スマホを起点にした「中国ブランド」が世界進出を強めています。今までの「他社ブランドでの中国製」ではなく、中国メーカーが「自社のブランド」で勝負しています。今回はXiaomi(シャオミ)の生活家電のレポートです。スマートウォッチ、体重計、卓上掃除機、空気清浄機の4点をチェックしていきましょう。
自社ブランドで勝負する中国メーカー
家電で圧倒的に強かった日本メーカーですが、今、ブランドが確立しているのはソニーぐらいではないでしょうか。日本では強いパナソニック、日立、東芝、シャープも海外でブランドが確立しているのかというと、「ちょっと弱い」ところがあります。
海外家電メーカーは、自社ブランドをきっちり印象付けようとしています。特にグローバルでも、スマホを起点にした「中国ブランド」が世界進出を強めています。今までの「他社ブランドでの中国製」ではなく、中国メーカーが「自社のブランド」で勝負しています。特に、ファーウェイが米国とやり合うようになって以降、自社の特徴を強く出すようになってきたように思います。今回は、そんな中国メーカーの一つ、Xiaomi(シャオミ)の生活家電のレポートです。
シャオミ家電の特徴
創業10年で、スマートフォン、世界シェア第3位(※)になったシャオミは、独特の雰囲気を持つ家電を出すメーカーです。※IDC、Counterpoint、Canalysの3社が発表した2020年第3四半期(7~9月期)の世界スマートフォン市場調査による。ちなみに1位 ファーウェイ、2位 サムソン、アップルは4位
シャオミの特徴の一つは、スマートフォンのような情報家電はもちろん、白物家電も扱うことです。その製品の特徴は「基本性能の充実」「優れたデザイン」「安い」の3拍子揃っていること。いわゆる王道です。
シャオミの場合、メイド・イン・チャイナと言うことで、「安い」と言うのは際立っています。
次に特に特筆すべきは、デザインでしょう。方向性はオーソドックスながら、垢抜けており、いわゆる中国らしさが微塵もなく、グローバルデザインになっています。なんとも今ドキ。そう、シンプルな中に華やかさが感じられるアップル製品に近い雰囲気を持ちます。
そして最後は「基本性能の充実」。別な言い方をすると「品質向上」です。
これは昔の日本と同じです。戦後すぐの日本は、安いだけの製品を作っていました。そして高度成長期に日本は方向を変え、品質・性能の向上へと向かいます。そして日本は一流の工業製品を開発、製造、販売できる国になります。
日本にできたことを、他の国ができない理由はありません。その急先鋒の一つがシャオミというわけです。
これに加えて、シャオミは元々スマホメーカー。「ネット接続」いわゆる「スマート化」は、お手のモノ。今からを考えた場合、スマホメーカーが作る白物家電はありありなのです。
シャオミ家電をチェック
(1)スマートウォッチ
Mi Watch Lite
心拍数/睡眠モニタリング付きの、スマートウォッチとしては、ビックリ価格の1万円割れ。価格を聞いた瞬間に耳を疑いました。デザインはオーソドックスで、まぁ普通です。可も不可もないです。しかし、これは文字盤デザインで大きく変わります。
機能で、見るべきところはやはり、長期間(9日間)充電なしに使えることです。それまで使っていたのが5日だったので、とても楽になりました。
機能的にマイナスなのは電子マネーが使えないこと。まぁ、スマホで対応できますので、致命欠点とは言えないではないでしょう。「初めて」のスマートウォッチとしては、お勧めです。
(2)1000種類以上のコンビネーションをカスタマイズ可能 いつでも新しいルックを楽しめます:Mi Watch Liteはただのスマートウォッチではなく、独自の個性を持っています。 ケースのカラーは3色、ストラップのカラーは5色、120種類以上のテーマ別ウ, ォッチフェイスとウォッチフェイス機能のカスタマイズ* があり、刻々と変化 するライフスタイルに対…
(2)体重計
Mi スマート体組成計 2
体重計は、健康管理ギアの一つ。こちらも1万円割れ。
今ドキの体重計で一番必要なことは、スマホと繋がり自動でデーター収集。運動データーと連動できることです。いわゆるスマート化。書くと当たり前のようですが、正確度で一番と言われるタニタは、連動が難しいですし、別のメーカーのものは、連動できるのですが値段が高い。Bluetoothを入れると高くなるのが当たり前と言う、旧態然とした仕様が多いのも事実です。フルで、いろいろなことできるようにするには、お金がかかるのです。私も、手入力にトライしたこともありましたが、その「少し」が結構面倒。私は、精度が多少落ちても、自動入力派です。(体重計の精度は、50g単位、100g単位などいろいろあります。)そんな時に、お勧めの1台。
重さの単位に「ポンド」と「斤」がセレクトできるのは、ワールドワイドならではの仕様なのですが、ユーモラスでもあります。
【Mi 2体脂肪計は、動的計量モードと静的計量モードのインテリジェントな切り替えを実現できます】動的モードでの計量に加えて、静的モードでの野菜、果物、パッケージ、その他のアイテムの重量を測定すること…
(3)卓上掃除機
Mi ハンディクリーナー ミニ
重さ500gのミニ・ハンディ掃除機。この手のものは、ちゃちいモノが多いですが、これは本格的。吸引力と持続時間も半端ではありません。88,000rpmのモーターは、13,000Pa(パスカル)の吸引力を実現しています。標準モードで30分、強モードで9分、掃除することができます。
軽く、やや細身の設計は、ちょっとしたすき間のホコリも取りやすい。またキーボードのクリーニングなど、卓上の掃除もラクラクできます。しかも優美なデザインは、卓上出しっぱなしでも不自然でないと言うより、画になります。
そして、これも1万円割れ。あると便利な掃除機です。
【ミニ・軽量・便利】Mi ハンディクリ…
(4)空気清浄機
Mi 空気清浄機 3H
こちらは以前にも紹介した空気清浄機。性能はきちんとしており、基本的な機能は網羅されています。しかもWiFi接続でき、スマホ管理もできます。またデザインは端整。
そして価格は、2万円を切ります。
一体型の 360 °円筒形 HEPA フィルター: 45 平方メートル 適用床面積*,空気清浄適用床面積(目安):約30畳まで,22% PM CADR 増加,8 平方メートル適用床面積増加,PM…
まとめ
それなりの機能、品質を持ったスマートウォッチ、体重計、小型ハンディ掃除機、空気清浄機を全部買っても、5万円でお釣りがきます。しかも、額は5千円オーバーになることもあります。モノはデザイン良し、機能、品質良し。ただし、独創的な機能は入っておりません。際立った特徴はないものの、定番家電としてよくできていると思います。中国家電だから、安物家電だからと、一線を画す人もいますが、シャオミ、私は悪くないセレクトと思いますよ。
ちなみに、先日発表された、スマートフォンM 11 Lite 5Gの価格は、43,800円(税込)。日本市場でトップを走っているメーカーの約半額。こちらも、アップル、ファーウェイを追いかけます。日本市場でも、中国ブランドがトップをとる日も近いのかもしれませんね。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。