7月より始まったレジ袋有料化。経済産業省によると、環境問題解決のためプラスチックの過剰な使用を抑制することを目的とするこの政策ですが、SNS上ではエコバッグ所持派と、レジ袋購入派で意見が分かれています。どちらのほうが経済的なのでしょうか?人気の機能的なエコバッグも併せてご紹介。(2020/07/09更新)
7月よりレジ袋有料化がスタート
概要
2020年7月1日、全国のスーパーや食品店、ドラッグストアなど、レジ袋を提供しているすべて小売業の店舗で、プラスチック製買い物袋の提供が有料になりました。
経済産業省によると、「廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題」解決のため、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があると呼びかけています。有料化の目的は、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすること」としています。
なぜ必要?
世界に遅れを取る日本
実はプラスチックのリサイクル率が「8割」を超えると言われている日本。しかし、そのほとんどが世界水準で「リサイクル」と認められていない「サーマルリサイクル(熱回収)」(プラスチックを他のゴミと共に燃やして熱効率をあげるために利用すること)となっています。よって、世界水準では日本のプラスチックゴミのリサイクル率は極めて標準的なのだそう。
また、2018年6月にカナダで開催されたG7で採択された「海洋プラスチック憲章」(プラスチックゴミによる海洋汚染問題への各国の対策を促す文書)に対し、アメリカと共に日本は署名を行いませんでした。理由は、「国内法が整備されていないため」と言うものでした。
上記のように、プラスチックゴミ削減の意識が日本は世界水準より大幅に遅れています。国連環境計画(UNEP)によると、日本は一人当たりのプラスチックゴミ排出量が、アメリカに次いで世界で2番目に多いという現状もあります。
確かに、レジ袋やペットボトル、お弁当の容器、ストローなど、自分たちの身の回りにはプラスチック用品が溢れています。今回の有料化は、日本人一人一人ののプラスチックゴミ削減への意識改革になってほしいという願いが込められています。
賛成派と反対派の意見が別れる
しかし、SNSでは、その是非についてさまざまな意見が寄せられています。海洋プラスチックゴミに占めるビニール袋のゴミの割合の小ささや、レジ袋のゴミ袋としての再利用率の高さから、「二度手間」という反対意見も多く見られています。下記では今回のレジ袋有料化についての様々な意見を詳しく見ていきましょう。
反対(レジ袋購入)派の意見
コスパの観点から反対する人多数
SNS上では、今回のレジ袋有料化への反対意見が多数上がっています。特に多い意見としては、以下のようなものが挙げられます。
- 繰り返し使用のエコバッグより、都度使用のレジ袋の方が衛生的
- ポリ袋はその後のゴミ袋としての利用ができ、リユース率が高い
(エコバッグを使っても結局ゴミ袋を購入しなければいけなくなり、非合理的) - 海洋ゴミの大半はペットボトルやカトラリーや容器などがほとんど
(レジ袋だけを規制しても環境問題へのインパクトは小さい)
#レジ袋有料化に反対します
世紀の愚策、「レジ袋有料化」の全国一律制度化(=無償配布禁止)について、“環境”を理由にどうしても推進したいという人は、まず、こちらを読むべきでは。https://t.co/Yde3RGGPYl— 内藤陽介 (@naito_yosuke) June 24, 2020
特に、買い物でもらったレジ袋をゴミ袋として活用している人は多く、「結局ゴミ袋を買わなければいけないのなら意味がない」という意見が多数見受けられました。こうした経済的な観点から、エコバッグは買わず、レジ袋購入派を公言している人も。
確かに、1000円のエコバッグを買ったとして、レジ袋が1回5円だとすると、200回以上使用しなければ元を取ることはできません。2日に1回買い物に行ったとしても、1年以上は使わないといけない計算になります。このコスパの良し悪しをどう捉えるかによって、エコバッグ派、レジ袋購入派どちらになるかが別れそうです。
賛成(エコバッグ所持)派の意見
前向きにエコバッグを活用する人も
もちろん、否定的な意見ばかりでなく、今回の有料化にあわせて、エコバッグを購入し、環境問題の解決への前向きな姿勢を示している人も多数。長く使えるエコバッグを購入し、きちんと毎回の買い物で使えば、ビニール袋代の節約になることは間違いありません。
有料化を受けて、さまざまなブランドがエコバッグを販売を開始。Twitterでは、可愛らしいジブリキャラをあしらったものが人気です。
【かわいい】ジブリキャラの「肩のせエコバッグ」が登場!https://t.co/Onz6gtajHB
『風の谷のナウシカ』のキツネリスや『千と千尋の神隠し』の坊ねずみを肩に乗せられるエコバック。どんぐり共和国で販売される。 pic.twitter.com/4eSrYl69t4
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 2, 2020
エコバッグ所持の際の注意点
食品のみならず、雑貨や衣類なども含めて、全ての小売店で実施されるレジ袋有料化。個人的な懸念点としては、衛生的な観点から、「食品用のエコバッグと衣類用のエコバッグを一緒にしたくない」というものがあります。エコバッグ派の人は、複数持ちがデフォルトになりそうですね。
また、エコバッグはレジ袋と違い、何度も使用するものなので、お手入れが必須。花王によると、汚れていない時は、食卓用清潔スプレーを吹き付けたペーパー類で全体を拭き、洗濯OKのものは洗濯ネットに入れて、こまめに洗濯するのが良いそう。
人気のエコバッグ4タイプ
賛否両論あるレジ袋有料化ですが、「毎度毎度レジ袋を購入するのは面倒だな」と思っている人は多いはず。ちょっとしたお買い物にも使いやすいエコバッグが一つあると助かります。ここでは、機能性抜群で人気のエコバッグのタイプをご紹介します。
くるくる丸めるタイプ
エコバッグ購入で一番欠かせないポイントは、携帯しやすさではないでしょうか?ささっと折り畳めて、コンパクトに収納できるバッグは、普段使いのカバンやポケットに忍ばせておいて、ちょっとした買い物に使いやすいのが魅力。
写真は様々なECサイトで常に売れ行きランキング上位にランクインしている「マーナ」のシュパットポケッタブルバッグ。クルクルと丸めてコンパクトに持ち運べます。カラーや柄のバリエーションも豊富で、北欧デザインが好きからも支持されています。
畳むタイプ
折りたたむとカードケースのようなコンパクトなサイズになるエコバッグも人気です。シャツのポケットにも楽々入れることができます。シンプルなデザインで、男性も使いやすいと評判です。
リュックタイプ
一度の買い物の量が多い人や、飲料や缶瓶などを購入する際は、手持ちのバッグだとついつい手が痛くなってしまいますよね。そんな時はリュックタイプのエコバッグがおすすめ。両手があくのも嬉しいポイントですね。
レジカゴタイプ
コンパクトさには欠けるものの、買い物カゴに直接セットできるレジカゴ型も人気です。スーバー用のエコバッグと他の商品のエコバッグを分けている人や、ファミリーにおすすめ。袋詰めの手間がなくなりとても便利です。
まとめ
7月から実施されているレジ袋有料化。賛否両論ありますが、自分のライフスタイルに合わせてエコバッグや有料レジ袋を活用しましょう。「レジ袋購入派」の方も、持ち運びやすいエコバッグを一つ持っておくと、ちょっとした買い物に役立つかもしれません。