最新モデルでは、洗濯状況に合わせたセンシングをさらに細分化し、水の硬度や温度なども検知している。センシングの結果で洗濯時間や洗剤の投入量、ドラムの回転数などを自動調節。細かい設定なしでも、頑固な汚れはしっかり落とし、デリケートな素材は優しく洗い上げてくれる。

日立

BD-NX120E

実売価格例:41万5800円

九つのセンシング「AIお洗濯」

洗剤の種類や布質、汚れの量、水の硬度など、複数のセンサーでチェック。硬度が低い水の場合は泡立ちがいいので、投入する洗剤量を減らすなど、洗濯を賢くサポートする。

冷蔵庫

無駄が発生しないように見張り、節電に貢献

冷蔵庫では、一般的に、庫内の温度管理を担う温度センサーや、扉の開けっ放しを知らせる開閉センサーなどを搭載する。また、LGの冷蔵庫では、人が近づくと足元にライトが点灯。そこに足をかざすと、冷蔵庫の扉が自動で開く仕組みだ。調理中で手が汚れているときなどに便利に使える。

多彩なセンサーを、エコにつなげているのがパナソニックだ。収納量を検知して冷やしすぎを抑える収納量センサーをはじめ、ドアの開閉や庫内温度、照度などを感知する複数のセンサーが、無駄が発生しないように常に見張ることで、節電に貢献している。

パナソニック

NR-F605WPX

実売価格例:36万800円

週末のまとめ買いに対応する大型モデル。野菜室では、野菜から放出される湿気をセンサーがキャッチ。適切な湿度にコントロールして、新鮮に保存する。

冷蔵庫の各部屋の使い方や収納量、運転状況を、センサーがさまざまな角度からウオッチ。省エネ運転につなげている。

まとめ

センサー」は、スマート家電や自動運転などの最新技術と一緒に紹介されることが多く、華やかなイメージがあるが、実は以前から、地道に我々の生活を支えている。

人間に代わってさまざまな検知を行い、時には人間以上の働きを見せ、生活のクオリティを向上させてくれるセンサー。

今回は、その一部を取り上げたが、その種類は実に多彩だ。

いろいろと調べてみるのも、おもしろいだろう。

※価格は記事作成時のものです。
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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