第4のキャリアとして新規参入を果たした楽天モバイルが、ついに本格サービスを開始する。2019年10月から「無料サポータープログラム」と銘打ち、ユーザー数や地域を限定したサービスを提供していたが、全国どこでも回線を契約できるようになる。
300万人が1年間データ無料!楽天が激安で携帯回線をスタート
第4のキャリアとして新規参入を果たした楽天モバイルが、ついに本格サービスを開始する。2019年10月から「無料サポータープログラム」と銘打ち、ユーザー数や地域を限定したサービスを提供していたが、4月8日以降は全国どこでも回線を契約できるようになる。
楽天モバイル
Rakuten UN-LIMIT
2020年4月8日開始
正式な料金プランも、ついに発表になった。一般的に、携帯電話の料金プランは、データ通信の容量別に複数の選択肢が用意されるが、同社は月額3278円の「UN-LIMIT」プラン一つで勝負する。その名称からもわかるように、データ容量は無制限。専用アプリを使う必要があるものの、音声通話も無料でかけ放題になる。
●楽天モバイルの料金プラン
データ通信も通話も1年間は使い放題!
プラン名 | Rakuten UN-LIMIT |
月額料金 | 1年め無料 (300万名まで) 2年め以降3278円 |
データ 通信 |
楽天回線利用時:データ使い放題 ローミング時(au回線):2GBまで 超過後の通信速度は128kbps |
国内 通話料 |
無料(「Rakuten Link」アプリ利用時) ※「Rakuten Link」アプリ以外では20円/30秒 |
ただし、データ通信が無制限になるのは、あくまで楽天モバイルの自社回線に接続したときだけ。同社は新規参入事業者のため、全国をカバーするのに十分な基地局が設置できていない。それを補うため、KDDIから回線の一部を借り、auのローミングサービスを提供している。楽天モバイルの基地局がないエリアや、電波の届かない地下街などでは、auにつながることが多い。このauエリアでは、高速データ通信容量が2Gバイトに制限される。
同社はエリアを急ピッチで拡大しているが、3月末時点でも基地局の数は4400にとどまり、他キャリアとは桁が二つ違う。そのため、大都市圏の一部ユーザー以外は、使い放題の恩恵を受けづらい。こうした事情もあり、1年間300万人を対象に、月額3278円を無料にするキャンペーンを発表した。
これは、実質的な無料サポータープログラムの延長ととらえることもできるが、6月には5Gサービスも開始するとのことで、今後の動向に期待したい。
課題は狭い自社回線エリア
※価格は記事作成時のものです。
文/石野純也(ITジャーナリスト)