新型コロナウイルスの感染予防により「換気」の重要度が増しました。これまでに、エアコンには「換気」機能はついていませんでしたが、各社が対応を開始。エアコンに自動換気システムを上乗せする形で対応したのが、ダイキン「うるさらX」とパナソニック「エオリア LXシリーズ」。一方、日立はソフトで対応。「白くまくん Xシリーズ」はAIを駆使して窓あけ換気の目安をお知らせします。

エアコンメーカー各社が「換気」に対応

最近、換気をターゲットにしたエアコンが増えつつあります。
しかし、換気は、元々は二酸化炭素および一酸化炭素などの有害物質を家外に出すためのものです。日本では煮炊きをし、暖を「燃焼」で取ってきました。当然二酸化炭素他は、人が排出する以上に排出されるお国柄だったということですね。CO2と蒸し暑い夏を想定し、「日本の家屋は夏を旨とすべし」と室町時代から指摘されたものです。

時は移り、昭和になっても状況はあまり変わりませんでした。しかし、エアコンの普及率が高まると状況は一変します。家が、換気重視型から、一気に省エネ型に変わります。別の言い方をすると風通しがいいことを想定していた家が、一気に外界と隔絶、密閉された家に姿を変えます。外観はそんなに変わりませんが、内部は大違いです。

今や、日本の家屋は、北欧同等の密閉度になりました。こんな家は、北海道以外なかったのですが、いまや日本標準です。しかし困ったことも。ちゃんとした施工業者はそれでも換気を考えて建ててくれますが、熱断熱だけを優先した業者もいます。

そんな中、襲ってきたのが「コロナ」。コロナに罹った人がいますと、周囲の罹患率が高くなりますので、それを避けるという意味で「密」はダメ、「換気すること」、となっていますが、それに対し換気を重視していなかったのが日本です。当然、焦ります。

一つには、空調を「温度調整」と考えて、舵取りしてきた行政にも問題があります。(司法(建築基準法)では換気の重要性はしっかり謳われています)。しかし、家電業界では、空調の盟主である家電「エアコン」が「換気」を無視してきたのも事実。というより、適性がないので、対応できなかったという表現が適切でしょう。

今回は、最近騒がれている「換気」と「エアコン」に関してレポートします。

換気機能付きエアコンとは

エアコンは本来「換気」と無関係

エアコンは、本体「空気の温度を管理」する家電です。確かに「除湿」はできますが、そこまで。それがエアコンです。このため、換気は「換気扇」、加湿は「加湿器」、気流は「扇風機」もしくは「サーキュレーター」、空気質は「空気清浄機」ということです。

この中で、エアコンは部屋の隅々まで温度を均一化するために「気流」の機能はエアコンに取り込まれ、「加湿」「空気清浄」は一部のエアコンには取り込まれましたが、「換気」を取り込むことはしません。その位「換気」と「エアコン」は、相入れないのです。温度をコントロールには、密閉された空間が一番でもあります。

エアコンは空調の中心家電です。これは「風(気流)」と「温度」の効果が人に分かりやすい上、「温度」をコントロールすることで、それまで知的作業に向かなかった夏期を、作業ができる環境にしてしまいました。経済効果も抜群だからです。

このため、適切、不適切に関わらず、今のエアコンは他の空調家電の機能を取り入れつつあります。一番多機能なのは、ダイキンの「うるさらX」でしょうね。「温度」「除湿」とエアコン本来の機能に加え、「加湿」そして「換気」まで加えました。

画像: 換気機能が装備されている「うるさらX」 www.daikinaircon.com

換気機能が装備されている「うるさらX」

www.daikinaircon.com

同様のモデルに、11月中頃に発売されるパナソニックの「エオリア」LXシリーズがあります。

画像: 換気機能が装備されている「エオリア LXシリーズ」 panasonic.jp

換気機能が装備されている「エオリア LXシリーズ」

panasonic.jp

換気システムはエアコンシステムと別

エアコンの換気システムはどんなものかと極めて単純にいいますと、エアコンが本来持っている冷媒循環や排水とは別に、「空気の取り入れ、排出システム」を設けたモノです。エアコンのキー技術「熱交換」に空気は必要ないですからね。

では、ダイキンの「うるさらX」はどうしているかというと、今ある室外機の上に排気吸気のメカニズムをのせました。本当に上乗せです。これは、室内機をこれ以上大きくすることはできないからです。換気システムは人間が吸気と排気を繰り返す呼吸により酸素を中に取り入れるように、吸気と排気を同じシステムで行います。ダンパーで切り替えます。

吸排気を一つの系で行いますので、パイプは一つで済みます。幸い、エアコンは冷媒循環パイプ、排水パイプのための穴があります。ここに空気パイプも通します。

そして、室内機内で、温度・湿度調整を行い、換気された空気は、馴染んだ状態で中に送られます。

とても便利なシステムですが欠点もあります。一番の問題は値段が高くなることです。仕方ないと言えばその通りなのですが、それでなくてもエアコンは高いですからね。ますます手が出しにくくなるわけです。

日立の「白くまくん」Xシリーズは「お知らせ」

ハード的なアプローチがある一方、人が換気するのをサポートするのを目指したメーカーもあります。日立ジョンソンコントロールズ空調(株)(以下 日立)のエアコン「白くまくん」Xシリーズです。こちらはソフトで勝負です。

画像: 日立ルームエアコン Xシリーズ kadenfan.hitachi.co.jp

日立ルームエアコン Xシリーズ

kadenfan.hitachi.co.jp

日立は時々革新的なモノを世に出しますが、どちらかというとオレオレ感のないメーカーです。それは、一度作った技術を磨きに磨くからです。途中で諦めることはしないですね。満足いくまで、執念深く技術を磨きます。今は、清掃技術「凍結洗浄」に磨きをかけています。今回は、56℃高温加熱で、しつこい油汚れを浮かし、一気に-15℃まで温度を下げ氷結。一気に洗い流す、新凍結洗浄を打ち出しました。キッチンがリビングが一体化しつつある今、油汚れ対策はすごく重要。この解答を追い求めた成果です。より便利になったのですが、これは洗浄技術の一つ。メディアに言わせるとあまり新しくはない。このため、日立製品はよく見ないとその良さが分かり難いところがあります。

換気対策についてみていきましょう。

日立は「AI」を強化することで対応しました。名付けて「換気見守りAI」です。このAIはCO2センサー(結構コストかかります)を頼りに対応するのでしょうか?

そうではありません。「白くまくん」XシリーズにCO2センサーは付いていませんが、デジカメを巧みに使うことにより対応します。

日立のAI、くらしカメラAIは、「部屋」より「人」を大切にするという考え方から生まれました。夏、クーラーをかけて寝るとき、夫婦で違う感想を持ったことはないですか。旦那は暑いのでもっと冷やそうといい、冷え性の妻はこれ以上は寒すぎると言った塩梅です。「くらしカメラAI」はそれを先取り解消するために生まれた技術です。

まず、エアコンに内蔵された300,000画素CMOSイメージセンサーで部屋の中をくまなくスキャンします。このデジタルカメラにも使われる画像センサーで得た多くの情報を活用し、お部屋にいる人を識別して、それぞれの在室時間を把握。さらに人数や位置、活動量、足もとを認識します。加えてお部屋の温度分布を捉える温度カメラや近赤外線LED技術も搭載し、体温も把握します。

そこから得られるさまざまな情報を組み合わせて、その人の体温の動きを予想、対応するのです。部屋に長くいる人には、控えめの送風。入室したての人には、しっかり送風という塩梅です。

今回の「換気見守りAI」は、その発展型です。お部屋にいる人数と活動量を検知し、排出CO2量を予想するのです。細かいデータもしっかり把握している日立だからこそできる技です。「一つのことを極め抜け」というのは、某アニメの有名なセリフですが、今あるものをそのまま応用できるのは、コストも対して上がりませんので、ユーザーにもプラスなのです。

さて換気が必要となったら、今度は音声で知らせます。部屋にいると、視覚色々なモノで占領されているので、確実なのは音声です。

しかし、AIのお仕事は、それだけではありません。温度差だけでエアコンをコントロールする場合は、窓開け換気しますと、外気、別の温度の空気が流れ込んできますので、「設定温度を守るぞ!」と最大パワーで対応しようとします。空気は外に逃げているのにも関わらず、エアコンのパワーは最大になるのです。加えて、窓外に室外機があると排気が入ってくる可能性もあります。夏だとすごい温度です。電気代が跳ね上がってしまいます。

「換気見守りAI」だと、換気を察知できますので、空気を入れ替えている間は、設定温度を変えません。換気を終えてから、温度調整を行います。ちなみに、どれくらいの差が出てくるかというと、暖房時で約9%、冷房時で約23%もの差がでます。かなりすごいです。

画像: 【換気機能付きエアコン】メーカー各社が対応中!AIが換気の目安をお知らせしてくれる日立「白くまくん Xシリーズ」にも注目
RAS-X40M2-W 日立 【2022年モデル】【標準工事セットエアコン】(15000円分工事費込) 白くまくん おもに14畳用 (冷房:11〜17畳/暖房:11〜14畳) プレミアムXシリーズ 電源200V (スターホワイト) [RASX40M2Wセ]
【返品種別A】□「返品種別」について詳しくはこちら□■新製品■2021年10月29日 発売予定メーカー保証期間 1年◆設置・工事も安心のJoshinへお任せください。【当日の工事の流れなど図解動画でご紹介(クリック)】【アイコンの説明】■本商品は200V電源商品となります。電圧切り替えやコンセント交換工事が必要となります。賃貸等の場合は事前に管理会社等に取付可否のご確認をお願い致します。許可がない場合や対応していない場合は取付ができません。■工事未対応エリアの場合、ご注文を承ることができません。■エアコンの取付工事は、ご注文日より1ヶ月以内の日付とさせて頂きます。■ご自宅の状況により、工...
¥ 354,750
2021-10-27 11:19

最後に

コロナ禍で、換気が大きく叫ばれていますが、知的作業を行う上でも換気はとても重要な意味を持ちます。C02量が多くなると、だんだん頭の回転が遅くなります。勉強、仕事も能率が上がりません。温室効果ガスの件もあり、コロナ禍だからでなく、人が生きる上でCO2はどうあるべきなのかを考える時代になっているように思います。

しかし、それでも、タイミングが測り難いのが「換気」。家電にサポートさせる手は大いにありです。2021年は、その1stモデルが出揃い始めた感があります。換気エアコン元年とでもいうべきでしょうか。しかも、自分にあった方法をチョイスできます。今後エアコンを選ぶなら、「換気」に優しいエアコンがお勧めです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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