効率的に作業をするには適した道具が不可欠です。必要な道具はホームセンターなどで手に入れることができます。【解説】加藤正明(東京都指導農業士)
執筆者のプロフィール
加藤正明(かとう・まさあき)
東京都練馬区農業体験農園「百匁の里」園主。東京都指導農業士。日本野菜ソムリエ協会ジュニア野菜ソムリエ。34歳まで民間企業に勤務したのち、家業の農業を継ぐ。2005年に「百匁の里」を開園、野菜づくりのノウハウからおいしい食べかたまで伝授している。野菜ソムリエ協会主催の第2回ベジタブルサミット枝豆部門で最高得点を得て入賞。NHK趣味の園芸「やさいの時間」では、番組開始時より栽培管理と講師を務める。著書に『加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。
▼百匁の里(公式サイト)
▼やさいの時間(みんなの趣味の園芸)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
本稿は『達人が教える!農家直伝 おいしい野菜づくり』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
道具を揃える
きちんと効率的に作業をするには、適した道具が不可欠です。野菜づくりに必要な道具は、ホームセンターなどで手に入れることができます。
平グワ
クワにはさまざまな形があるが、まずは刃が平らで刃と柄の角度が45度の平グワが必要。土を耕したりならしたり、畝を形づくったりするのに欠かせない1本。サイズや重さなど、自分にあったものを。
剣スコ(剣先スコップ)
先がとがった大きなスコップ。「シャベル」とも呼ばれる。剣先を土にさし、足をのせて体重をかけ、かたい土を掘り起こす。刃に土がつきやすいので落としながら使い、水洗いをしてから片づける。
三角ホー
刃が三角形でクワよりも小さい。狭い場所でも小回りがきき、細かな作業が可能。柄が長いので立ったまま雑草を刈ったり、土を寄せたりできるので1本あるととても便利。
移植ゴテ(スコップ)
一般的に「シャベル」と呼ばれているもの。小型で片手で持って使う。苗の植え穴を掘ったり、根ごと堀り上げたり、雑草などを掘り起こしたりするのに使う。
小熊手
片手で持てる小型の熊手。雑草などをかき集めるのに使うが、野菜づくりでは土を耕すのにも使う。特にタネまき後の間引きのあとに、株の両わきの土をサクサクさして耕す。
万能バサミ、包丁
野菜の収穫や、葉を切り落とすのに必要。ハサミはポリマルチのシートやネットなどを切るのにも使う。清潔に保ち、特に野菜を切るときは、殺菌してから使うのが理想。
園芸用ネット
立てた支柱に張って使う。キュウリやゴーヤーなど、つるをのばす野菜をからませて育てる。マスの大きさは10〜15cm角ぐらいが適当。
ひも
おもに支柱を組んだり、野菜の茎と支柱を結びつける誘引に使う。どんなひもでもいいが、麻ひもが使い勝手がいい。
塩ビ棒
畝の上面を平らにならすのに使う。配管用の資材で、ホームセンターなどで購入できる。つかみやすい直径5cmほどのものを、畝の幅70cmにカットしてもらうと使いやすい。
支柱
背丈が高くのびる野菜を支えたり、つるをからませる園芸用ネットをかけたりする。いろいろな長さがあるが、180cmや240cmがよく使われる。仮支柱には、長さ50cm程度の細いものを使う。
トンネル用支柱
防虫ネットや遮光ネットなどをかけるために、畝をまたいでトンネルをつくるように渡す骨組み用の支柱。しなやかに曲がり、どこまでさすとよいかなど左右に印がついている。
穴あけ器
ビニールマルチシートに穴をあける道具。一般的な苗の大きさになっていて、最適なサイズの穴があけられるとともに、土もすっぽりとり出せ、植えつけにとても便利。
酸度測定キット
土壌の酸度調整の際に用いる、酸度を調べる道具のセット。土を透明の筒に入れ、薬剤を加えて振ると、色が変わる。用紙の色と見比べると、酸度(pH)がわかる。
ジョウロ
水やりをするための道具。水が出るところにつけるシャワー状にする部品を「ハス口」といい、用途によってつけたり外したりする。
ポリマルチフィルム
畝に張るポリエチレン製のシートで、「マルチ」と呼ばれる。保温、保湿、雑草や病害虫の予防などの目的で使われる。色や穴の違いで多くの種類がある。
防虫ネット
畝にかける、虫をよけるためのメッシュ状のシート。おもに、トンネル用支柱とあわせて、トンネルがけして使う。
遮光ネット
強い日差しから野菜を守るためにかける、通気性のあるシート。真夏のタネまきや苗の植えつけ後にかける。
なお、本稿は『達人が教える!農家直伝 おいしい野菜づくり』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(3)「野菜づくりのプランを立てよう」の記事もご覧ください。