ミーレ「Generation 7000」シリーズとは?欧州でも評判のビルトイン家電が日本に上陸

調理家電

スティーブ・ジョブズ氏が愛用していた洗濯機は「ミーレ」のものだったそうです。20年もつことを前提に作られた同社の製品は、機能・デザインともに無駄なものがなく洗練されています。今ミーレが力を入れているのが「ビルトイン家電」です。最新の「Generation 7000」シリーズとはどんな製品でしょうか。ご紹介しましょう。

ミーレのビルトイン家電の最新シリーズ「Generation 7000」

ドイツのメーカー「ミーレ」。ドイツの地方都市、というより片田舎に本社を持つ、世界的に有名な独立系ファミリー企業です。その製品は、決して安くありませんが、見るめがある人は必ずと言っていいほど、チョイスしています。

一番有名な顧客は、今は亡きスティーブ・ジョブス氏でしょう。「ハイテク製品は何年も見てきたが、ミーレほどそそられたものはない。」と述べ、同社の洗濯機を購入。愛用したのは有名な話です。

さて、そのミーレが、このところ力を入れているのが、キッチンのビルトイン家電。こちらも世界中のシェフから引っ張りだこ。その最新シリーズが「Generation 7000」です。

写真の中、ワインクーラーは日本発売、未決定です。

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調理機器として、ビルトイン型の「オーブン」「電子レンジ機能付オーブン」「スチームオーブン(スチームクッカー)」「ビルトイン コーヒーマシン」「ビルトイン ウォーマー」そして「IHクッキングヒーター」の7機種。そしてIHクッキングヒーター以外は、グラフィックグレーの「VitroLine」、ステンレススチールとオプシディアンブラグラックのガラスを組み合わせた「PureLine」という2つから構成されます。

その魅力を、オーブンと食洗機を例にとってレポートします。

発想は20年サイクル

ミーレ製品は基本長寿命です。設計は、20年間持つことを前提に作られます。これは20年間持って、20年したら壊れることを意味していません。20年後も魅力的な商品であることを意味します。それは壊れないことはもちろん、機能、使い勝手、デザインなどが、20年後も色褪せないことを意味します。

このためミーレは、市場調査をします。市場調査、あるいはユーザー調査は全メーカー行いますが、他のメーカーとどこが違うのでしょうか? それは深度、深読みです。何故、ユーザーが、そう考えたのかを徹底的に深読みするのです。

そして詳らかになったユーザーの思いを、20年という歳月に耐えうるものに叩き上げていくのです。当然、デザインの流行、廃れがあります。新しい技術、発想も上乗せされるでしょう。それらを一つ一つ吟味しながら、伝統的に残した方がいいもの、新しく入れなければならないことを想定していきます。

そうして、何度も何度も見直しをかけます。そうするとかなりシンプルになってきます。これがミーレのやり方です。

前述したジョブス氏は、その洗練されたシンプルさと、その効果(洗濯機なので洗い上がり)にすごく満足したそうです。

Generation 7000の2つのデザイン

冒頭、Generation 7000には、グラファイトグレーの「VitroLine(ヴィトロライン)」、ステンレススチールとオプシディアンブラグラックのガラスを組み合わせた「PureLine(ピュアライン)」の2つのデザインがあると言いました。しかし、これはすごいことです。というのは、プロモーションをかけにくくなる上に、在庫管理も大変だからです。

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2つあるうちの「PureLine」は、今までのミーレのデザインを、ほんのちょっとだけ押し進めたものです。特徴は横一線に使われているステンレス。黒の光沢を持つガラスの中に、シルバーステンレスが一線、すっと引かれているんで、とても目立ちます。また、横並びに設置すると、横ラインがピシッと出てとてもカッコイイ。こうありたいという意思を感じさせるデザインです。

もう一方のVitroLineは、艶消しのグラファイトグレー一色。目立ちません。こちらはこれからの生活をイメージしたものです。リビングでも、ダイニングでも、キッチンでもない部屋。好きなものが雑然と置かれた部屋。いろいろなモノが、融合したと言った方が分かりやすいと思います。こんなところで、自分はキッチン家電であることを主張しても始まりません。艶消しのグラファイトグレー一色は、そんな時にピッタリなのです。

今後、多くなるであろう生活の中に溶け込むデザイン。それがVitroLineなのです。

オーブンに詰め込まれた3つの技

デザインの次は技術です。(1)タッチセンサー、WiFi、(2)Taste Control、(3)FoodView が特徴ある技術です。(1)、(2)、(3)と採用されるモデル数が少なくなります。

(1)はいいですよね。今や当たり前の機能です。しかし、これも20年位前は、あったらすごいという技術。20年という歳月は、その位違うのです。

(2)のTaste Control は、余熱をすぐさま逃してやる技術です。ご飯のお焦げもそうですが、パンなどの焦げ色は最後に付きます。軽いお焦げは、楽しめますが、これがきついと不味くなります。しかもビルトイン型の本格オーブンですから、熱を外に逃しません。このため、いいオーブンになればなるほど、余熱で焦げてしまう(=不味くなる)のはある話です。これを防止するのが、Tastes Control です。具体的には、ドアをちょっと開け、換気を最大限強くして、熱を逃してやります。高温を維持するのは大変ですが、下げるのは、このレベルで十分です。そしていい感じの温度になったら、今度は保温に変わります。なんとも心えた機能です。

TasteControl

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(3)のFood View はオーブンの中の状況をデジカメで撮影、スマホに転送するという技術です。オーブンの場合、どちらかというと開けて見るまで、正確な色などが掴みづらく、小修正などは難しいです。それの改善です。庫内に取り付けられたデジカメが、料理の状況を撮影、スマホに情報を送るというモノです。料理だけでなく、繊細なお菓子作りなどには欲しい機能です。

FoodView

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アジア専用バスケットを初採用した食洗機

ミーレは、ドイツのメーカーです。このため基本は西洋料理。ご飯ではなく、パンが主体、つまりお皿を中心に設計されてきました。しかし、お米が中心のアジアエリアではそうではないですね。お米は碗に入れますし、箸を使います。要するに、使いにくいのです。

Generation 7000の食洗機は、バスケットが新設計されています。碗と箸を考慮したアジア仕様になっています。

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未来を考えると全てサスティナブルな技術であることが必要

当然、食洗機の方にも、今後の20年を見据えた技術が盛り込まれています。目玉は、洗剤の自動投入でしょうね。20年後の未来を考えると、地球環境は今より悪くなっているでしょうね。特に、プラスチック、化学物質に関しては、非常に頭が痛いことになっていると思います。それを最低に抑える技術です。適量しか、化学物質を使わない。同様に、新パーツを使うことで、節水も進められています。

ところがこのチリも積もれば山になる節約などは、人は苦手です。これこそ、機械にしてもらうべきことです。売ルための技術ではなく、想定される未来に必要な技術が搭載された家電ということができます。

ミーレは、サスティナブル技術でも高い評価を受けると共に、ドイツでは尊敬できるメーカーとしても知られています。

まとめ

経営者が「自信があります!」と宣言

この製品を見せてもらう時、ツィンカン氏とミーレ氏、2人の共同経営者(ミーレ社は、ツィンカン家、ミーレ家、二家族が創業以来共同経営してきました。)のビデオ挨拶がありました。そんな中で、ちょっと感心したのは、「Generation 7000は自信があります。」と言い切ったことです。

昨今、メーカーでもサラリーマン社長が増えたせいか、事業計画、経営計画にはコメントするものの、商品に関係するコメントは皆無のことが多いです。メーカーは、良いものを作り、それを売って、儲ける会社。私は、経営者こそ、自社製品に対する自信をのぞかせて欲しいのですが・・・。

ミーレは創業者の意志が受け継がれているメーカーとして有名ですが、この一言からもそれを感じました。しかし、Generation 7000は、そんな言葉がふさわしい家電です。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。

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多賀一晃(生活家電.com主宰)

企画とユーザーを繋ぐ商品企画コンサルティング「ポップアップ・プランニング・オフィス」代表。米・食味鑑定士の資格を所有。大手メーカーでオーディオ・ビデオ関連の開発に携わる。趣味は東京散歩とラーメンの食べ歩き。

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