小型・軽量のエントリーモデルながら、AFや連写などの基本性能が高いのいい。富士フイルム「FUJIFILM X-T200」は、連写速度が8コマ/秒と、エントリー機としては高速(T100は6コマ/秒)をほこる。高速・高精度AFとの組み合わせにより、快適な動体撮影が楽しめるからいい。
今回のテストアイテムはこちら富士フイルム FUJIFILM X-T200
実売価格例:10万3950円(レンズキット)/13万1450円(ダブルズームレンズキット)
●プロフィール
APS-Cセンサー採用のミラーレス一眼、X-Tシリーズの新エントリー機。370グラムの軽量ボディで、独自の色再現や優れたAF性能がポイント。液晶モニターの利便性も高まり、4K動画撮影のスペックも向上した。
SPEC
●有効画素数/約2424万●撮像素子/APS-CサイズCMOS(23.5mm×15.7mm)●レンズマウント/FUJIFILM Xマウント●記録媒体/SDXC/SDHC/SD●液晶モニター/3.5型(タッチパネル式、約276万ドット)●連続撮影速度/約8コマ/秒●Wi-Fi/IEEE802.11b/g/n●電源/専用リチウムイオンバッテリー●サイズ/幅121.0mm×高さ83.7mm×奥行き55.1mm●重量/370g
■バリアングル式の液晶モニター
センサーの全面に像面位相差画素を配置
一眼レフスタイルのX-Tシリーズの中で、3ケタ型番は最も下位のグレードとなるが、従来のX-T100は、上位のX-T20やT30より重かった。しかし、本機は、T100より約80グラム軽く、T20やT30よりも10グラム以上軽い。
約2424万画素のAPS-Cサイズセンサーと高性能な画像処理エンジンを搭載。富士フイルムは、長年のフィルム作りで培った独自の色再現技術などを利用し、人間の記憶に残る「記憶色」を実現。その定評のある色再現は、本機でも健在である。
そして、センサー全面に像面位相差画素を配置し、アルゴリズムの進化により、AF性能が向上。優れた動体追従AFや、顔・瞳AF、暗所での高速・高精度なピント合わせ、といったパフォーマンスを実現した。
連写速度は8コマ/秒と、エントリー機としては高速(T100は6コマ/秒)。高速・高精度AFとの組み合わせにより、快適な動体撮影が楽しめる。
強力な「電子ジンバル」機能を新搭載した
シリーズ中で最軽量のボディは、実際に手にすると、その軽さを実感。前・後のコマンドダイヤルは、厚みがなくてクリックが固め。初めは操作しづらく感じたが、慣れると指一本で操作できた。
動画撮影機能も進化。30コマ/秒の滑らかな4K動画撮影が可能になり(T100は15コマ/秒)、電子式手ブレ補正より強力な「電子ジンバル」機能を新搭載。フルHDまでの対応で、画面を左右に振った際の動きが少々ぎこちないといった面もあるが、これまで以上にアクティブな動画撮影が可能だ。
小型・軽量ながら、AFや連写などの基本性能の高さを実感。静止画と動画のどちらも満足できる“実力派エントリー機”といえるだろう。
■8コマ/秒で電車を高速連写
おすすめ度…A
小型・軽量のエントリーモデルながら、AFや連写などの基本性能が高い
ココが〇
シリーズ最軽量の軽快ボディ。8コマ/秒の高速連写、4K・30p動画、電子ジンバルなど、エントリー機としてはハイレベルな機能を持つ。
ココが×
横幅が増した3.5型ワイド液晶モニターの搭載により、背面右手側のスペースがやや窮屈。動画撮影ボタンが押しづらい。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/吉森信哉(フォトグラファー)