最新のWi-Fiルーターならば、たくさんのWi-Fi対応端末機器があっても、それぞれの通信速度の低下がなく、大容量のコンテンツをスムーズに利用できるなど、ネット環境が快適になる。最新規格の詳細をこの機会に知っておくといい。
Wi-Fiルーターをすでに導入済みだけど交換する意味はある?
最新型のスマホやWi-Fi対応端末機器を使っている場合、すでに導入済みのWi-Fiルーターでは、それらの機器の性能を100%引き出せないことがあるので、最新のWi-Fiルーターへの買い替えを検討しよう。
最新のWi-Fiルーターならば、たくさんのWi-Fi対応端末機器があっても、それぞれの通信速度の低下がなく、大容量のコンテンツをスムーズに利用できるなど、ネット環境が快適になるという大きなメリットがある。
●WiーFiルーターを交換するメリット
Wi-Fiルーターを最新機種にすれば、固定インターネット回線や端末の実力をフルに発揮できる。
❶たくさんの機器が快適につながる
❷動画などの大容量コンテンツがスムーズに再生できる
❸新型スマホなどの高速通信に対応できる
❹大容量データを高速ダウンロードできる
Wi–Fiっていろいろな規格があるけど、どんな違いがある?
現在、家庭用とされているWi-Fiには、いくつかの規格がある。まず、使用する電波の周波数が「5Gヘルツ帯」と「2.4Gヘルツ帯」に分かれている。周波数ごとの特徴は左の表のようになっている。大まかにいえば、スマホやパソコンといった高速通信を頻繁に必要とする機器は5Gヘルツ帯で使うのがよく、それ以外の補助的な機器は2.4Gヘルツ帯で使うというのが現実的である。
ちなみに、5Gヘルツ帯の機器と2.4Gヘルツ帯の機器は、使用する周波数が違うので、直接通信はできない。しかし、両方の周波数に対応したWi-Fiルーターがあれば、それを介して双方が通信できるようになっている。
5Gヘルツ帯も2.4Gヘルツ帯も、Wi-Fiの規格は歴史を重ねている。基本的に「新しい規格ほど速い」のだが、新しい規格は古い規格と互換性を保っているので、古い規格にしか対応していない機器でも、最新規格の機器と通信できる。ただし、通信速度は古い規格の速度が上限となる。
●周波数帯による電波の特徴
5GHz帯 |
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●対応機器が少なく電波の干渉が少ない ●通信速度が速い ●壁や家具などの障害物に弱い スマホ、無線キーボード、ゲーム、電子レンジ、ノートパソコンなど |
2.5GHz帯 |
●対応機器が多く、ほとんどの製品で使える ●壁や家具などの障害物に強い ●通信速度が遅い スマホ、デジカメ、ゲーム、ビデオカメラ、プリンター、ノートパソコンなど |
今市場にある機器では、11gが最も古い規格であり、プリンターなどに採用例がある。それ以降、11n、11ac、11axと進化しており、実は、11acの規格上の最高速度(理論値)で、家庭用有線LAN(ギガビットイーサネット)の速度を超えている。なお、現在、多くのスマホには11acが搭載され、iPhone11など、一部の最新機種では11axが採用されている。そして、11axなどの規格名では、どれが新しい規格なのかわかりにくいため、業界団体により、「Wi-Fi6(ワイファイ シックス)」という世代名が付けられた。この数字が大きいほど、新しい規格ということだ。
●Wi-Fiの世代名と規格による速度の違い
店頭に行くと、いろいろな機器があってよくわからない
確かに、Wi-Fi売り場にはいろいろな機器が並んでいて、最初は面食らうだろう。とりあえず、自宅にWi-Fiを導入するときに必要となるのは「Wi-Fiルーター」か「メッシュWi-Fi」だと覚えておこう。あとは、有線LANをWi-Fiに変換する「Wi-Fiアダプター」や、Wi-Fiの電波が届きにくいところへ電波を送り込む「Wi-Fi中継機」などの機器があるが、これらは必要に応じて使うものなので、頭の隅に置いておこう。
●Wi-Fi機器には多彩な種類がある
まずは、Wi-FiルーターかメッシュWi-Fiを購入することになる。
Wi-FiアダプターやWi-Fi中継機は、Wi-Fi導入後に補助的に使う機器。
「5G(ファイブ ジー)」という言葉を聞くが、Wi–Fiとは別のもの?
「5G」は、携帯電話の次世代通信規格のことである。現在、日本で主流となっている携帯電話(スマホ)の通信規格はLTEといわれるもので、これが4G(第4世代)となる。今年からサービス開始が予定されているのが5G(第5世代)の通信規格である。よって、5GとWi-Fiは別ものである。
しかし、データ通信する仕組みは双方とも似ており、5G対応のスマホには、必ず11axが採用されることになると考えればいいだろう。
●5GとWi-Fiはそもそも別の接続方式
ブルートゥースとWi–Fiの違いって何?
ブルートゥースは、2.4Gヘルツ帯の電波を使った近接データ通信の規格である。ファイルの転送といった用途にも使えるが、主な役割はキーボードやマウス、ヘッドホン、スピーカー/マイクといった周辺機器と、スマホやパソコンといったデジタル機器をワイヤレスで接続することである。Wi-Fiとはまったくの別もので、細かい設定なしで接続できる半面、電波の到達範囲は10メートル程度。高画質動画を転送するといった大容量通信にも不向きである。
●ブルートゥースとWi-Fiの比較
◆解説/福多利夫(フリーライター)
◆イラスト/中山 昭(絵仕事 界屋)