「Emotet(エモテット)」が大きな脅威となっている。パソコンの中にあるIDやパスワード、メールの送信先などを勝手に収集する非常に危険なウイルスだ。盗んだ情報を使って、また別の人にメールを送る。その送り先は、あなたの友人や知人、取引先など。こうして感染したパソコンに後日、ランサムウェアなどが送られてきて実際の被害に遭うからこわい。
次から次へ感染が拡大する!ウイルス・マルウェアばらまき型メール
実在の名前やメールアドレス、文面などを装うメールで拡散する「Emotet」の恐怖!
2019年秋から、日本でも「Emotet(エモテット)」が大きな脅威となっている。パソコンの中にあるIDやパスワード、メールの送信先などを勝手に収集する非常に危険なウイルスだ。
そして、盗んだ情報を使って、また別の人にメールを送る。
その送り先は、あなたの友人や知人、取引先など。こうして感染したパソコンに後日、ランサムウェアなどが送られてきて実際の被害に遭う。
感染は、ユーザーが過去にメール連絡した実在の人物名で届くメールから始まる。
送ったメールに対する返信を装っていることが多い。
そこに添付されている「Word」ファイルを開くと「コンテンツの有効化」を求められる。
有効化すると「Emotet」本体がダウンロードされて感染。
対策は、添付ファイルを開かない、マクロ機能を有効にしないこと。
気づいたときは手遅れすでに周囲に迷惑をかけている
実在の知り合いからの返信メールを装ってくる
【IPA(情報処理推進機構)が公開しているEmotetメールの実例】
とはいえ、実在の人物を装っているため、ついうっかりということもある。そこで、セキュリティ機能が高いルーターを使うのも有効だ。
例えば、下記の製品は、Wi-Fiルーターに「ネット脅威ブロッカーPremium」というセキュリティ機能が搭載されていて、ウイルス感染や不正な通信の可能性があると自動的に通信を遮断したり、悪意あるサイトへのアクセスを止めたりしてくれる。
Wi-Fiで通信している家族全員のパソコンやスマホが守られる。
セキュリティ機能を搭載したWi-Fiルーターで多重防衛
バッファロー
WTR-M2133HS/E2S
次から次へ感染が拡大する!ウイルス・マルウェアOSサポート切れパソコン
すでに侵入されているかも!? 全裸状態のWindows7がねらい撃ちされる!
ご存じのように2020年1月14日でWindows7のサポートが終了した。もはや、安全上の問題が見つかっても修復されない。
OSのサポートが切れたパソコンをインターネットにつなぐのは、海外の危険地帯を丸腰で歩くようなもので、襲われるのを待っている状態に等しい。
Windows7のパソコンは絶対にインターネットに接続してはいけない。セキュリティ機能を標準装備したWindows10に乗り替えるのがベストだが、7の使用を止められない場合は、ネットに接続せず、単体で使おう。
「大丈夫だろう」という気持ちが周囲の人にも迷惑をかける
次から次へ感染が拡大する!ウイルス・マルウェア身代金要求ウイルス
パソコンをロックしたりファイルを暗号化したりするランサムウエアとは?
ランサムウェアは、パソコンをロックしたり重要ファイルを暗号化して開けないようにしたりして、それを解除するための金銭(身代金)を要求する悪質なプログラム。メールの中のURL、添付ファイル、危険なウエブサイトの閲覧、ダウンロードファイルなどから感染する。これらに注意して感染を予防するとともに、大事なファイルを外部メディアにバックアップするなどの対策もしておきたい。万が一、感染しても絶対に身代金を払ってはいけない。ネット接続を切り、セキュリティ企業に相談しよう。
ロックされたら手遅れ!ランサムウェアは実害に直結
次から次へ感染が拡大する!ウイルス・マルウェアワンクリック詐欺
アダルトサイトで再生ボタンをクリックすると感染! 架空請求や広告を強制表示
興味本位で開いたサイトでボタンを押したら、突然、入会金や利用料金の名目で高額を請求されるのがワンクリック詐欺。
アダルト系や出会い系が中心だったが、最近はゲームなどを装うものもある。
怪しいサイトを開かないのが一番だが、もし請求があっても絶対に払ってはいけない。契約は成立していないし、支払い義務もない。こちらの情報をつかんだように脅してくるが、実際には同じ画面が繰り返し出ているだけ。
Windowsパソコンなら、システムの復元でトラブル発生前の状態に戻せばいい。
スマホにしつこく表示される請求画面は、これで消せる
iPhone
「Safari」の設定で「履歴とWebサイトデータを消去」から「履歴とデータを消去」を選択。
Android
スマホの「設定」から「アプリ」→「Chrome」を開き、「キャッシュを消去」すればいい。
◆解説/下島朗(エントラータ)
◆イラスト/早川修