2020年10月1日から改正著作権法が施行された。違法にアップロードされた音楽と知りながらダウンロードする行為は以前からアウトだが、今回の改正では、違法音楽アプリの提供や、不正な音楽データへのリンクをアプリに掲載するのも違法となったので注意が必要だ。
毎日のように起こるネットがらみの事件。注目の事例を紹介するとともに、その対策も解説していこう。
■解説者のプロフィール
福多利夫(ふくた・としお)
デジタル関連のフリーライター。インターネット以前のパソコン通信時代からのネット民。家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。
あなたもねらわれている!?
ネットの“アブない”事件簿
2020年10月1日から改正著作権法が施行された。違法にアップロードされた音楽と知りながらダウンロードする行為は以前からアウトだが、今回の改正では、違法音楽アプリの提供や、不正な音楽データへのリンクをアプリに掲載するのも違法となった。
まだユーザーが罰せられたという話は聞こえてこないが、自分が巻き込まれないために、どういう例が罪になるおそれがあるのか確認しておこう。
違法音楽アプリとは、著作権利者に無断で音楽データをサーバーに保管し、アプリを介して再生・ダウンロードさせるものを指す。こうしたアプリを作ったり、管理・配布したりするのはもちろん、音楽データをアップロードしている人も罪に問われる可能性がある。
中には、ユーザーがCDからリッピングした音楽データのアップロードを推奨(強要)するものもあるので、気をつけよう。違法なアプリでも音楽をストリーミングで聴くだけならセーフだが、音楽データをスマホやパソコンにダウンロードすると違法となるので注意したい。
■無料聴き放題をうたうが、疑わしいアプリも多い
公式アプリストアには無料聴き放題アプリが多数ある
※PlayストアやApp Storeで音楽アプリを見ると、無料聴き放題をうたうものの、合法かどうかわかりづらい例も多い。
■日本レコード協会が特設サイトをオープン!
怖いのは、違法アプリが正規のアプリストアで配布されていることだ。法改正後は数がかなり減ったが、まだゼロではない。もちろん、著作権に問題のない無料音楽アプリもあるが、アプリ選びは慎重にすることが肝心だ。
処方箋
サブスクリプション(定額制)の有名音楽アプリを使うのが最も安全。無料音楽アプリも、「YouTube Music」や「Spotify」など有名どころを使おう。知らないアプリの場合、日本レコード協会が認定した「エルマーク」が付いているか確認。エルマークのあるアプリなら安心だ。
今回のネットのアブない事件簿
「 うっかりダウンロードも違法!」
著作権法が改正され、違法音楽アプリの使用でユーザーが罰せられる可能性が出てきた。
正規のアプリストアからダウンロードしたアプリであっても、それが違法アプリだった場合、音楽データをダウンロードすると、ユーザーが処罰の対象になるおそれも。違法アプリだと知らなかったでは済まされない。
■解説/福多利夫
■イラスト/早川修