「カステラ一番、電話は二番~♪」のCMソングでお馴染みの文明堂。今やカステラだけでなく、和菓子から洋菓子まで多彩な商品を展開しています。特に人気を集めているのが、限定商品やお買い得品が購入できる工場売店と直売店です。今回、京都在住のライターが「文明堂壹番舘 京都伏見店」で月1回開催される「お菓子市」に行き、お得情報からおすすめ商品、実食しておいしさを紹介します。
文明堂のココがすごい!
私が文明堂に興味を持ったのは、2021年1月21日放送のテレビ東京の情報番組『カンブリア宮殿』がきっかけ。4代目娘婿社長の宮崎進司氏の前例にとらわれない革新的な戦略や商品が紹介され、これまでの老舗のカステラ店のイメージが一新されました。
文明堂はカステラだけじゃない
カステラといえば1本モノの贈答品。私自身、「買うもの」といよりも「貰うもの」というイメージがありました。しかし、文明堂では、どら焼きやカステラ巻き、饅頭といった和菓子から、バームクーヘンやプリン、フルーツケーキなどの洋菓子まで多彩。小分けされた個包装は、普段のおやつ用としても気軽に楽しめます。また、工場直売所で焼き立てを提供する「窯出しカステラ」、直売所で数量限定販売の「窯出しチーズ」をはじめ、売り切れ続出の人気商品を生み出しているのです。
▼文明堂商品一覧(公式サイト)
仕掛け人は4代目婿社長
1900年に長崎で誕生したカステラの老舗・文明堂の4代目社長である宮崎進司氏は、元・大手電機メーカーの営業。たまたま結婚相手の実家が文明堂で、入社の意志はありませんでしたが、義父が病に倒れて30歳のときに入社。出勤初日に社長就任を告げられてから波乱万丈の人生がスタートしました。低迷するギフト市場からの脱却を目指し、個人向けの商品開発に注力。コロナ禍の自粛生活が続くなか、おやつ需要は高まり、業績はぐんとアップ。東京・日本橋にカフェをオープンして文明堂のブランドイメージ向上にも取り組んでいます。
職人の手仕事にこだわる
私が「文明堂のお菓子が食べたい」と思ったのは、お菓子づくりへのこだわりと熱意に惹かれたからです。『カンブリア宮殿』では、生地づくりから焼成、カットまで一つひとつ丁寧に職人の手でつくられていく「特撰五三カステラ」の製造工程を紹介。特に驚いたのは、高温の窯で焼き始めてから、むらなく均一に仕上げるために生地を中混ぜして泡を切り、焼き上がりを何度もチェックして調整していること。この伝統の技を職人から職人へと100年以上受け継いでいるのです。
▼文明堂の特撰五三カステラができるまで(公式サイト)
「文明堂壹番舘 京都伏見店」に行ってみた
文明堂の工場売店と工房は札幌・さいたま・横浜・北名古屋の4か所、直営店は全国各地に展開しています。京都在住の私は、「文明堂壹番舘 京都伏見店」に足を運んでみました。
▼文明堂店舗一覧
お得な「お菓子市」が狙い目
京都伏見店では、毎月第1土曜・日曜日に「お菓子市」を開催。数量限定の「窯出しチーズ」やカステラの切り落し、お楽しみ袋、パンケーキなどのお買い得品を買うことができます。「お菓子市」は店舗により開催日が異なるので、事前にチェックしましょう。
2500円以上購入で500円分商品券GET
2500円(税込)以上を購入すると、次回に使える500円分のお買い物券がもらえます。2500円で500円割引とは気前が良すぎます!そのほかにもメンバーズカードは300円購入ごとに1ポイントがつき、40ポイント(1万2000円)を貯めるとハーフカステラまたは三笠山(4個)と交換してくれます。
店内には「カステラ一番、電話は二番~♪」のCMソングが流れ、店頭には切り落としカステラなどのお買い得品がズラリ。苺を使った季節限定商品、バレンタイン・ホワイトデー向けの商品などもたくさん!テンションが上がり、これもあれもと買いすぎてしまいました。
おすすめ商品を実食
(1)期間・数量限定の「窯出しチーズ」
一番のお目当ての「窯出しチーズ」は、「お菓子市」のみで数量限定で販売されている、濃厚なベイクドチーズケーキ。店員さんに聞いたところ、全国の店舗でも期間・数量限定販売のレア商品なのだそう。なんと土曜日の昼前に行ったらすでに売り切れ。是が非でも食べたいと思い、翌日の日曜日、朝イチに訪れて購入しました。
「窯出しチーズ」は、直径約15センチ、厚さは約2センチ。焼き目がおいしそうで、ずっしりと重量感もあります。早速、カットしていただきました!
食感は「しっとり」というよりも「ねっとり」。口の中にまとわりつく感じが、チーズケーキ好きにはたまりません!クセはなく、甘さもちょうどいい王道の味わいで、レモンの爽やかな香りがすーっと鼻を抜けていきます。このクオリティで1000円とは驚き!家族や友人にプレゼントしたところ、「濃厚~♪」と大絶賛でした。
(2)販売日限定「切り落しハニーカステラ」
ほぼ全員のお客さんが購入していたのが、お得感満載の「カステラ切り落し」。この日は、生地にハチミツがたっぷりしみ込んだハニーカステラが売られていました。
文明堂のホームページによると、爽やかな香りのオレンジハチミツを使用しているので、ザラメを敷かなくてもしっとりした食感を楽しめるそうです。
大胆に手づかみでパクッとかぶりつきました!子どもの頃に夢見た食べ方です。カステラの基本的な材料は「卵、小麦粉、砂糖、水あめ」の4つ。シンプルだからこそ、卵の優しい風味と味わいが感じられます。きめ細かい生地にハチミツがしみ込んだ「幸せの黄色いカステラ」にご満悦!
(3)季節限定「カステラ巻 いちご」
細長く切ったカステラを、焼きたてのどら焼きの皮で巻いた「カステラ巻」。皮が崩れやすいため、職人の手で一つひとつ丁寧にくるりと巻き上げているそう。春だけの季節限定発売の「いちご」と、定番の「抹茶」の2つを買いました。
「いちご」は封を開けた瞬間、いちごの甘い香りが漂い、春を感じさせます。一方、「抹茶」はほんのりほろ苦い抹茶の味わいとカステラの甘さのハーモニーが絶妙な大人味。香ばしいキツネ色に焼き上げたどら焼きの皮と、ふんわりカステラの両方を味わえる、欲張りな私にはぴったりのお菓子です。
(4)季節限定「おやつカステラ チョコレート」
かわいいパッケージと食べやすいサイズで人気の「おやつカステラ」に、バレンタインデー・ホワイトデー期間限定のチョコレート味が登場!定番のハニーカステラとセットでラッピングされていた商品を購入し、友人(おじさん)にプレゼントすると「小腹が空いたときにちょうどいい」と喜んでもらえました。
(5)人気商品「月三笠」
月三笠はカステラに次ぐ人気商品。独自製法でじっくりと蒸し焼きした皮は、表面は香ばしく、柔らかいしっとり食感が特徴。餡は北海道産小豆を使い、すっきりとした甘さの仕上がり。1粒1粒が大きくて、小豆本来のおいしさを味わえます。皮と餡のバランスがいい上品な和菓子です。
まとめ
一番驚いたのは、お菓子のバリエーション。文明堂はカステラだけでなく、和菓子から洋菓子まで多彩な商品を展開し、普段のおやつ用の個包装も充実。カステラ=ギフト商品の概念が変わりました。さらに直営店の「お菓子市」にはお買い得商品がたくさんあり、1周、2周、3周と店内をぐるぐる周り、買いすぎてしまうくらい楽しくショッピングができました。次回使える500円のお買物券を貰ったので、月1回は訪れたいと思います(実際、500円券で購入するお客さんが多かった)。まずは、みなさんの地域の直営店や工場売店をチェックして、「お菓子市」などのお買い得デーを確認したうえで訪れてみてください。
■文・写真:藤田美佐子
京都市在住。フリーランスの編集兼ライターとして観光、食、求人、医療、ブライダルなど幅広い取材・執筆活動を行う。1児の母。趣味はマラソン、美味しいものを食べたり、つくることが大好きな食いしん坊。特に甘い物には目がない!