今注目業態、ダークストアという言葉を聞いたことがありますか?日本初のダークストアとしてスタートした「OniGO」は、スマホで注文してからたった10分で商品を届けてくれる宅配専門のスーパーです。従来からあるネットスーパーと、この「OniGO」にはどのような違いがあるのでしょうか。

今注目の「ダークストア」とは

日本初のダークストア「OniGO」に行ってみた

小学生だった頃、夕飯の材料で足らないものや切らしてしまった調味料があると、お袋からお使いを頼まれました。妹もいるのですが、ちょっと小さいですし、ましてや人の多い夕方のスーパーに行かせるのはとんでもないということで、兄である私の役目だったわけです。今ドキは少子化の上、塾通いなので、子どもも忙しい。子どものお使いというのも、あまり見なくなりました。

スーパーにも宅配サービスはありますが、こんな細かなニーズには対応してもらえません。午前中11時までにお願いして、午後、夕飯の支度に間に合うように配達してくれる感じでしょうか。便利そうに見える宅配サービスですが、自宅で受け取りを待つ必要があります。ちょっと ATMへ、ちょっと歯医者へなど、ちょっとした用事が片付けることができなかったり、人と会うのが苦手な人は、ずっとプレッシャーを掛けられている気持ちになるかも知れません。メリットが多く語られる宅配ですが、メリットばかりのサービスではありません。

そんななか、欧米でスタートしたのが、ダークストア。黒魔術グッズを売る怪しいお店ではありません。「表にでない店」という意味での「ダーク」です。つまり、お店に行って直接商品を買うことはできません。オンライン注文専用の物流センターとして使用する配送専門の店舗のことをダークストアと呼びます。
さて、ネットで注文すると10分以内に配達してもらえるというネットスーパーがついに日本でも登場しました。10分=600秒。これは短いですよ。実際そんなことができるのか、目黒区鷹番に日本初のダークストアを出した「OniGO」に行き、取材してきました。

画像: onigo.club
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OniGOでの注文は専用アプリで

スマホでポチ。10分待つだけ

注文には「OniGO」という専用アプリで、スマートフォンから行います。

画像: アプリ トップページ

アプリ トップページ

画面は、一番上が「特集」「野菜・果物」「ハム・ソーセージ」「惣菜・お弁当・サラダ」・・・「ベビー」「ペット」という大枠の商品カテゴリー。19項目もあります。二段目が詳細カテゴリーです。例えば「野菜・果物」の場合、「果物」「野菜」「いも・根菜・豆類・かぼちゃ」「薬味・香味野菜」「きのこ類」となります。

その分類をうまく使い、あとは、ポチるだけです。

すると、ご請求額が示されます。「小計(税込)」「消費税(内税)」「送料(税込)」「合計金額(税込)」。

問題なければ、「お届け先」「お客さまのお名前」「置き配指定」に入力して、クレジットカードで支払います。

そして10分後。「ピンポーン」のチャイムが鳴り、品物を受け取り、確認して、全部終わります。

かなり簡単です。二回目からは、住所、カードの登録など、ややこしい入力がなくなりますので、もっと簡単に注文できます。

10分でどうやって配達するか?

配達は電動自転車で

10分という枷があるので、OniGOが配達できる範囲は限られます。自転車は電動自転車を使いますが、そんなに遠くへ行けるわけではありません。なんせ、東京23区内は人の嵐、トップスピードは余程のことがない限り、出すことができません。交通ルール順守、信号待ちなども考慮すると、平均:10km/hくらいかも知れません。このため、OniGOの配達範囲は、大体、店から1.5km範囲内。1.5km先でも9分で到着できる計算になります。

さて、注文が入ると「注文いただきました」の声が店舗に響きます。体育会系のノリですね。瞬時にピック担当が商品を揃えにかかります。ピック担当の相棒はスマートフォン。腕に装着のスマートフォンには、注文の品の写真と棚番号が映し出されます。それを一つ取ってはチェックを入れ、次の品物を取りに行きます。常温で問題ないモノは特殊素材のレジ袋に、生鮮食料品はマジックバック(銀色で、断熱材が入ったバック)に入れた特殊素材のレジ袋に詰めていきます。速い時には20秒。驚きのスピードです。

画像: 商品は番号を振られて陳列されている。

商品は番号を振られて陳列されている。

この袋を専用バックに入れてピック作業は終わります。Uberのように立方体ではなく、レジ袋に合わせ、細長いバック。入れただけで、荷物はほぼ固定。まぁ汁物を入れるわけではありませんので、商品が擦れ合うことを防げればOKというわけです。また、バッグの中には熱対応でアルミは貼られています。荷物が多いとき、例えばトイレットペーパーなど嵩張るものがある時などは、バッグ2つに分けます。

画像: 配達は電動自転車で。カゴに乗せるのは動いても問題ない商品だ。

配達は電動自転車で。カゴに乗せるのは動いても問題ない商品だ。

ピック作業は全て1Fで行われます。ドアを開けるとすぐ駐輪場。時間ロスがないように動線が組み立てられています。
自転車に乗り出発。荷物は基本背負(せおい)、バックパックです。自転車にはクルマのような衝撃吸収のためのサスペンションがついていませんので、背負うのが一番商品を傷めにくいというわけです。2つある場合は、片方は後カゴに入れます。こちらはショックを受けやすいので、動いても問題ない商品を入れます。

画像: 店舗前の駐輪場。大きなスペースではない。

店舗前の駐輪場。大きなスペースではない。

住所は「覚えて」配達する

スマートフォンは各人持っていますが、常にGoogle Mapを見ながらの配達ではありません。狭いエリアですから、「丁目・番地」までは覚えた方が速いそうです。最後の「号」は、その番地をぐるりすれば大丈夫。バイクだと規制があるので無理ですが、それは自転車ならではのメリットです。

そしてお客様に、品物を確認してもらい、配達は終了。ほぼ10分で対応できているとのことでした。帰路に約10分。1時間に3回が目安です。10分というと驚きますが、食事の配達もほぼ同じです。食事の場合は、調理時間がかかるので、30分が基本になっていますが、純粋な配達は、片道10
分程度です。逆に、そのレベルに区切らないと店から直行するタイプの宅配はできないということかも知れません。

地域に馴染む宅配サービスを

交通ルールを守る

OniGOの場合、宅配ビジネスが、その地域の人に支持してもらえる様細かな心配りしています。

配達員はお揃いの、オレンジ色のウインドブレーカーを来て、オレンジ色のバッグを持ちます。よく見えるので安全という言い方もできますが、注意を引くので自制心も働きます。当然、自転車は軽車両として法規に定められた通り、車道を走ります。要するに左側通行を順守するわけです。暴走Uber
が時々メディアを賑わしますが、見られている自覚もないのでしょうね。Uber配達はバッグも黒であり、特に闇に紛れる夜は、視認し難い時があります。

OniGOのように、狭いエリアが営業範囲ですと、クチコミがとにかく影響力を持ちます。人付き合いが悪いと言われる東京23区と言えども、ご近所に挨拶位はします。当然、悪評が立つと顧客は減ります。逆に「今日も頑張っているね」と見られるようになると、注文もいただくことができます。そのエリアで目立つということは、その商売をしています、よろしくお願いしますというアピールをしていることでもあります。

環境へ配慮した「お米が原料のレジ袋」

このルールを守る以外に、OniGOはもう一つ特徴を持ちます。環境配慮です。特殊なレジ袋と書きましたが、これ石油系樹脂ではなく、原料はお米。廃棄の時の環境負荷が低減されます。また電気自転車にしたのも同じ考えですね。日本の50ccビジネスバイクは、約150km/Lの燃費を誇る超優れもの。ですが、環境負荷を考えた場合、やはり電気自転車に軍配が上がります。

画像: OniGOで使われるレジ袋。Rice Resinとある。

OniGOで使われるレジ袋。Rice Resinとある。

要するに、OniGOは、その地域に根ざし、その地域と発展することを望んでおり、それを一つ一つ実行しながら、ビジネスを行っているわけです。

品揃えはスーパーとコンビニの間

さて宅配システムの構築と運用が片方の車輪とすると、もう一つの車輪は商品の品揃え、どんな商品が置いてあるのかです。これが全然魅力がないと、だめです。注文が来ません。

OniGOが狙っているのは、スーパーとコンビニの中間の品揃えです。

みなさんが利用するコンビニ最大の魅力は「便利」さです。そして一番の売れ筋はお弁当、そして今「中食」などにも力を注いでいます。その反面「価格が高め」ということがついて回ります。お弁当、中食ともに、食材ではなく、食材を加工したものですから、高いのは当たり前と言われればその通りですが、それでも高いと思う時がありますね。その分、コンビニは味でカバーしようとしています。高いことに対する理由づけとも言えます。

一方、スーパーはこの逆です。コロナ禍でスーパーも惣菜に力を入れるようになりましたが、コンビニレベルではありません。やはり一番の魅力は、食材が安く手に入ることです。自炊するならスーパーということです。

では、OniGOはどうか。話を聞くと、狙いはコンビニとスーパーの間です。とにかく、「すぐにでも必要」となるのは、調理時ですので、惣菜より食材に力を入れているとのことです。ただ色々な特徴ある商品は揃えたいとのことでした。

例えば今、アプリを開きますと、「こだわりの食品 特集「信濃屋セレクション」」とあります。そこには、「信濃屋無添加丸絞り白みそ」や「信濃屋 再仕込み生木桶醤油」「木桶仕込み醤油の玉ねぎドレ」などが、掲載されています。ちょっとした贅沢ですね。

また、「ミシュラン三つ星冷凍お弁当」もあります。1,296円ですから、少々高いのですが、在宅勤務で頑張ったのなら、自分へのご褒美として手頃ではないでしょうか?

酒類販売免許も取得できたということで、商品にはお酒も加わっています。こちらも飲んでいる時に足らなくなったら配達して欲しいモノです。

食材&ちょっと贅沢。なかなかいい組み合わせではないでしょうか。

OniGOの由来は?

未来を追いかける、名前に込めた思い

OniGOという独特な名前には、実は創始者の深い思いが込められています。何から来ていると思います。閃いた人もいると思いますが、「鬼ごっこ」です。時代に追いつけ、ユーザーニーズに追いつけ、未来を掴めという思いが、そこには込められています。

「鬼」の最近の使われ方には、もう一つありますね。「鬼強い」とかという「超」に当たる強調表現です。OniGOは、「すごーくすぐ配達します」という屋号でもあります。

プロトタイプでもある第一号店は順調に伸びているということで、計画通り、ルート環状7号線添いに二店舗目、三店舗目を考えているとか。前述の通り、このようなビジネスはメジャーになるまでは、クチコミが一番頼りになりますので、環状7号線と目黒通りの交差点にほど近いところにある一号店の近くに設けるのはセオリーです。

新しい業態であるダークストア「OniGO」。近くに一軒あるととても便利そうです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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