オリンパス「OLYMPUS PEN E-P7」を実際に試してみた。基本性能が向上し、デザインもおしゃれ。クリエイティブな写真表現が楽しめるミラーレス一眼で、E-PLシリーズとは一味違う、エッジの効いたデザイン。きめ細かい画質調整が可能な、カラープロファイルコントロールも使うと楽しいと感じた。
今回のテストアイテムはこちらオリンパス「OLYMPUS PEN E-P7」
実売価格例:9万3500円(ボディ)
●プロフィール
洗練されたデザインや上質な仕上げが魅力の小型・軽量機。簡単操作で細かな画質調整ができる「カラープロファイルコントロール」も搭載。おしゃれなだけでなく、クリエイティブな写真表現が楽しめる“粋な小型モデル”だ。
E-PLシリーズとは趣の異なる、シャープなラインが印象的なボディ形状。その印象を損なわない控えめな前面グリップ部が、ホールド性を高めてくれる。
SPEC
●撮像素子/4/3型Live MOS センサー●有効画素数/約2030万画素●レンズマウント/マイクロフォーサーズマウント●ISO感度/LOW(約100相当)、200~2万5600●連続撮影速度/最高約8.7コマ/秒●液晶モニター/3.0型(約104万ドット)●記録媒体/SD、SDHC(UHS-I/II)、SDXC(UHS-I/II)●電源/専用リチウムイオン充電池●サイズ/幅118.3mm×高さ68.5mm×奥行き38.1mm●重量/337g
アルミ削り出しのダイヤルを採用
1963年発売の世界初ハーフ判一眼レフ、ペンF。その名前と外観デザインを継承した、2016年発売のミラーレス一眼、PEN-F。E-P7は、そのPEN-Fの流れをくむモデルである(ファインダーは非搭載だが)。それは、単に外観が似ているだけでなく、カラープロファイルコントロールを搭載している点でも共通する。
操作性に関しても、PEN-Fに近い。露出補正ダイヤルはないが、フロントとリアに二つのダイヤルを搭載しているので、絞りやシャッター速度、露出補正などの操作が迅速に行える。このあたりは、1ダイヤル方式のPEN E-PLシリーズにはない利点。また、これらのダイヤルにはアルミ削り出しパーツが採用されていて、金属特有の素材感や感触が味わえる。
■上面のダイヤルは薄型でスタイリッシュ
モニターはE-M1系と同じ3.0型だが、ボディが小型なので大きく感じる。上面の各ダイヤルは薄型でスタイリッシュ。
手ブレ補正は「5軸/最大4.5段」にアップ
注目のカラープロファイルコントロールは、右手側前面下にある専用スイッチでオン/オフを切り替えられる。オンにすると、画面下にモノクロ四つとカラー四つ、計八つの基本プロファイルが表示され、その中から一つを選び、12色相の彩度、シェーディング、ハイライト&シャドーの各項目を調整するというもの。特定の色に対して自由に画質調整ができ、実際に使ってみるとけっこうハマる。
基本性能の向上も見逃せない。手ブレ補正機構は、PEN E-PL10の「3軸/最大3.5段」に対して「5軸/最大4.5段」と、方式も効果も向上。手持ちでの撮影領域拡大や、手ブレによる失敗の軽減が期待できる。
■カラープロファイルで緑の彩度を最大に
並べられた柵の”緑色と木”が目を引く。そこで、カラープロファイルを使用。緑の色相の彩度は最大、ほかの色相の彩度は最小に。”緑色が浮き立つ世界”に演出できた。
PENシリーズで唯一ファインダーを搭載するPEN-Fは、今でも人気の高いスタイリッシュな高性能モデルである。それに近い外観や機能を持つ本機も、魅力的な存在である。
おすすめ度…A
基本性能が向上し、デザインもおしゃれ。クリエイティブな写真表現が楽しめる
ココが〇
E-PLシリーズとは一味違う、エッジの効いたデザイン。きめ細かい画質調整が可能な、カラープロファイルコントロールも使うと楽しい。
ココが✖️
甲高いシャッター音や、勢いよく飛び出る内蔵フラッシュの動作が気になる。給電対応のUSB端子は、汎用性の高いType-Cでなくマイクロ。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
●解説/吉森信哉(フォトグラファー)