おつまみ缶詰の代表、現在70種を展開中の国分「缶つま」は、2010年の発売以降、それまでの缶界の常識をいくつも打ち破ったシリーズ。一方の明治屋「おいしい缶詰」はどれも料理店並みの下ごしらえで、本格的な洋食メニューがそろっており、いかにも明治屋らしいシリーズだ。
缶詰博士 黒川勇人
公益社団法人・日本缶詰協会公認。缶詰業界の第一人者として日本はもちろん世界50ヵ国の缶詰をリサーチ。 缶詰の魅力とともに、それにまつわる文化や経済、人間模様も発信している。
永遠のライバル「缶つま」&「おいしい缶詰」
おつまみ缶詰の代表は、国分「缶つま」だ。2010年に発売され、それまでの缶界の常識をいくつも打ち破った。原料と製法にこだわり、価格も高めに設定。それが世の酒好きに支持されて大ヒットした。現在70種を展開中だ。
一方の明治屋「おいしい缶詰」はマニアック。どれも料理店並みの下ごしらえで、中には素材段階で味付けに二晩かけるものもある(つまり製造に3日かかる)。本格的な洋食メニューがそろっているのが、いかにも明治屋らしい。
K&K(国分)「缶つま」シリーズ
これだけの多種類をそろえ、しかもそのすべてが”酒のつまみ″という不埒(!?)なシリーズは、世界中を見渡してもこの「缶つま」だけ。スーパーなどの酒売り場に缶詰が並ぶようになったのも、実は缶つまの功績であります。ラインアップ:70種類
明治屋「おいしい缶詰」シリーズ
こちらは通称「おい缶」。どれも酒が進みそうなのは「缶つま」と同じだが、パスタと和えたり、野菜を添えたりするだけでメインディッシュになっちゃうクオリティがすごい。味付けが上品なので女性ファンも多いのだ。ラインアップ:30種類
コンビーフ缶ユッケ風に楽しむ「缶つま」、燻製風味を味わう「おい缶」
■■缶つま■■
コンビーフ ユッケ風
標準価格:450円(税別)
消費者がどうやってコンビーフを食べているか調査したら、ユッケ風にしてる人が多かったそうな。だから国分はこの商品を開発したそうな。これ本当の話。
■■おい缶■■
大人のプレミアムコンビーフ(燻製風味)
標準価格:580円(税別)
8月に発売された新商品。既存のプレミアムほぐしコンビーフに燻製風味を加え、ウイスキーと合わせるのに最適に仕上げてある。赤身肉主体で脂は少なめ。
味付けがまったく異なるコンビーフ対決。飲む酒で選ぶのがいい手
イワシ缶超激辛の冒険の旅に出るか、プロヴァンスの風に吹かれるか
■■缶つま■■
激辛ハバネロサーディン
標準価格:350円(税別)
同じイワシでも「缶つま」はここまで冒険しちゃうのだ。もともと辛いハバネロをさらに激辛アレンジって(!)でも、うまみがあるから箸が止まらんのです。
■■おい缶■■
国産真いわしと野菜のトマト煮
標準価格:450円(税別)
脂の乗ったイワシに香味野菜を加え、特製トマトソースで煮込んだ素晴らしい味わい。一口味わえば南仏プロヴァンスの風が吹く(あくまでイメージ)。
トマトソース煮は優しく家庭的。激辛ハバネロは意外と清酒に合う
牛肉缶しっとりやわらかなモツ焼きとじっくり煮込んだ牛すじの競演
■■缶つま■■
牛テッポウ 直火焼
標準価格:500円(税別)
ついにモツ焼きも「缶つま」になった! 牛の直腸を直火で炙り焼きし、塩だれで味付け。臭みもなく、真空高温調理を経ているから、しっとりやわらかな食感。
■■おい缶■■
牛すじ肉の赤ワイン煮
標準価格:450円(税別)
ビストロの一品風。じっくり煮込んだ牛すじ肉はコラーゲンがとろっとろ。赤ワインソースに独特のコクがあるのは、隠し味に八丁味噌が入っているから。
モツ焼き店とビストロの対決。結果は業態が違いすぎてドロー
カキ缶「おい缶」の和風攻撃に、レモンとのタッグで対抗する「缶つま」
■■缶つま■■
広島県産 焼かき レモン黒胡椒味
標準価格:740円(税別)
旬の広島産カキ使用。開けたとたんに立ち上がる国産レモンの香りにまずやられる。全体を引き締める黒こしょうもよし。エキスがしみ出た缶汁がウマっ。
■■おい缶■■
広島県産 炙りかき
標準価格:650円(税別)
旬の広島産カキ使用。水揚げ直後に処理するから鮮度とうまみがぎゅっと閉じ込められている。後を引く醤油ベースの味付けとぷっくり食感が最高。
「おい缶」の和風攻撃が炸裂。「缶つま」もレモンとの強力タッグで譲らず
鶏肉缶片やオリーブ油、片やごま油、オイルまみれの鶏肉がうまい!
■■缶つま■■
マテ茶鶏のオリーブオイル漬け
標準価格:450円(税別)
缶つま初期からあるロングセラー。マテ茶を食べて育ったマテ茶鶏は臭みがなくジューシーで、その切り身をにんにくを利かせたエキストラヴァージンオリーブ油で煮込んだ。
■■おい缶■■
国産鶏のごま油漬(和風アヒージョ)
標準価格:400円(税別)
オリーブ油ではなくごま油だから‶和風アヒージョ″。にんにくや塩をもみ込み二晩寝かせてから缶に詰める執念の下ごしらえ。おかげで味がしみ込んで食感も◎。
僕が大好きな2品。どちらも油がウマいのでバゲット必須ですぞ
※価格は記事作成時のものです。