【すべてを認める】寺婚じわり人気 意外にも成約は40〜50代がメイン|婚活インタビュー

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築地本願寺は、東京・中央区の築地に位置する浄土真宗本願寺派(西本願寺)のお寺です。この築地本願寺が、2020年から結婚を望む人たちの出遇いをサポートする「築地の寺婚(てらこん)」のサービスを始めました。なぜ、お寺が結婚相談所を運営するのか、他のサービスとはどんな点が異なるのか、シニアカウンセラーの渡信玲子さんに話を伺いました。

「築地の寺婚(てらこん)」とは

ふたりが出遭うきっかけとなった場所で結婚式ができる

なぜ築地本願寺が結婚相談のサービスを始めたのか、まずはその経緯について聞いてみました。

「若い皆さんにとっては、お寺はお葬式や法事のときに行くもの、というイメージが強いかもしれません。築地本願寺は、年齢の若い方でも気軽に相談できるサロンやカフェなどを作り、“開かれたお寺”を目指してきました。その一環として、2020年7月から始めたのが、築地の寺婚です」(渡信さん)

開始から約1年、現在の活動会員数は91人で、すでに8人の成約者が誕生しています。会員の年齢は23歳から72歳までと幅広く、中でも30代・40代が多いそうです。日本結婚相談所連盟(IBJ)と連携しており、寺婚会員だけでなく、連盟の登録者7万人の中から相手を選ぶことができます。成婚にいたった8人のうち1組は寺婚会員同志のカップルで、9月に築地本願寺で挙式を行うことが決まっているそうです。ふたりが出遭うきっかけとなった場所で結婚式を挙げられるのは、他の相談所にはない特徴と言えそうです。

東京・築地にある浄土真宗の寺院「築地本願寺」。銀座から歩ける立地のよさも魅力。

心のケアも万全!相談から成婚までの流れ

寺婚の流れをご紹介します。

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(1)担当者と初回面談(最大90分/無料)

寺婚には経験豊富なカウンセラーが2人在籍しています。まずは無料相談からスタート。

「親御さんが“息子の結婚相手を探してほしい”、と相談に来られるケースも多くあります。本願寺ということで信頼していただいているのかもしれません」(渡信さん)

寺婚では、どこに相談したらいいか分からない、という親御さんの悩みも受け止めています。

(2)寺婚会員に入会

カウンセリングを受けた上で、真剣に結婚相手を探したいと考えた方は寺婚に入会します。結婚相談所なので、「異性の友達がほしい」「恋人がほしい」という気持ちの方はお断りいただくことも。真剣に「結婚したい人」が入会の条件になります。

「すでに心を決めて、書類も揃えてきました!という方でも、クーリングオフなどの制度をご説明させていただき、その場で即決はせずに、一度持ち帰って検討していただいています。決して無理強いすることなく、ご本人の気持ちを大事にしています」

入会が決まったら、プロフィールを登録。このプロフィールには担当カウンセラーからのPR文も入ります。

「その方の魅力や個性をしっかりお伝えするよう心掛けています」と渡信さん。マッチングアプリのように、自己PRだけのプロフィールよりも信用できそうです。

(3)出遇い

担当カウンセラーが必ず一人つき、出遇いをサポートしていきます。インターネットの画面で登録会員のプロフィールを見ながら、相性の合いそうな人を探す流れは、マッチングアプリと同じ。「いいな」と思った人をお気に入り登録しておくと、カウンセラーが間を取り持ってくれます。お互いに「会ってみたい」と希望がマッチングしたら、喫茶店やホテルのラウンジなどでふたりで会う場を設定します。リアルで会うのが不安な人はオンラインデートも可能です。

出遇いを申し込まれた側が時間や場所を指定してOK。最初の逢瀬は60分で、「また会いたいな」と思う余韻を残すことがポイントだそう。

お互いに「もっと相手のことを知りたい」と思えばプレ交際に進みます。もちろん、自分にその気があっても、相手から断れることも。そのときは、カウンセラーが心のケアもしてくれます。

「お相手に断られると、心が折れてしまうんですよね。泣きながら電話がかかってくることもよくあります。でも、そこで止まっている時間はもったいない。動けばまた、次の出遇いが待っています。新しい出遇いがあれば、過去の縁は違っていたのだと分かります。長く苦しむことがないよう、しっかりサポートしていきます」(渡信さん)

(4)交際(プレ交際~真剣交際)

プレ交際は、いわゆる“お友達”の関係。この段階では何人でも同時進行が可能です。とはいえ時間や気持ちにも限界があるので、だいたい2~3人の中から決める人が多いそう。3カ月を目安に真剣交際に進むかどうかを決めます。

真剣交際がスタートしたら1人だけに絞り、新しい人との出遇いの申し込みもできなくなります。

(5)成婚!

真剣交際を経て、結婚へ。寺婚における「成婚」の定義は、プロポーズをした、あるいはされて、お互いに結婚の合意がとれた状態。結婚がゴールなので、結論を出すのは早いとのこと。

カウンセラーがさまざまな悩みに寄り添う

これまでに一度も恋愛経験がない方、障がいを持っている方、再婚・再再婚の方など、寺婚には、さまざまな事情や悩みを持つ方が相談に来られます。その一つひとつの悩みに、カウンセラーが寄り添ってくれます。

「40歳を過ぎた女性はもう結婚は難しいのではと悩まれている方が多いです。でも、寺婚でご成婚された方は、40代、50代の方がほとんどなんですよ。男性は若い人を好むから出遇いはないのでは?と諦めないでください。必ず出遇いはあります!」(渡信さん)

渡信さんの言葉を証明する、2つの事例があります。

寺婚会員のある40代男性は、一人の40代女性とプレ交際をしていました。ふたりとも非常に相性が良かったのですが、男性は長男で、女性は名字を変えたくないと思っていたそうです。そこで悩んで、真剣交際に踏み込めなかったといいます。しかし、男性が家族に相談したところ、次男の弟が「僕が家を継ぐから、女性の籍に入っていいよ」と言ってくれたために、結婚が決まりました。真剣交際が決まった翌日のデートで、その男性はプロポーズをしたそうです。

もう一人は、子どもが欲しいと考えていた40代の男性。いいなと思ったのは40代の女性でした。男性は真剣交際に移行するかどうか悩んでいましたが、渡信さんと会話を重ねるなかで、「もう一度会ってみます」と、自分の気持ちを確かめることに。その結果、男性は交際を決意しました。「子どもを授かれるかどうかわからないけれど、たとえ授からなくても、相手の女性のほうが大事だと思いました」と連絡をくれたそうです。

待っているだけでは、出遇いは訪れない

結婚相手との出遇いを求めている方に向けて、渡信さんにメッセージをいただきました。

「結婚相談所というと、少し敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、寺婚は築地本願寺の中にありますので、お寺に参拝したついでに、まずはお話だけでも聞きにきてください。こんな出遇い方もあるんだと知っていただけると嬉しいです。

出遇いは、待っているだけでは訪れません。何かしら、行動を起こすことから始まります。我々とお話をするだけでも、ご自身が何に悩んでいるのか、本当はどうしたいのか、最も譲れない条件は何なのか、気持ちが整理される方が多いんです。そこから道が見えるのではないかと思います」(渡信さん)

シニアカウンセラーの渡信玲子さん。築地の寺婚の前は、日本結婚相談所連盟のカウンセラー。25年にわたり、結婚の出遇いをサポートしている。これまで相談を受けた中で、数千人を結婚に導いている。

まとめ

浄土真宗の基本理念は、すべてを認めることだと教えていただきました。結婚だけがすべてではないし、しない人生があってもいい。同性同士の恋愛だってあっていい。すべてを認める考え方のなかで、「人生をともにするパートナーと出遇いたい」と考える人のサポートをしてくれるのが、築地の寺婚です。悩みを丁寧に聞いてくれ、時には親御さんにも寄り添ってくれる、とてもあたたかいサービスだと感じました。

◆尾越まり恵(おごし・まりえ)
フリーランスライター。1980年、福岡県北九州市生まれ。2002年、同志社大学を卒業後、リクルートの制作会社でブライダル情報誌『ゼクシィ』に携わり、2011年4月からフリーに。『日経ビジネス』『NewsPicks』などビジネス系の記事が多いが、女性向けメディアやエンタメなど、ジャンルを問わず、インタビュー記事を中心に執筆中。

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尾越まり恵(フリーライター)

フリーランスライター。1980年、福岡県北九州市生まれ。2002年、同志社大学を卒業後、リクルートの制作会社でブライダル情報誌『ゼクシィ』に携わり、2011年4月からフリーに。『日経ビジネス』『NewsPicks』などビジネス系の記事が多いが、女性向けメディアやエンタメなど、ジャンルを問わず、インタビュー記事を中心に執筆中。

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