光と影の存在を見る者により強く意識させ、カラー写真にはない魅力を伝えるモノクロ写真。画像の仕上がりを決める機能「仕上がり設定」で設定する、もしくは「フィルター機能」で、モノクロ写真のモードで撮れる機種もある。
写真・解説/大浦タケシ(フォトグラファー)
宮崎県都城市生まれ。日常的に愛用している富士フイルム・X100Vの「フィルムシミュレーション」は、モノクロの「アクロス」に常時設定。その絵づくりがとても気に入っている。
見慣れた風景でもモノクロで撮るだけで違った印象に!
モノクロで撮れば、見慣れた風景もまた違った印象の写真になる。撮り方は簡単。キヤノン機なら、撮影メニューの「ピクチャースタイル」から「モノクロ」を選択するだけだ。ライブビューや電子ビューファインダーを使って撮影すれば、仕上がりの状態もリアルタイムで確認できる。
手持ちのデジカメで簡単にモノクロ写真が撮れる!
モノトーン(単色)であるがゆえ、光と影の存在を見る者により強く意識させ、カラー写真にはない魅力を伝えるモノクロ写真。ここでは、そんなモノクロ写真の撮り方や楽しみ方をわかりやすく解説していこう。
今回は、手持ちのデジカメで誰でもモノクロ写真が撮れる方法を紹介する。
撮影前の設定は簡単だ。デジカメには、画像の仕上がりを決める機能「仕上がり設定」が備わっており、それをモノクロに設定するだけである。
名称はメーカーによりさまざまで、例えば、キヤノンでは「ピクチャースタイル」、ニコンでは「ピクチャーコントロール」という。階調やコントラストなどは機種により微妙に異なるが、手軽にモノクロ撮影が可能で、それらを微調整できる機種も多く、より自分の思い描く仕上がりに追い込むことも可能だ。
キヤノン「EOS RP」の場合
「ピクチャースタイル」を「モノクロ」に設定すればOK!
また、ジオラマふうやトイカメラふうなどの撮影が楽しめる「フィルター機能」で、モノクロ写真のモードを備えている機種もある。こちらは仕上がり設定を使った場合と比べ、印象的に仕上がる傾向が強い。
なお、モノクロで撮っても、やはりカラーの画像も欲しいという人には、JPEGとRAWの同時撮影がおすすめ。この場合、JPEGはモノクロ記録だが、RAWはカラーで記録されるからだ。この機会に、RAW現像を覚えてみるのもありだろう。
フィルター機能でもモノクロに!