驚くものを見たとき、親しい人どうしで顔を見合わせることがありますが、猫も同じようなことをすることがわかりました。2015年に発表されたイタリアの実験でわかった猫のほんねについて、書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』著者の卵山玉子さんと監修の今泉忠明先生に解説していただきました。
解説者のプロフィール
マンガ・イラスト 卵山玉子(たまごやま・たまこ)
猫好きのマンガ家。愛猫は里親募集で迎えたトンちゃん、シノさん。著書に『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)、『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)など。アメブロ公式トップブロガー。
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監修 今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
哺乳動物学者。日本動物科学研究所所長。「ねこの博物館」館長。『猫はふしぎ』『飼い猫のひみつ』(ともにイースト・プレス)、『猫語レッスン帖』(大泉書店)、『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)など著書・監修書多数。
本稿は『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
編集・執筆/富田園子(ライター・編集者)
驚いたとき人を見るのはどんな気持ちなんだろう
驚くものを見たとき、親しい人どうしで顔を見合わせることがありますが、猫も同じようなことをすることがわかりました。
2015年に発表されたイタリアの実験です。「緑色のリボンをくくりつけた扇風機」という奇妙なものがある部屋に猫と飼い主を入れます。
猫のリアクションは…
すると約80%の猫が「扇風機と飼い主を交互に見る」というリアクションをしたのです。「えー? 何コレ?」と飼い主に問うような気持ちでしょうか。
さらに実験では、飼い主の半分は扇風機に対して楽しげな反応を、残りの半分は恐怖におののく反応をするように指示しました。
飼い主の反応で…
すると、楽しげな反応をした飼い主の猫より、恐怖の反応をした飼い主の猫のほうが何度も扇風機と飼い主をチラチラ見たり、逃げ出したいという感じで出口を見ることが多かったそう。
つまり、「飼い主が怖がっているから、これはヤバイもの」と感じたということでしょう。ふしぎなものに出会ったときは、飼い主の反応を頼りにしているのですね。
猫のほんね
見知らぬものに出会ったときは、飼い主さんの反応も見て、危険かどうか判断するんだ
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なお、本稿は書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。猫好きのマンガ家、卵山玉子さんと哺乳動物学者の今泉忠明先生の強力タッグで贈る、猫のほんねがわかる本です。オールカラーのほんわかマンガで学べる猫の真実とは? 愛してるからぜんぶ知りたい、猫のきもちが100問100答で解説されています。猫も猫なりの理由があっていろんな行動をするのです。猫のほんねがわかれば、もっと理解できるようになりますよ。