日常生活で雑に済ませてしまっている結び方を一度正しく覚えれば、適材適所で使い分けができるようになります。新聞や雑誌などを荷崩れなく固定したり、段ボールなど板状の物をまとめたりすることが手際よくできるようになり、効率のいい家事につながります。直径6〜8mm程度の柔らかい編みロープを用意すると汎用的でいいでしょう。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト・写真:出典/西東社
生活で使うロープワークのポイント
ロープワークはキャンプや登山などアウトドアの場面で使用するイメージがありますが、日常生活でも掃除や洗濯をする際の便利な道具として役立てられます。
また難しくはないのですが使用頻度の高い結びを使う場面が多いので、普段雑に済ませてしまっている結びを一度正しく覚え、適材適所で使い分けができるようになれば、効率のいい家事につながるはずです。
たとえば、新聞や雑誌などを荷崩れなく固定したり、段ボールなど板状の物をまとめたりすることが、手際よくできるようになります。
家庭で使うロープとしては細かくこだわる必要はないので、直径6〜8mm程度の柔らかい編みロープを用意すると汎用的でいいでしょう。
家の中での工夫
バラバラな大きさの本の縛り方、ビンの縛り方、革靴のひもの結び方を紹介します。
▼バラバラの大きさの本を縛る
(1)重ねた本にひもをひと巻きして、両端を上で十字に交差させる。
(2)交差させた方向にひと巻きする。
(3)両端を側面の真ん中あたりで十字に交差させる。
(4)交差させた方向に引っ張りながらひと巻きする。
(5)両端を「本結び」で結ぶ。結ぶ位置はどこでもよい。
(6)完成 側面の真ん中でも縛ることで、大きさにばらつきがあっても緩みにくくなる。
▼ビンを縛る
(1)両端が均等に残るようにひもの中央でビンをふた巻きし、Aを前側に2~3回巻きつける。
(2)両端で「外科結び」をする。
(3)Bでビンの間に縦に「割り」を入れる。
(4)Aをビンの首にふた巻きし、端を首に巻いたひもの間に通す。
(5)Aを返して首のひもに巻きつける。
(6)Aで「ひと結び」し、Bを縦に1周させる。
(7)Aを「ひと結び」してできた輪の部分でBを「巻き結び」する。
(8)余った両端を「蝶結び」にして仕上げる。
(9)完成 手順(3)で「割り」を入れているためビンどうしがぶつかることはない。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
▼革靴のひもを結ぶ(1)
シングル
(1)左端が長くなるよう最下段に靴ひもを通し、右端を一番左上の穴に裏から通す。
(2)左端が右端の上を通るように、右の下から2段目の穴に裏から通す。
(3)(2)で通した端を左の2段目に表から通す。
(4)(2)と(3)を一番上の段まで下から順番に繰り返す。
(5)左右のひもの長さが均等になるように調節して「蝶結び」する。
(6)完成 靴ひもの厚みが出ないすっきりとした見た目が特徴だ。
▼革靴のひもを結ぶ(2)
パラレル
(1)左右の長さをそえて最下段に靴ひもを通し、左端を右2段目に裏から通す。
(2)右端が左端の上を通るように、左の下から3段目の穴に裏から通す。
(3)(1)で通した端を左の2段目に表から通し、右の下から4段目の穴に裏から通す。
(4)(2)で通した端を右の3段目の穴に表から通し、左の5段目の穴に裏から通す。
(5)(3)で通したひもを左の4段目の穴に表から通し、右の5段目の穴に裏から通す。
(6)完成 最後に「蝶結び」。緩みにくく、しまりもいい一般的な革靴の結び方だ。
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なお、本稿は書籍『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書は、ロープとひもの結び方が「全200」も解説・収録されています。イラスト図解で結び方の工程が見やすく、写真で完成イメージがわかりやすくなっています。基礎知識、アウトドア、荷造り、園芸、防災・緊急時からロープのメンテナンスまで、さまざまな場面で役立つ結び方が網羅されていて、もしものときのために持っておくと安心の一冊です。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(2)「【ロープを使って荷物を縛る】始端の止め方・末端の結び方」の記事もご覧ください。