【毛穴の汚れを取る洗顔方法】肌トラブルを防ぐ「ガーゼ洗顔」とは?美肌のコツはなでるだけ!

美容・ヘルスケア

「肌の汚れをしっかり落とす」「肌を冷やさず温める」の二つが、美肌の秘訣。ガーゼ洗顔はその二つを同時に実現できる洗顔法なのです。最近の洗顔料は洗浄力が高いので、確かに汚れはよく落ちます。ただし、皆さん「すすぎ残し」が多いのです。【解説】楊さちこ(中医医学博士)

解説者のプロフィール

楊さちこ(よう・さちこ)1961年、大阪府生まれ。中医医学博士。世界中医学学会聯合会亜健康専業委員会常務理事、香港中薬聯商会草安全標準委員会顧問などを務める。『肌がつるんと若返る「ガーゼ洗顔」』(マキノ出版)など著書多数。

すっぴんなのにハリツヤ肌の秘密!

「年を取ったら肌が衰えるのはあたりまえ」「肌が若返ることはありえない」 皆さんも、そう思っているかもしれません。

でも実際には、60歳を過ぎても、肌がキレイになった人がたくさんいます。私のもとに寄せられた多くの声のなかから、ほんの一部をご紹介します。

・「イボと黒ずみが取れて肌年齢が15歳若返った」(65歳)
・「シミが薄くなった」(67歳)
・「目の下の小ジワが消えて肌の水分量が倍増した」(63歳)
・「赤ら顔が改善して、すっぴんでも外出できる」(61歳)
・「小鼻の毛穴汚れが消え、ほうれい線が薄くなった」(73歳)
・「目の下のクマが目立たなくなった」(61歳)

このかたがたは、いったいどんなお手入れをしたのでしょうか? 高級な美容液でも、エステティシャンの手技でもありません。なんと、洗顔にガーゼを使っているだけなのです。

私は大阪生まれの日本人ですが、香港に住んで30年。現在は、香港と日本を頻繁に行き来しているため、生活のリズムは規則的とはいえません。でも、肌のトラブルとは無縁です。常にすっぴんですが、「お肌がキレイですね」とほめられます。

私のハリツヤ肌の秘密は、毎日の「ガーゼ洗顔」にあります。

私は、長年の研究の結果、「肌の汚れをしっかり落とす」「肌を冷やさず温める」の二つが、美肌の秘訣であると確信しました。ガーゼ洗顔は、その二つを同時に実現できる洗顔法なのです。詳しいやり方は、下項をご覧ください。

床にワックスをかけるとピカピカになりますが、その前に必ず、掃除をしますよね。汚れた床にワックスをかけても、きれいになりません。

肌も同じです。しっかり汚れを落とさないと、高品質の化粧水をつけても肌に浸透せず、効果は期待できないのです。

私がこういうお話をすると、皆さん「私はちゃんと顔を洗っています!」といいます。最近の洗顔料は洗浄力が高いので、確かに汚れはよく落ちます。

ただし、私の見る範囲では、皆さん「すすぎ残し」が多いのです。

先ほどの床の話を思い出してください。洗剤をつけたモップで床を掃除して、その洗剤をふき取らなかったら、床は汚いままです。そこにワックスを塗ったら、きれいになるどころか、床が傷んでしまうでしょう。

洗顔料をしっかり落とすことこそが、美肌への第一歩なのです。

以前は、「年齢の数だけ、流水ですすいでください」と勧めていました。でも、水道を流したまま、60回70回とすすぐことに抵抗を感じて、続かない人がほとんどでした。

そこで、「すすぎの最後にガーゼでなでる」という方法を考えたのです。

ガーゼは、赤ちゃんの口ふきに使うような、やわらかい物を使ってください。そして、決してこすらず、優しく優しくなでること。こすると、シミの原因になって逆効果です。注意しましょう。

小鼻の毛穴汚れや、あごのザラつきなどが気になる人は、洗顔料を肌につけた状態で、ぬれたガーゼでそっとなでるといいでしょう。

この際も、洗顔料をクッションにして、ガーゼが肌に触れるか触れないかくらいの力かげんで、なでてください。

足の甲の座りダコが消えた例には驚いた

次に、もう一つの美肌の秘訣、「温める」ことについてお話ししましょう。

私は、洗顔の前に、ガーゼをお湯でしぼって顔にのせることをお勧めしています。顔を洗う際にも、お湯を使います。なぜでしょうか?

肌を温めると血流がよくなります。肌がピンク色になり、ツヤが出てくるのがわかるでしょう。汚れも浮き上がって、落ちやすくなります。

温めながらの洗顔を毎日続けると、肌の細胞に血液が巡り、状況に応じて毛穴が開いたり閉じたりするようになるのです。

そのため、ガーゼ洗顔を始めてしばらくすると、小鼻やあごの辺りがザラザラしてくることがあります。それまで毛穴の奥にたまっていた汚れが、表面に浮き出てくるためです。

そのときに焦って無理に押し出したり、こすったりしてはいけません。まもなく自然に取れて、毛穴がキュッと閉じ、キメの整った肌になります。

冒頭でご紹介した体験コメントは、すべて女性のものですが、男性にもぜひお勧めしたい洗顔法です。くすみや毛穴汚れが取れるだけで、清潔感がぐっとアップします。

実践しているかたに伺うと、やはり入浴時にガーゼ洗顔をするケースが多いようです。顔だけでなく、ひじやひざ、かかとやくるぶしなど、角質がたまりやすいところをガーゼでなでている人もいます。

なかには、「足の甲にあった座りダコが消えた」(75歳)というお話もあり、私も驚きました。

丁寧にお手入れをすれば、肌はいくつになっても若返ることがわかります。遅過ぎることはないのです。

中国では、「健康のために新しいことを始めるなら、最低100日は続けましょう」といわれます。100日は長いと感じるかもしれませんが、体が変わるには、それくらいかかります。

100日後の肌は、あなたの人生を変えるかもしれません。その瞬間を楽しみに、ガーゼ洗顔を続けてください。

ガーゼ洗顔のやり方

ガーゼは、やわらかいガーゼハンカチなどを使いましょう。
医療用のガーゼは目が粗く、肌に負担をかけるので避けてください。

洗顔の前に、せっけんで手を洗う。

ぬるま湯で顔をすすぐ。ざっと汚れを流すだけでOK。

タオルを肌に当て、こすらずに水分を吸い取る。

やや熱めのお湯でガーゼをしぼり、顔にのせる。顔を温めて毛穴を開くのが目的。ガーゼが冷めかけたら外す。

洗顔料を泡立てて、顔にのせる。外から内へ、指を滑らせるように優しく洗う。外から内へ洗うと、汚れがよく落ちる。

小鼻の毛穴など、汚れが気になる部分を、ぬれたガーゼでなでる。

ぬるま湯ですすぐ。

きれいなお湯ですすいだガーゼで、顔全体をやさしくなでる。目頭や目尻、小鼻、フェイスラインなど、洗顔料の落ちにくいところを忘れずなでる。

■洗顔料の落ちにくいところ

タオルでしっかり水分を取る。ここで水分が残ると、肌が乾燥するので注意!
*洗顔後に、常温以上の水をコップ1杯飲むとよい。

ガーゼはこんなことにも使える!

ガーゼを熱めのお湯にひたし、お湯が垂れない程度に軽くしぼって、蒸しタオルのようにします。これを目や耳に当てることで、疲れが取れたり、顔色がよくなったりします。ぜひお試しください。

耳のガーゼ温パック
耳を温めることで、顔の血流が改善し、バラ色肌に一変。化粧のりもよくなるので、お化粧直しの前に行うのがお勧め。

目のガーゼ温パック
パソコン作業のあとなどに、ガーゼで目を温める。目の疲れが取れるだけでなく、目の周りの筋肉が緩み、顔の表情が優しくなる。

この記事は『壮快』2020年1月号に掲載されています。

 

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