スマホカメラの高画質化に伴い、デジカメは、スマホでは撮影しきれないアクティブな領域での用途が人気を集めている。どれも高画質で、撮った写真や動画をすぐにスマホに転送し、SNSなどにシェアする機能を搭載したものも多い。ここでは、キヤノン、ゴープロ、DJIの機種を紹介する。
キヤノンPowerShot Zoom
超コンパクトな望遠鏡型モデル。自然観察などにも便利だ
スポーツ観戦や野鳥の観察などに便利な手のひらサイズの望遠鏡型デジカメ。写真が撮れて、ビデオ撮影も楽しめる。ワンタッチで望遠レンズを100ミリ相当/400ミリ相当/800ミリ相当(デジタルズーム)に切り替え可能。
キヤノン
PowerShot Zoom
実売価格例:3万1460円
ファインダー | 0.39型 EVF |
---|---|
撮影可能 枚数 |
150枚 |
有効 画素数 |
1210万 |
焦点距離 (35ミリ換算) |
100mm/ 400mm |
ここが○
名刺よりもちょっと長手方向が長い、というくらいの超コンパクトサイズなので、ポケットに入れて、いつでも、どこへでも持ち運べる。手ブレ補正機構を内蔵しているため、望遠域の高倍率でも安定して遠くの被写体を見ることができる。ここは、通常の望遠鏡よりも優れていると感じる点だった。
ここが×
普通の望遠鏡と違い、のぞき窓が236万ドットの電子式液晶ファインダーなので、精細さはいま一つ。スポットライトの当たる舞台鑑賞などでは、明るい部分が白飛びを起こしてしまったりする。本体のボタン数を抑えたせいか、操作するにはメニューの階層をたどらなくてはならず、カメラとしては使いづらい。
ゴープロGoPro HERO9 Black
アクションカムの代名詞。5K/30pの撮影も可能
アクションカメラの代名詞といえるGoProの最新強力進化版。本体のみで10メートルの防水機能を持ち、5K/30pの撮影が可能。レンズユニットも交換式で、あらゆるシーンにマッチしたシステムが組める。
ゴープロ
GoPro HERO9 Black
実売価格例:5万5550円(サブスク契約ありの場合、4万3800円)
防水 | 対応 (水深10m) |
---|---|
有効 画素数 |
2000万 |
フレーム レート |
60fps/ (4K) |
フレーム レート |
30fps/ (5K) |
ここが○
背面に加え、前面にもカラーの液晶モニターを搭載。両方同時に表示できるので、撮る側も撮られる側も同じ映像を確認できる使い勝手のよさがある。車やヘルメットなどに付けて使う機会が多いカメラだけに、水平の傾きが気になるが、手ブレとともに傾きも電子補正してくれて、見やすい映像を実現。乗り物などの細かな振動の抑制能力もかなり高レベルに進化している。バッテリーのもちもよく、操作性もピカイチだ。
ここが×
5K/30pの録画はエンジンパワーを使うのか、数分程度の録画でもかなり本体が熱を持つ。オンラインストレージなどが使えるサブスク契約を行わない場合、本体価格がちょっと高め。
DJIPocket2
小型のジンバルカメラ。多彩な機能を搭載し、楽しく撮影できる
手のひらサイズのジンバルカメラ。歩きながらの撮影でも、カメラが空を飛んでいるかのような動きの動画を実現してくれる。美顔効果を内蔵するほか、AI編集機能で動画作品を手軽に楽しく演出できる。
DJI
Pocket2
実売価格例:4万9500円
安定化 機能 |
3軸 |
---|---|
最大 操作速度 |
120°/秒 |
有効 画素数 |
6400万 |
焦点距離 (35ミリ換算) |
20mm |
ここが○
カバンの隅にでも常時入れておけるほどの小さなジンバルカメラ。取り出して1秒で、動画も写真も撮影できるというのは本当に便利。本体はモジュール式で、何も付けずにシンプルに使うこともできるし、手持ちのスマホとドッキングさせれば、たちまち大画面かつタッチ操作可能なカメラになる。単体で使う場合もジョイスティックにより、細かなカメラの向きを変える操作が行いやすくなった。本体のマイクだけでも、かなり臨場感あふれる音声が収録できる。
ここが×
メニュー項目の多くがアイコン表示されるのだが、本体に搭載されたタッチ操作対応の液晶画面はかなり小型(約2センチ四方)で、アイコンが見づらく、そのため、操作がわかりにくい場合もある。
DJIMINI2
超小型・軽量のドローン。自動運転の撮影機能が秀逸!
日本の航空法適用外となるように、使用重量を199グラムに抑えた超小型ドローン(ただし、どこでも飛ばせるわけではなく、各自治体の条例に準拠する必要がある)。本格的なフライトと4K/30p撮影が楽しめる。
DJI
MINI2
実売価格例:5万9400円
安定化 機能 |
3軸 |
---|---|
最大 飛行時間 |
18分 |
有効 画素数 |
1200万 |
焦点距離 (35ミリ換算) |
24mm |
ここが○
折り畳むと、ハイエンドスマホと同等の小型サイズながら、上空120メートル、そして1キロ以上先までの本格飛行が楽しめるドローン。操縦が苦手でも、スマホの画面上でタッチ指定した被写体をロックオンし、画面の中心に置きながら遠ざかったり、ぐるぐる回って撮影したりする自動運転の撮影機能が秀逸。バッテリーの残量が減ると、自動で元の位置に戻ってくるなど、安全面も考慮されている。小型ながら、少し風を感じる日でも安定したフライトと撮影が楽しめる。
ここが×
小型・軽量の機体なので仕方ないが、バッテリーのもち時間が最大18分と少なめ。設定などにもたついていると、フライトできる時間が短くなってしまうので注意したい。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/吉村永(カメラマン)