青汁メーカーのキューサイ株式会社が開催するオンライン講座「ケール de エディブルガーデン講座」を受講した感想をレポートします。青汁の原料となるケールは、家庭菜園でも育てられるのをご存じですか? 自宅でのケールの育てかたや、家庭菜園をもっと楽しく、おしゃれにする「エディブルガーデン」のやり方について、教えてくれました。
青汁の「キューサイ」がオンライン講座を開催!
「まずい、もう一杯!」で有名な青汁メーカー「キューサイ」。そんなキューサイが創業55周年を記念して、無料オンライン講座をスタートしました。オンライン講座名は「ケール de エディブルガーデン講座」。ちなみに、エディブル(Edible)とは、「食用に適する」という意味の英語です。青汁の原料であるケールの魅力や楽しみ方について、深堀りした内容です。
「ケール de エディブルガーデン講座」を開催した目的
キューサイが今回「ケール de エディブルガーデン講座」の開催を決めた理由のひとつに、コロナ禍が関係していました。自主的な外出自粛によって、「おうち時間」が増える昨今、家庭菜園に踏み出す方が増えています。プランターで育てる野菜といえば、トマトやなすを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし実は、ケールも同じように家庭菜園で育てられることは、あまり知られていません。ケール自体がスーパーではなかなか手に入りづらく、トマトやなすのような「一般的な野菜」という枠組みではありませんよね。
それならば、家で育てみてほしい。家庭菜園にぴったりで栄養豊富なケールを、もっと身近な存在に感じてほしい。そう願い、今回のオンラインイベント開催に踏み切ったそうです。
キューサイ55周年記念サイト
キューサイ55周年記念サイトです。トップメッセージ、1965年の創業から55周年までの歩み、55周年記念の様々なイベントやキャンペーンの情報、55周年記念ロゴをはじめとした55周年を記念した取り組みなどについて、随時お伝えしています。
corporate.kyusai.co.jp
実際にイベントに参加!
「ケール de エディブルガーデン講座」の第1回目は、12月4日に開催されました。例に漏れず、コロナ禍によって家庭菜園をはじめた私も、今回の講座に興味津々。受講者募集の知らせを聞き、応募をすることに。講座は45分間でしたが、あっという間に時間が過ぎるほど、充実した内容でした!
家庭菜園に興味のない方でも「へぇ~!」と思えることが多かったので、その詳細をレポートします。ちなみに、当日参加した受講者は全部で40人ほど。Zoomでの開催でした。
「キューサイファーム島根」の広大なケール畑から生中継!
講座といっても、ホワイトボード前や講壇で行うものでありません。「ケール de エディブルガーデン講座」の開催場所は、キューサイファーム島根の広大なケール畑。
その広さはなんと、東京ドーム15個分だそうです。思わず「おお~…!」とパソコンの前で素の声が漏れてしまいました。マイクがオフでよかった…! そんな美しい画面を眺めながら、ケールとエディブルガーデンの魅力について学んでいきます。
イベントレポート(1)エディブルガーデンとは?
講座の最初に行われたプログラムは、エディブルガーデンについてです。講座名にもついているエディブルガーデンとは、どんなものなのでしょうか?
ガーデニングクリエイターのたなかやすこ先生が、エィデブルガーデンについて詳しく説明してくれました。
エディブルガーデン=食べられる庭
エディブルは、英語で「食用の」「食べられる」という意味があります。つまり直訳すると、エディブルガーデンとは「食べられる庭」、大きなくくりとしては、家庭菜園です。
ただ、普通の家庭菜園と違うのは、ひとつの鉢にいくつもの野菜や花を組み合わせて植え、彩り豊かな小さなガーデンを作る、という点です。野菜を育てて食べるだけではなく、庭のように眺めてるだけで楽しい栽培を目指すのが、エディブルガーデンの本質だそう。
先生の作ったエディブルガーデンに感動!
講座中に、たなかやすこ先生自身が作ったエディブルガーデンを披露してくれました。その食べられる庭の、かわいいことかわいいこと……!
これをもぎって食べるのは、ちょっと勿体無い気さえしてしまいます。
エディブルガーデンは「食育」を促す
しかし食べてこそ、エディブルガーデンの本当の良さがわかるというもの。先生は「エディブルガーデンそのものとパンを食卓に乗せて、野菜をもぎってサンドイッチを作り、その場で食べる」という提案をしていました。
この提案が、私のエディブルガーデンへの興味を強くかき立てました。
エディブルガーデンは見た目がかわいいです。しかし子持ちの親としては、育てる・収穫する・料理を手軽に体験できるのが、見た目以上の魅力かもしれないと強く感じたのです。
エディブルガーデンは狭いベランダでもできる
講座中、先生がエディブルガーデンの始め方について解説してくださいました。先生がおっしゃるには、エディブルガーデンを作るのに場所は必要なく、容器もトマトの空き缶に穴を開けたものでスタートしてOKとのこと。
土も、100均で手にはいるような土で問題ありません。あとは同じく100均で売っている有機肥料と根腐れ防止用の石さえあれば、エディブルガーデンの環境としては充分だそうです。思った以上に簡単に始められそうですね。
育てる野菜は、これからの時期なら、小松菜や水菜、ミックスサラダなどがおいしくて見た目もかわいいのだとか。もちろんその他の野菜でも構いません。
エディブルガーデンは、一度にたくさんの野菜を育てるため、何を組み合わせて育てるべきか、少し悩むかもしれませんね。「このへんは森っぽくしたい」「森の抜けた先にお花畑があるといい」といったふうに、小さな庭の中に世界観をしっかり作っておくのが大切かな、というのが個人的な印象です。
もちろん、植物同士の相性や発芽時期の見極めなども大切です。しかし、初めのうちは見た目重視のほうが楽しいかと思います。先生のようなおいしさとかわいさが混ざった、素敵なエディブルガーデンを頭に思い浮かべて、野菜を選んでみましょう。
イベントレポート(2)ケールの魅力と栽培のコツ
さあ、ここからはいよいよケールの登場です。先生はエディブルガーデンの一部として、ケールも育ててみたのだそう。そもそも青汁の原料でもあるケールがどんな野菜なのか、ご存じない方も多いかと思います。私もその1人で、せいぜい「小松菜に似たものだろう」程度しか知りませんでした。
じつは、ケールは広い畑での育成のみならず、小さなエディブルガーデンにも適した野菜なのです。
ケール栽培のコツと魅力に関しては、キューサイファーム島根代表の廣田英二氏が詳しくお話してくれました。
そもそもケールってどうやって育てるの
廣田氏はケールに携わって17年、ケールの魅力を知り尽くした方です。東京ドーム15個分もあるこの広大な畑に植えられたケールは、すべて農薬や化学肥料を使用していません。そのため1枚1枚葉の裏側を目視し、虫を取っているのだそう!この大きな葉をめくって、小さな虫を探して……。想像しただけで気の遠くなるような作業です。
しかし、家庭で育てる場合はもっとコンパクトなケールになるため、ここまでの労力は必要ないとのこと。よかった……。ケールは種をまいてから10日~2週間ほどで、双葉のかわいい芽を出します。
たなか先生は紙パックで育ててみたそうです。
紙パックだと、苗の植え替えが必要になったとき扱いやすいため、おすすめなのだとか。土を入れた紙パックに8mmくらいの深さまで指を入れ、穴を作ったら、2~3粒程度のケールの種を植えます。
あとはお日様の当たるところに置くのと水やりを忘れないように。
そうすれば、1か月後には本葉まで育つそうです。先生は紫の植物と一緒に植えておくと、ポリフェノール効果でケールの虫除けになるのだとお話ししていました。見た目もかわいくなりおいしく安全に育てられるため、紫のお花や野菜を一緒に植えてみましょう。
「ケールの種を先着順で55名にプレゼント!」
「そうは言ってもなかなかケールの種なんて滅多に手に入らないよ!」と思いますよね。じつは今回の講座、受講予約をした先着55名に、ケールの種をプレゼントしているそう。
じつはケールは、種の良し悪しで出来が決まるとされています。今回の講座で配布されるケールの種は、とくに大きく育った丈夫なケールから種をとっているのだそう。さらにその種の中から、ぐんぐん育つであろうものだけを選別しています。家庭菜園初心者のかたでも、安心して育てられる嬉しい配慮ですね。
イベントレポート(3)ケールを使って簡単レシピ
さて、育ったケールはどのようにして食べれば良いのでしょうか。生で丸かじり?
もちろん、OKです。
ケール=青汁=苦いと想像しますが、ケール自体はブロッコリーに非常によく似た味をしているのだそう。寒い時期に植えれば糖度も上がり、とうきびのような美味しさが増します。
講座では、シーザーサラダとして食べるのをおすすめしていました。それ以外にも、にんにくと合わせて火を通し、ペペロンチーノ風パスタも紹介。
どちらのレシピもひたすら美味しそう……。お昼ご飯を食べたあとの受講でしたが、画面に向かって「いいなあ……」とひとりで呟いていました。ちなみに、「青汁の粉」となったケールの粉末も、お料理で使えます。コーンスープに混ぜて緑のスープにしたり、ホットケーキに混ぜて緑のパンケーキを作ったり。
野菜嫌いの子どもでも、好んで食べられるようなレシピを紹介してくれました。
イベントレポート(4)受講者参加型の質問&クイズ
講座の最後に、「受講者にケール畑の1坪オーナー権」が当たるクイズを開催!当選すれば、オーナー証明書とオーナーの土地で育てられたケールが、送られてくるのだそう。
クイズの内容は、受講をしっかり聞いていればわかるものでした。「欲しい!」という思いを抑えることができず、つい全体チャットでその意気込みを送信していました。
当選結果はまだわからないですが、もし当たっていたら、わが家にはケールの種とケール畑で採れた葉っぱが届くことに。味の違いなどを比べられたら楽しいな、と今からワクワクしています。
まとめ
おうち時間が増え、その中で毎日をもっと楽しく過ごせるようなアイディアが詰め込まれた講座でした。ひとつの鉢にいくつも植物を寄せ植えするのは今までやってみたことがないので、子どもたちとチャレンジしてみようと思います。受講をしていない方はホームセンターなどで売っている野菜の種でもエディブルガーデンを楽しめます。身近な容器やアイテムで作れるエディブルガーデンで、この冬のおうち時間を充実させてみませんか?