【シャオミー】中国のスマホメーカー「Xiaomi」 1万円を切る格安炊飯器の実力やいかに

調理家電

今、中国はお金があります。まぁ、国の人口が日本の10倍を越しますので、安さ勝負だと、大量生産の力で勝てます。このため彼らは、M&Aなどで日本メーカーを買います。技術を買っても、それを本当にモノにするには数年掛かります。今、世界で激烈な競争をしている中国に「待つ」という選択肢はないようです。シャープ、東芝、サンヨー。また退職した技術者を多く、自国に招きます。これが中国家電の勢いです。

テレビなど、黒モノ家電は決着済み。白モノは、昨年より本格的に日本市場に影響を及ぼし始めました。しかし、スマートフォンで世界第4位のシャオミが、白モノ家電で参入してきたのは、日本家電の魂といえる「炊飯器」でした。今回は、その炊飯器のレビューです。

炊飯器の技術の勘所

米家 IH 電子鍋

youtu.be

イイ炊飯器を作る場合、まず火力にこだわります。確かにヒーターで地道にする手もありますが、オーブンと違い、内釜、お米と熱が伝わる上、お手本となるかまどは「火」ですから、1000℃近い。まったく歯が立ちません。この火力確保から、炊飯器は技術はドンドンよくなります。この場合は、IHです。炊飯器第一のポイントは「IH化」です。

そして、IHの火力を受け止める、発熱量が高く、保熱力のある内釜を作ることにより、味は飛躍的に良くなりました。「特殊な内釜」が、第二のポイント。この両者が揃ったとき、いわゆる味にこだわりの「高級炊飯器」というカテゴリーが誕生したわけです。そして、今はそれだけでは終わりません。この大火力に吸水をコントロールする「圧力」技術、かまどで炊いた時に近い、「温度コントロールプログラム」を付け加えて、今の高級炊飯器は成り立っているわけです。

シャオミ MI IH炊飯器に盛り込まれた技術

シャオミ MI IH炊飯器には、どれくらいの技術が盛り込まれているのでしょうか?

製品名に「IH」とある位ですから、「IH」は確実。内釜には「厚釜」と銘が印字されています。多分、これもオリジナル。そして「プログラム」監修は、元パナソニック社員が行っています。レベルの問題はありますが、4要素の内、3要素までは入っているわけですから、ちょっと期待しまいます。

売価は、9,999円(税抜)。「これが中国市場で頑張っているメーカーの力だ」と言わんばかりです。

似た構成で、似た開発方法を取った製品に、シャープのKS-HF10Bがあります。こちらは、かなり美味しかったのですが、市場売価:23,000円(税抜)。日本の市場でIH採用クラスに当たります。

半額のシャオミ MI IHは、日本メーカーを打ちのめす程の実力があるのでしょうか。さてその結果は?

3合を何度か炊いてみましたが、結論としては「それなり」な炊き方です。そう感じたのは、ややパサつき気味だったからです。お米は、2020年1月に近くのスーパーで購入した、庄内米「つや姫」。美味しさに定評のあるお米です。

お米の炊飯は、水を仕切る「研ぎ」と、火を仕切る「炊き」に分かれます。仕事でお米を炊く時は、分業します。そして、手間賃は「研ぎ」の方が多かったそうです。高級機種に圧力が採用されるようになったのは、お米に水分をきっちり入れ込むためです。そうすることにより、モチモチという食感になります。

ただ、面白いのは、保温機能です。基本24時間で切れます。要するに、過度な保温は、ご飯を美味しくなくするわけです。ここらへんは、活きる糧となる食事への敬意が見て取れます。

仕様は価格相応

まず、機能は、必要最低限の機能を集積した感じです。炊飯は基本炊飯だけであり、「かため」「やわらかめ」は操作できません。保温も、24時間。24時間で電源がOFFになります。注意を促しながらも、何時間でも保温を続ける日本メーカー品と違います。
また、仕様も練れていない感じがします。日本メーカーの炊飯器は、パーツ一つ一つがしっかりしており、それがガチッとハマる感じです。シャオミの炊飯器は、そういうところが頼りないです。また、コンソールの表示ライトも薄い上、色がきつめの白ですから、視認性が悪い。

日本モデルとしては、熟れていないです。日本メーカーは、どれを取っても似た使い心地です。これはある意味、やれることを全部したら似てしまったということでしょうね。それ位、操作感は全メーカー洗練されています。

また、これにはWi-Fi系の通信アンテナが内蔵されています。IoTと言えば格好は付くのですが、この価格で、そこまでIoTにこだわるのかという感じは否めません。

まとめ

IHを使っているので、日本メーカーだと2万円はする炊飯器ですが、標準で炊く限り、日本的な白米の食べ方だと物足りません。逆に、チャーハン、カレーなど、ご飯に味を付けてやる食べ方だとピッタリする感じです。ここはもう少し、日本人の食感に合わせて欲しいと思います。

ただし、価格も含め、持っているポテンシャルは大したモノと言えます。もしかしたら、日本の十八番である「炊飯器」でも、中国メーカー品が主流になる日が来るのかも知れない。そんな力を内包しているのは事実です。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

スポンサーリンク
調理家電暮らし・生活・ペット
シェアする
多賀一晃(生活家電.com主宰)

企画とユーザーを繋ぐ商品企画コンサルティング「ポップアップ・プランニング・オフィス」代表。米・食味鑑定士の資格を所有。大手メーカーでオーディオ・ビデオ関連の開発に携わる。趣味は東京散歩とラーメンの食べ歩き。

多賀一晃(生活家電.com主宰)をフォローする
特選街web

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット